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20/54(合計:531件)
久我有加 カワイチハル
fandesu
電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきあり。 無声映画からトーキーに移る頃のことは、合衆国のものをいくつか読んだり観たりしたことがあるのですが、日本でこの時代について書かれたお話はあまり読んだことがなかったのでとても興味深かったです(主役の二人よりも『活動写真のスター』竹蔵さんにえらく興味をそそられてしまったりして……)。 才能があり、真面目に取り組もうとしている若い受けさんと、年上のゆと…
久我有加 伊東七つ生
にゃんみ
ネタバレ
久我有加さんは安定したほっこりを提供してくれる作家さんというイメージです。時代物は特定の作家さんしか読まないので比較できるほどではないのですが、久我さんの時代モノは初心者にも読みやすいと思います。 このお話の受けさんは天然を超えたド天然という感じで、共感とか応援とかそういう感じではなく、なんだか小動物を見守っているような不思議な気持ちにさせられながら読みました。 攻めは最初はともかく受…
ちょこみん
時代物の小説を久しぶりに読んで、いいなぁと思いました。 挿絵の雰囲気が物語とよく合っていて、適所に挿絵が出てくるので気持ちも盛り上がりました。 梓の話し言葉だけでなく、地の文の梓の心情が関西弁なのもいいです。 原稿の依頼に来た編集者の扇谷梓を、作家の間宮照市は不愛想に突っぱねるけど梓にはあまり効いていなくて、 ちぐはぐなやりとりになっているのが面白いです。 障子をそーっと細く開けてこ…
雀影
「疾風に恋をする」に続く、大正末の大阪を舞台にした作品。 今作は、カバーイラストも、大正モダン風のタイトルロゴや、友禅風に意匠化された鳥や花に囲まれた和装とスリーピースの洋装姿の主役二人、手には帽子っていうところも時代背景をよく表していて好印象。 中身の方は、この!この!! おっとりとした古めかしい関西弁が、もう、最の、高!!で、んまに萌転がるねん。 主人公の梓くん、天然系健気受けちゃんでは…
あーちゃん2016
本編の最後に、「若鮎焼いたん 食べに行きまひょ」て言ってたのを実現した時のお話です。 以下盛大にネタバレです。 受けさんの実家「滝の尾」に行ったはいいけど、二人の関係はバレバレ、滝の尾の主人(受けの兄)、古参の従業員建治からは「なんかあったら八つ裂きにしたる・・」という無言の圧力を感じる攻めさん(笑)。そりゃそうやで、この箱入りぼんぼんに、実家の目の届くところで手を出すあんたが悪い とくすくす…
関西を離れている関西人必読の書と申し上げたいぐらい、関西弁に癒されるお話。久我先生の関西弁話、久しぶりに読ませていただきましたが、朝から和みまくり。ほんま、よろしおすなあ です。関西弁萌、ひねくれさんや天然・純粋ちゃんが好きな方におすすめです。関西弁が盛大にでてきて、「これ、関西圏以外の人、ちゃんと読めるんやろか」と不安に思ったので、関西弁あんまり読んだことない方は事前に他作をちら読みするなどして…
ぴれーね
こちら、大正時代を舞台としておりまして、前作の「疾風に恋をする」とも少しだけリンクした作品になります。 とは言え、完全に独立した作品ですので、こちらだけでも問題無く読めます。 そしてですね、前作もとっても甘かったのですが、今作では主役2人の性格上、更に糖度が高めになっております!! いやもう、やっぱり久我先生の時代ものは最高!!と大変楽しく読ませていただきました。 内容です。 新…
久我有加 イシノアヤ
M+M
シリーズものなんですが、未読でも全く問題ありません。 ただ、私は元々このシリーズが大好きで読んでいたので、ちらほらと出てくる人物やコンビ名がうろ覚えだったのが気になって、シリーズ最初から読み返してしまいました。なお、個人的には順番は「片恋の病」を読んでから「恋で花実は咲くのです」を読むのがお勧めです。時田に笑ってください。 由(受)の視点でストーリーは進みます。 相方の深野(攻)に十年以…
深野の視点による、本編の後日談「両想いの日々」です。 全国漫才コンテストの優勝から4か月後、ゴールデンウイークを前にようやく休みがとれて、深野のマンションへ二人が帰ってきました。由が作ってくれたカレーを食べて、深野が茶碗を洗っている間に、眠ってしまった由の寝顔を見つめがら、思いを馳せます。 朝子より由のカレーが好きだったとか、あれほど気持ちがいいセックスは生まれて初めてだとか、ノロケ満…
大阪芸能史の系譜に連なる作品ですが、今回は落語界やなくて、映画界のお話。 映画が活動写真と呼ばれた無声の時代劇から、トーキーという有声の現代劇への過渡期を舞台に、東京から来た俳優と、関西歌舞伎出身の人気役者との出会いが描かれます。 大正末から昭和初めの時代背景や、東京と関西の撮影所の違いなど、こういう、ちょっと昔のお話がちゃんと描かれているのって、とっても貴重で、とても嬉しい。 それだけに、…