火崎勇さんのレビュー一覧

強情な恋人 小説

火崎勇  南京ぐれ子 

男も女も悩みは同じ

表題作と続編の、中編2作品が収録されています。
大学生同じ年カップルの話です。どちらも真帆の目線で進みます。
友人としてレズビアンが登場しますので、苦手な方はご注意ください。

「強情な恋人」
真帆(受け)が好きな親友の日高(攻め)は男も女も節操なし。持て余した気持ちをバイクに向けて外見は不良を装っていたところ、日高に「俺とも遊ばないか?」と誘われて、それからセックスフレンドになる。身体…

2

色憑きの恋 小説

火崎勇  宝井さき 

前世の二人が前に出すぎ?

先月の新刊「リインカーネーション 胡蝶の恋」に引き続き、本作も生まれ変わりをテーマとしたお話。
今回は受けの前世が女性なので、ちょっどNLっぽい描写もあります。

あらすじ:
祖父の骨董屋を手伝う正希(受け)は、恋人と死に別れた遊女・お鶴の生まれ変わり。
ある日、仕事で出会った貿易会社社長・紅林(攻め)が彼女の探す恋人・左之助の生まれ変わりと判明し……

お鶴に同情し彼女に協力する正…

4

椿の下で 小説

火崎勇  佐々木久美子 

健気受けです

1冊丸ごと表題作です。光美の目線でストーリーは進んでいきます。

主な登場人物は、主人公の光美、年上の幼馴染である勝男、克己の三人です。光美には兄が二人もいるのですが、そちらの影は薄いです。

祖母のホテル「待宵」を、両親はラブホテルにし、それを売ろうとした克己を勝男は止め、光美をバイトに雇ってホテルを経営します。

光美は克己が好きなのですが、克己には弟のようだと受け入れてもらえませ…

0

恋愛取引 小説

火崎勇  甲田イリヤ 

社長の息子?!×秘書

1冊丸ごと表題作です。喜多川の目線で進んでいきます。

喜多川(受け)は、社長から極秘命令を受けます。社長の息子と連絡をしてきた森村(攻め)が本当に息子で街がないのか調べるため、喜多川は会いに行きます。社長派と専務派で社内が二分される状況下、喜多川は慎重に行動をしようとしますが…。

取引という感じはしませんでした。互いに「相手を信じられるか」という点に重きを置いていた気がします。「信じて…

0

リインカーネーション ~胡蝶の恋~ 小説

火崎勇  水名瀬雅良 

粛々と進む輪廻転生モノ

リインカーネーション(転生)をテーマとした作品。
前世の昭和初期の話と、現代の話が平行して語られます。

大学生の純(受け・「俺」)は、文芸サークルの2学年上の先輩・蔵王(攻め)に片想い。
勇気を出して告白したら受け入れられ、付き合うことに。
ある日、度々見る夢の話を蔵王にすると、彼も同じ夢を見ていると告げられ…

夢の中で、純は昭和初期の青年・洋二郎になっており、二つ歳上の兄・圭一…

4

嘘を見つけて 小説

火崎勇  西村しゅうこ 

嘘つきとケダモノ

「彼を思う場所はベッドでしかない」という帯に惹かれて購入しました。

1冊丸ごと表題作です。…とはいえ、表題は「嘘を見つけて」なのですが、目次の題名は「嘘をみつけて」でした。作者様のあとがきでは「見つけて」だったので、そちらが正しいのかな。

小沢の目線でストーリーは進んでいきます。

小沢(受け)は他人の女であろうが誘われたら手を出す館山(攻め)に反感を抱いていました。でもそれは、中…

0

荊の鎖 小説

火崎勇  麻生海 

主人公が好きになれない

途中(それも序盤)で主人公(攻)を「なんだかトンチンカンな人だなぁ」と思ったが最後、その言動すべてが勘違い男のイタいものに思えてしまい、振り回される受がただただ気の毒でした。

火崎勇作品は主人公のモノローグで進むので仕方ないのでしょうが、冒頭から攻の自画自賛の嵐でひいてしまい、最後まで好きになれないキャラクターでした。愛情ゆえに冷静さを欠いて間違った方法に暴走しちゃう攻というのは一つのテンプ…

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桜のように 小説

火崎勇  本間アキラ 

「桜」と書いて「はな」と読む

表題作と続編の中編2本が収録されています。
どちらも向坂の目線で進んでいきます。

「桜のように」
向坂(受け)が大学生の頃、料理教室で雅嗣(攻め)と出会い、二人は恋に落ちて抱き合う。だが、雅嗣が大学の友人・光一の父親であると知ってから、別れを選んだ。それから4年後、偶然再会した光一から、雅嗣が再婚をすると聞かされて…。

「花冷え」
恋人同士になった二人。雅嗣は息子である光一に、二…

2

最良にして最後の選択 小説

火崎勇  亜樹良のりかず 

遊び人が純情に

「最悪にして最高の抱擁」のスピンオフ作品です。
表題作と続編の中編2本が収録されています。前作では遊び人っぽかった二人ですが、実は…という内容でした。

「最良にして最後の選択」
北里の目線で進みます。
北里(攻め)が望むのは、「今」を楽しむ享楽的なラブ・ライフ。後腐れなく遊べそうだと声をかけて、友人の恋人・門倉の協力を得て、高島(受け)をホテルへと連れ込んだ。ところが実は高島は初めてだ…

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満月の狼 小説

火崎勇  有馬かつみ 

狼男モノではあるけれど

間違いなく狼男モノ(?)ではあるのですが、そのこと自体による恋愛の駆け引きやドタバタはあまりなく、破天荒なヤクザ×美人の刑事による重厚な大人の恋愛モノです。

序盤がかなり焦れったい展開で、鬼迫と一緒に少々ジリジリしつつ、いつになったら狼は出てくるのかな?と思いながら読みました。腹の探り合いのような二人の掛け合いは面白かったですが、小鳥遊が鬼迫に惹かれていく心情の変化がよく分からず、恋愛面での…

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