笠井あゆみさんのレビュー一覧

蠱蝶の殉情 小説

和泉桂  笠井あゆみ 

中身はぎっしり

 ざっくり言えば全編、なんちゃって中華ファンタジー、というくくりだけれど、かなりテイストの異なる四つのおはなしが盛り込まれた短編集。表題作は、敵国への刺客となるべく、男でありながらその身に毒を湛えた「毒姫」として育てられた聯国の王子苓鈴と、叛乱によって聯国を手中にした神開の、文字通り命懸けの初夜から始まります。

 王を殺した謀反人の神開が王位に就くには、民心をまとめるため前王の姫を娶る必要が…

8

「暴君竜を飼いならせ」Amazon限定特典ペーパー 「愛情記念日 」 グッズ

あまーい愛情をたっぷり召し上がれ♪

これは評価に困りました。

本作のほうを「しゅみじゃない!」に
してしまっているのですけど、
このSSペーパーについては、
題名の通り愛情たっぷりで
なかなか二人がラブラブほんわか
いい感じなのですよね…


本編で主人公の潤(受け)に対し、
取り返しの付かない心の傷を追わせてしまった可畏(攻め)。

そのせめてものお詫びに…と、
可畏の部屋に特大本格的キッチンを増設し…

4

暴君竜を飼いならせ 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

ありえん

あー、スンマセン。
ゴメンナサイです、はい。

恋人を殺すとかありえん!
私もマジで怒ってしまったんです!

でもやっぱり可畏(攻め)が潤(受け)を部下に殺させた
シーンだけは許せませんでした。

しかも、口をふさぎ、手錠をかけ、目隠しをして、
自分の見えないところで、
部下に命じて、頭をハンマーで一撃とか……
もう悲しすぎるを通り越して、怒りしかありませんでした。
可畏…

20

隠り世の姦獄 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

見方で見え方が変化する面白さ

前作が面白く、そのスピンオフということで手に取りました。前作のキャラたちが登場し始める112ページ以降のお話の動きが面白かったです。
前半部分は、前世の記憶もなく混乱と絶望に沈んだ萱野視点なので、鬱々としているしお話もどう転がっていくのかが見えなくて、読むのが少し辛いくらいでした。スピンオフなのに関連ワードが全く出てこないし、と不安になってきたところでの依冶登場。そして怒涛の展開とカプ増殖が非常…

4

霧の楽園 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

病んでる

丸木作品の「罪の蜜」に通じる薄暗さがあり、「罪の蜜」が好きな人は買っていいかと思います。
前半のほぼ2/3は受けの心理描写ベースで語られており、時々挟まれるモノローグに疑問が深まりながら読み進め最後はどうなるのか正直わかりませんでした。受けの心理描写が終わった時もまだ疑問は残ったままでしたが、最後の攻めの心理描写からすべての謎が解け、全体を通して納得できるラストでした。
特に攻めの心理描写は攻…

1

霧の楽園 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

続編、完全版があれば是非

読了後「あれ?」って気持ちになりました。何というか、うっかり100ページくらい読み飛ばしてしまったんじゃないかと…。
何といいますか事件の起こっていないミステリーみたいな感じです。最後に明かされる謎(冒頭で大体分かっちゃいますが)に関しても別に誰の迷惑にもなってないし、お話の鍵になってるってわけでもないし…。
これが原因で何人がお亡くなりになっていれば面白いと思ってしまうんですが、逆に何もして…

4

疵と蜜 小説

遠野春日  笠井あゆみ 

言ってくれなきゃわからない

 遠野作品に時々見受けられる、不器用な攻めと察しの悪い受け。思わず、往年の大瀧詠一氏の名曲「さらばシベリア鉄道」を思い出しちゃいました。
「ぼくは照れて愛という言葉が言えず 君は近視まなざしをよみとれない」
 ーある意味恋愛モノの王道なのかもしれませんが、両想いというゴールにたどり着くまで、えらく難儀する組み合わせではあります。

 受けの里村は、派遣会社社長、27歳。攻めの金融会社社長・…

11

霧の楽園 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

今の耽美

大正時代の箱根の鬱々とした洋館を舞台にした、美丈夫の伯爵令息・祐太郎と、その下男で幼い頃から一緒に育った庭師の息子・学の主従執着物語。
舞台は耽美のエッセンスたっぷりで、登場キャラたちも、主人公の二人をはじめ、祐太郎の家族の妹や母、高等遊民の友人、学の父親や不倫の果て出奔した学の母親など、皆揃って耽美の権化のよう。
ルビー文庫の薄い本なので、お話は下男の学の視点からの、祐太郎との関係の物語に絞…

1

オトコの花道 コミック

笠井あゆみ 

面白いか面白くないかでなく貴重さで

笠井さん、なんて謎な方なの…
あの耽美絵でなぜギャグ漫画(汗

一話目の主人公のコウタは一生清い体(童貞=異性との未性交渉)でいるんだ!と決意しておりますが、さすが魔性の美少年。
全校生徒、いえ、世間の男どもから不埒な視線を浴びています。
つねに狙われておるわけです、その貞操。
魔性の美少年といいますと、麗人の表紙の彼を思い浮かべますね。
ビジュアルは黒髪であんな感じです。
しかし…

7

疵と蜜 小説

遠野春日  笠井あゆみ 

表紙に釣られ

買おうかなあ、どうしようかなあと思ってたのですが、はい、笠井さんの表紙に釣られました。カッコいい…!思わずがん見してしまうカッコよさです。

初っ端から受けの里村が行きずりの男を職場に連れ込んで情事に耽っているというシーンから始まっていて、個人的にビッチ受けが苦手なので最後まで読めるか危惧したのですが。イヤ、面白かった。

派遣会社を経営している里村は、経営難に陥りローン会社を経営している…

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