華藤えれなさんのレビュー一覧

銀狼の婚淫 小説

華藤えれな  yoco 

雪降る森でのファンタジー

ボヘミアの森の奥にある城に住む貴族、身寄りのない美少年、銀狼、呪い、真実の愛とファンタジーとしてワクワクする設定に惹かれ購入しました。
主人公の愛生は辛い境遇でありながらも、幼い頃に自分に名前を与えてくれた人に言われたように愛に生きようとしていて、本当に健気で胸をうたれました。
しかし、少し違和感があったのが愛生のルドルフへの気持ちです。ルドルフは愛生を自分の呪いに巻き込みたくなかったのだとし…

0

破滅の恋~meu amour~ 小説

華藤えれな  緒田涼歌 

レイナルドの不在

マフィアでファドのドラマティックラブ。
どこか鄙びた、ポルトガルの首都リスボンを舞台に、日本人音楽留学生と、ポルトガルマフィアの幹部の運命の交錯、性格も国籍も育ちも違う二人の情熱的な愛のもつれあい。裏テーマはメランコリックラテンだそうで、2段組でびっしりたっぷりの1冊。
分量はたっぷりだし、主人公叶多が辿り味わう諸々は、どっぷりディープで非常に盛りだくさんではあるのだけど、なんだか読後の印象が…

0

愛され蜜月旅行 小説

華藤えれな 

攻め視点多めの蜜月番外編集

華藤えれなさんデビュー20周年記念同人誌・春号。
次回は「秋号」または「冬号」になるとのことです。

この春号は、比較的最近の商業作品の番外編集。
攻め視点のエピソードが多く、彼らが恋人に振り回されたり、ヤキモチを焼いたりする姿にニヤニヤできる内容でした。

いくつか抜粋して感想を書きたいと思います:

■『甘い夜伽 愛の織り姫』番外編「愛され蜜月旅行〜パリの織り姫」
パリの『和…

4

獣王の貢ぎ嫁 小説

華藤えれな  北沢きょう 

久しぶりにあたり

久しぶりにアホの子萌え、健気萌えを楽しみました。
受けの子が、とにかくバカ正直だし、健気だし、あわれなほど。
正しく健気だったようなきがします。
いちおう現代ものらしいんですが、アイルランドが舞台のせいか、中世っぽいふんいきまんさいだし、おとぎばなしBLとはこういうものかもしれません。さいごに攻めがもどってくるところも、まさしくおとぎばなしチックだったような。
怖れられている呪いの原因だと…

4

獣王の貢ぎ嫁 小説

華藤えれな  北沢きょう 

やっぱり不思議な読後感

華藤えれな先生の作品は、何を読んでも読後しばらくはぼっーとその作品の雰囲気の中に浸ってしまうのですが、こちらの作品もまたまた浸ってしまうほど作品に惹き込まれていました。

天涯孤独の身で暴力・レイプによる身体障害まで持ってしまったうえに、獣王に生贄として嫁ぐことになった受けさんの紫生も、獣王として恐れられ400年も生きていて本当の意味での生贄だった攻めさんのキリアンも、どちらも健気で不憫でこち…

8

「甘い夜伽 愛の織り姫」特典書きおろしペーパー グッズ

湯葉のあんかけご飯食べたい

この本が出版された時期に合わせて、こちらのペーパーでは京都の年末年始の食の風習がたっぷりと紹介されています。
年越しそばには九条ネギ。
お正月のお雑煮は、清水五条で買ってきた白みそ仕立てで丸餅に里芋、人参と大根、それに鰹節。
お節はお煮しめ、ゴボウを牛肉で巻いた八幡巻きやだし巻き卵、御所の近くのお店の粟と蓬の生麩。
で、そんな支度をしながら今作っているのが、湯葉のあんかけご飯にホタルイカの…

2

「甘い夜伽 愛の織り姫」コミコミスタジオ特典イラストカード グッズ

夜桜のシーンです

カバーイラストではなく、扉絵のカラーイラスト使用の葉書サイズカード。
扉絵では切れている部分がもう少し入っています。
まだ高校生だった未紘が、頼人の作った特別な振り袖と帯を身につけ、神泉苑に夜桜を見に行くシーンが描かれています。
色彩や表情で、これからの二人を暗示させるような切ない雰囲気があふれている美しい絵です。

小椋ムク先生、色彩感覚や画力はとても実力のある方で、このイラストでも、…

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甘い夜伽 愛の織り姫 小説

華藤えれな  小椋ムク 

京言葉の受けに萌属性がある方向け

わーい!!
華藤先生の京都健気受けだー!!
京都の伝統芸能や伝統工芸を題材にした作品群、シリーズになっている物もあれば、独立した作品のこともあり、今作は一応独立した作品。
伝統の担い手である薄幸な受けが、誤解や理不尽な仕打ちに健気に耐えつつ、胸に秘めた密かな恋を手放すことができずに葛藤しているのを、最終的に全てスーパー攻め様が解決してあげるパターンのお話は、もうこれはこれで、華藤流のお家芸の…

5

獣王の貢ぎ嫁 小説

華藤えれな  北沢きょう 

豪華な舞台設定のミュージカル風?

華藤さんが得意とするヨーロッパを舞台としたファンタジーです。
公爵で獅子王で妖精界の魔王で冥界の王で青髭な攻めであるキリアンと、辛いことがあってもわりと置かれた場所で咲けちゃう受け紫生。二人とも悲しい過去を背負っているので、最初は流されて婚約したのかと思っていましたが、実は違ったのですね。

華藤さんの描くヨーロッパの雰囲気はとても魅力的なのですが、皆様おっしゃるように設定が飽和状態で、物語…

1

獣王の貢ぎ嫁 小説

華藤えれな  北沢きょう 

史実織り交ぜたファンタジー

アイルランドが舞台のファンタジー。
史実にあるスペイン無敵艦隊のエピソードから着想を得た物語で、中東欧の伝承も盛り込まれており、単なるケルト神話路線にとどまっていないところに工夫を感じます。

あらすじ:
アイルランド北西部の港町に住む紫生(受け)は、「妖精島」に棲む獣王・レンスター公爵のもとへ生贄として嫁がされることに。
島で出会ったレンスター公爵ことキリアン(攻め)は、噂とは異なり優…

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