華藤えれなさんのレビュー一覧

花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて― 小説

華藤えれな  朝南かつみ 

内に秘めた激しい恋情を

相対的に見て構成も設定もクオリティーの高い作品だったと思います。
私は読み進めている時に、沙野風結子先生の蛇淫の血を
思い出してしまったので、評価が低めなのですが・・・
己を殺すように生きてきた受け様が、生まれながらに
背負った業の深さに潔く向かっていく姿は精錬で惹かれます。
道明寺の清姫のような深い情念は、受け様よりも
攻め様の感じる感じがしました。
惹かれながらも、己の立場と受け…

1

花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて― 小説

華藤えれな  朝南かつみ 

墨絵のような美麗表紙に釘付け!!

この表紙が発表になった時に、その題名といいもうすでに虜でした!!
朝南かつみ氏のなんともいえないそこはかとなく匂う坊主絵ですっ☆☆☆
ただ欲を言うなら白黒の坊主絵は2カットのみ、昨年出た『凍る月』のほうが白黒絵の坊主フェロモン度は高いです。
というのも、中身の大半は僧籍にまだない過去の回想で埋められているからですが・・・ただ坊主苦手と言う方もあるかもしれないので、その点は多分何とかクリアでき…

5

シナプスの柩(上) 小説

華藤えれな  佐々木久美子 

期待大だっただけに・・・。

ここで評価が高かったので読み進めることにしました。
が、あまりに私の期待が大きすぎたのでしょうか、イマイチ乗り切れませんでした。

何度もレヴューを書きたいなと思っていても、この肩透かしを喰らった感じで気持ちが整理しきれずズルズルときていました。

良かったところは、受けの水斗が長山に抱かれている現場を攻めの樋口に見られてしまうところ。
そこで彼の放った一言がいいんですよね。
自虐的…

3

あなたは僕を愛していない 特典書き下ろしショートストーリー グッズ

おいおい、いくらなんでもww

本編の東欧の社会事情背景をそのまま生かした番外です。
政府要人が狙撃され、その難手術の執刀行った帰りの汽車の中での出来事。
まったくもって、ミハイルの超意地悪(ドSとも言う?)が炸裂してました♪
NATO軍医の女医は、昔ミハイルと恋人だったとか・・・
それを気にしてちょっと嫉妬しながらも、彼女のバックボーンを鑑みてミハイルに有利になるなら身を引く、みたいな健気な発言をして涙する海堂。
お…

4

あなたは僕を愛していない 小説

華藤えれな  小山田あみ 

素直になれない男達

『シナプスの柩』のスピンオフ、そこに登場していた脳神経外科医の海堂が主人公なんですが・・・
子供返りした水斗に「お馬さん~」なんて言われていた海堂が、こんなに男前できれいな男、しかも受けだったなんて!!
てっきり攻め属性かと思ってましたよw

読んでいて苦しかったデス。
二人とも互いの気持ちは”きっとそうだろうな~”とわかってはいるのです。
でも海堂が、ミハイルが、二人が互いの事を全て…

11

執愛の契り 小説

華藤えれな  北畠あけ乃 

すみません、萌えませんでした。

設定としてはおもしろいし、能の世界を分かりやすく書かれていてとても興味深い作品だったと思うのですが、なんといったらいいのか、萌えなかったのです。

京都を舞台にしたお話なので当然主人公(受け)も京言葉を使われています。
私の周りに京都出身の方がいなく、そちらの話し方に対しイメージがまったくないせいで掴めないからかもしれません。
何て言うんでしょう。
ニュアンスのようなものが掴めず、会話に…

1

スレイヴァーズ ディア 小説

華藤えれな  雪舟薫 

やっと、ここまで来ました。・・・疲れた。

シリーズモノなので一応すべて読みましたが、あまりにも二人の事情がグルグルしすぎていて疲れ果て、何処からレビューしようと悩みましたが一番好きだった巻からレビューしようと思います。
それくらいグルグルグルグルと煮えきらず、一巻終わるごとにまだ思いを伝え合わないの!?まだなの!?の連続でした。
何度、最後から読んでしまいたかったか。
でもそうすると、途中の巻が永遠に箪笥の肥やしになり年代物の漬物状…

3

上海夜啼鳥 シャンハイナイチンゲール 小説

華藤えれな  真生るいす 

あっさり塩味。

サラッと読めてしまいました。
華藤さんならばもう少しドロドロとした仕上がりにできそうですが、あっさりな感じにしたかったのでしょうか。

登場人物の設定もよく作り込んであり、舞台も上海。
展開も娼館から見受けされてされ外の世界に出て、日本語を解さないと思っている攻めの家で使用人として働き、彼の時々洩らす日本語に対し心を痛めつつも、娼館の雇い主だった李の命令のため重要機密の設計書を盗むという命…

1

フリージング アイ 小説

華藤えれな  雪舟薫 

若宮さん、いいですね。

この話し、なかなか物語の中に入り込むことが大変でしたが、攻めの若宮さんが極めてポジティブで人間臭いので救われて読み続けられました。

受けが複雑な事情の過去に囚われているためになかなか気持ちを自覚しないのですね。
そんなつんつんしている早瀬がようやく言った一言に若宮さんが
「君にしては上出来だ」
などと言うのですがそれがいい!
信念もあって仕事もできる。
いつも早瀬を大きな大きなとこ…

3

楽園は何処にもない 小説

華藤えれな  実相寺紫子 

複雑です。

最後までこの2人どうなるの!?とハラハラさせられるというか、もう早く落ち着いてくれー!とずっと思っていた一冊になりました。

読後、疲れた・・・。
何せ、最後のほうまで攻めのディオの気持ちが見えないのですよ。
愛があるのかないのか。
いや、ないのだろうと思っていると最後の最後で、受けの航一の両親の遺体をきちんと埋葬してくれていたことが発覚、おまけにお墓に彼らしいお供えがあったり、ちゃんと…

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