珂弐之ニカさんのレビュー一覧

華客の鳥 小説

菅野彰  珂弐之ニカ 

複雑にこじれた関係

菅野先生の小説を読んでいつも思う感想。話が面白くて小説のクオリティが高い。でもBLじゃなくて文学作品みたい。面白いけどBLとしてはいつもものすごく変化球だと思う。BLレーベル以外でも書かれてるようなのでいわゆるBL様式美とか萌えにこだわらないのかも。

今作の舞台は60年代のアメリカLA近くのチャイナタウン。日系人×中国系のカップルです。2人の出会いは幼少時に遡り、変態華僑の有力者に囲われてい…

3

レベッカ・ストリート 小説

菅野彰  珂弐之ニカ 

ニューヨーク探偵物語

大好きなニューヨークが舞台のBL。時は90年代。ニューヨークやその近郊都市の描写は雰囲気が出てて良かったです。

しかし冒頭部分で大手興信所から独立したての探偵事務所で初めてのお客さんの前でカップル経営者らしき2人が痴話喧嘩して客が逃げ出すって所で独立初日でこんなプロ意識に欠けてて大丈夫?とドン引きしました。

ストーリー運びもわざともったいぶった遠回りで核心に触れないような書き方で進み、…

1

華客の鳥 小説

菅野彰  珂弐之ニカ 

難しかった

「HARD LUCK」シリーズのスピンオフ作らしいですが、そちらのシリーズは未読です。
こちらの本では、主人公がスピン元作のキャラクターたちに出会う前のまだ子供時代の話と、スピン元のキャラクター達の関係性がすっかり安定した後の話なので、単独の作品としてこの本だけ読んでも大丈夫なようです。

子供時代の二人の出会いと事件を引きずって、大人になってもシンとの関係に踏み出せないハルカと、そんなハル…

4

レベッカ・ストリート 小説

菅野彰  珂弐之ニカ 

包容力溢れる攻め✖︎トラウマを抱えた受け

翻訳小説のような表紙が魅力的で購入しましたが、買って良かったです、全編に渡りとても洗練された雰囲気が漂っていました。
舞台は96年のニューヨーク、探偵事務所を開業したばかりのカイルと幸也のもとに、ある風変わりな依頼が舞い込んできます。
このカイルが元検事補でハーバード法学部を首席で卒業、の本来はバリバリのエリートさん、包容力溢れる攻めであり、日系三世の幸也はワケありの青年でトラウマを抱えた受…

5

レベッカ・ストリート 小説

菅野彰  珂弐之ニカ 

90年代NYを舞台としたノスタルジックなゲイドラマ

1995年の作品の新装版。
あとがきによると、一文を除いて全文を書き直されたとのこと。
作家さんの本作に対する思い入れの強さが伝わってきます(それだけに誤字脱字の多さが残念ですが…)。

ちなみにメインの二人は、一般レーベルから出ている『HARD LUCK』シリーズにも登場しているそうです。

舞台は1996年ニューヨーク。
元検事で探偵のカイル(攻め・語り手)は、恋人の幸也(受け)…

8
PAGE TOP