久我有加さんのレビュー一覧

疾風に恋をする 小説

久我有加  カワイチハル 

なんたかんだで溺愛ストーリー

 受け様の英介は現代劇(映画)の役者を目指して映画会社に入社したのに、東京大震災で東京の撮影所がつかえなくなり、不本意ながら大阪に移り、旧劇の役者を務めている毎日。

 攻め様の半次郎は大阪の撮影所で旧劇の女形として役者をしている先輩。

 旧劇なんて、とくさっていた英介に、半次郎から自分が見えていなかった事柄を気付かせてもらった時、半次郎に対する見方が変わった英介。
また、この時素直に…

3

初恋列車 小説

久我有加  麻々原絵里依 

相手のオタク趣味を尊重出来るって……どれだけ好きなんだ!

電子書籍で読了。挿絵有り(以前も書いたかもしれませんが、角川ルビーの電子版イラストを見るためにはタップで飛ばなければならないので、流れが悪いなぁと思います。出先で読んでいる時はいきなり肌色イラストが出現しない利点はあるのですけれども。痛し痒しとはこのこと)。

自分が夢中になっているものに敬意をはらってくれる恋人。
羨ましいなぁ……その一言に尽きます。
容認してくれるだけじゃないんですよ。…

1

いつかお姫様が 小説

久我有加  山中ヒコ 

印象的なタイトル

表題作と続編の中編2作品、どちらも開士(受)の視点で進みます。

読む前は尻切れトンボのように思えたタイトルが、読み終えてからは「いつかお姫様(開士)が王子様(市村)と出会う」にも続けられますし、ちょっと傷ついていた市村へ「いつかお姫様が現れる」という希望にも読めて、印象的で良いなと思うようになりました。

見つめあう表紙イラストも素敵でした!
内容はコミカル程ではないものの、明るく可愛…

2

幸せならいいじゃない 小説

久我有加  おおや和美 

幸せオーラに癒される

幸せならいいじゃない
というタイトルに惹かれて購入。中身もまさしく幸せに包まれてます!


スランプ気味の脚本家直登と、コンビニアルバイトの大学生北見のお話。最初は、コンビニの常連客とその店員。あるきっかけで食事をしたり、料理したりする仲に。年下なのに世話焼きな北見と、甘え上手だけど大人な直登。付き合ってからどんどん惹かれあってラブラブになっていく2人に癒されました。

直登はこれまで…

3

疾風に恋をする 小説

久我有加  カワイチハル 

(英介が)格好よすぎか・・・!

久我先生の現代ものも好きですが、個人的にはより時代ものの方が好きです。
今回は大正時代の大阪を舞台に、役者二人の活動写真への熱い情熱と、ちょっとしたお家騒動。そして花開く恋と言ったお話です。

内容ですが、震災後、東京から大阪に移ってきた新人役者・英介。現代劇を志していた彼は、大阪の時代遅れの旧劇に不満を抱き孤立するも、人気役者・半次郎の人柄と実力に触れ認識を改めていき-・・・と言うものです…

5

恋で花実は咲くのです 小説

久我有加  草間さかえ 

芸人シリーズ、裏方編

いわゆる「芸人シリーズ」の1作。
でも他の作品を読んでなくても大丈夫。私自身もこの「芸人シリーズ」は読み順バラバラに読んでます。

「恋で花実は咲くのです」
時間軸は、「芸人」1作目の「何でやねん!」のCPコンビ『バンデージ』が40代の大物になっていてる頃。
主人公・芝山隼斗は漫才コンビ『スパークファルコン』のツッコミ、29才。
しかし、いまひとつ芽が出ないまま、父親が倒れたのを機に実…

0

何でやねん!(2) 小説

久我有加  山田ユギ 

相方で、恋人で。

「何でやねん!」の高校時代の2人から、若手漫才コンビのホープ「バンデージ」の2人になった土屋と相川の物語。

「どないやねん!」
ルックスのいい2人。漫才師以外にもお互いドラマ出演などしてぐんぐん人気が上がってくる。
大阪と東京と行ったり来たり、色んな仕事の掛け持ち、ネタを練るのも稽古も睡眠時間もどれも中途半端で、意地悪な先輩芸人、わがままな若手女優、いつも優しすぎる土屋…そんなあれこれが…

1

何でやねん!(1) 小説

久我有加  山田ユギ 

『バンデージ』誕生編

久我有加さんお得意の、関西弁BL。
それが「漫才コンビ」が題材となればその関西弁が必然だから、より久我さんの関西弁遣いとしての自在さが生きてくる。
そして本作は高校生同士の、進路とも関わる恋物語です。
主人公は、土屋来と相川仁。
土屋は幼稚園の頃から将来は漫才師志望。
対して相川は、転校時のトラウマで「笑い」が大嫌い。
実は土屋は土屋で、自分の辛い思い出から人に笑顔になってほしいという…

0

片恋の病 小説

久我有加  イシノアヤ 

片恋をこじらせて

もう何作目になるのかわからない、大阪芸人シリーズの、現代版編の新作です。
シリーズの前作で登場したコンビやキャラがそこかしこにいるのが楽しい。
しかし、シリーズも長くなってくると、BLとしての恋愛パターンに行き詰まりを感じてくるというか、なんというか、
今回のお話は、片恋を隠すことに囚われすぎて迷走するツッコミ担当と、鈍感なんだか天然なんだか何考えているのかわからないボケ担当との、10年以上…

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恋で花実は咲くのです 小説

久我有加  草間さかえ 

シリースで一番コミカル?!

新刊「片恋の病」をきっかけにシリーズを再読しています。

お笑いを舞台にした作品では一番これがコミカルだなと思いました。
「片恋の病」も、「何でやねん!」「月も星もない」もシリアスでぴりぴりしたものを感じるのですが、こちらは支配人×元芸人という支える立場だからか、ふははと笑えました。

コンビでないカップルだからか、仕事ではともかく恋愛ではそう言い争いにはなりません。芝山が口に出さず、腹…

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