火崎勇さんのレビュー一覧

刑事と花束 小説

火崎勇  夏珂 

殺人事件と花屋

1冊すべて表題作で、小日向(攻め)の視点でストーリーは進みます。

花屋の小日向が、殺人事件の聞き込みに来た刑事の相澤(攻め)を好きになって、という話です。

仕事モノとしても、二人の恋愛模様も、事件推理モノとしてもバランスが良い作品です。

第二の被害者が出て、小日向が動揺する場面。相澤の刑事としての頼りがいや魅力も出ていましたし、死への実感も良かったです。その時話していた「友人のケ…

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誰が袖 (タガソデ) 小説

火崎勇  中村春菊 

和風ホラーの趣き

和風ホラーの雰囲気がとても良かったです。
出版されたのは2004年、雑誌掲載されたのは2001年から02年とやや古い作品で、緑蔭の庭と揺らふ毬、の二編構成。
攻めは体育会系のフリーライター、帯刀(たてわき)壮、受けは三條初音といって、風情ある日本家屋に一人で住み、香りで人の記憶を呼び起こすといった、特殊な仕事をしています。一人でいるのは好きではないのですが、人の気に当てられてしまうので、閉鎖的…

2

至高の華 小説

火崎勇  椎名咲月 

契約と約束

中編2作品が収録されています。どちらも土佐(攻め)が主人公です。

秘密を抱いたまま、土佐の視点でストーリーは進みます。
氷見(受け)にも読者にもどんな秘密なのかを上手に隠していたのが良かったです。
「至高の華」では読者には提示しますが、氷見には隠したままで終えます。
「孤高の盾」ではそんな土佐を、事情を知った氷見がなじり、支えようとする話です。

良いストーリーだと思ったのですが、…

0

黄泉の唇 小説

火崎勇  亜樹良のりかず 

霊媒体質の受け

表題作とショートの2作品が収録されています。
どちらも久原(受け)の視点でストーリーは進みます。

久原は霊媒体質であることを利用して、友人の船戸の仕事を手伝って失せ物探しをしています。
霊に憑かれた後は、身体が冷えて凍えてしまうので、温めるために船戸とセックスをしているのですが、船戸を好きな久原はそんな関係に疲れ始めています。
そんなときに、会社の同期である宮部に「付き合ってほしい」と…

2

すべて愛になる日まで 小説

火崎勇  あさとえいり 

予想とはちょっと違いました

1冊すべて表題作です。
実輝(受け)の視点でストーリーは進みます。

裏表紙のあらすじでの予想と違った内容でした。
「幼なじみ」で同級生かと想像していたら、創馬(攻め)が年上でした。
ケダモノ…というセリフもあるのですが、身を引こうとする実輝に逆上して乱暴をすることはありませんでした。エッチがいつもよりちょっと強引なくらいです。

実輝の心情は切ないものの、あさと先生の可愛らしいイラ…

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理不尽な求愛者 小説

火崎勇  駒城ミチヲ 

面白いと思いました

1冊すべて表題作で、清白(受け)の視点でストーリーは進みます。
大学で起きた殺人事件の捜査と共に、二人の仲が進展していくという内容です。

清白はちょっと変わった教授・一色(攻め)から一目ぼれだと口説かれ、最終的には受け入れるのですが、清白の視点なのに、清白自身の「犯人が逮捕されるまでは」という気持ちが隠されていたのが面白かったです。

ただ、続編「理不尽な恋人」の方が二人の関係や各々の…

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ブリリアント 小説

火崎勇  麻々原絵里依 

画家だからこそ

表題作と続編の中編2作品が収録されています。
本の裏表紙と同じ「あらすじ」では飾沢(攻め)が主人公っぽいのですが、どちらも紺野(受け)の視点でストーリーは進みます。

「ブリリアント」はある理由から逃げる紺野を飾沢が追いかけて恋人同士になる話、「グレイス」はその後の不安になる紺野の話です。

紺野の理由やアレンの正体は王道的な展開で先が読めるのですが、画家であることを求められているのに叶…

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それからの物語 小説

火崎勇  岬ありあ 

「タラコ」からスタート

1冊すべて表紙カップルの話で、中編・短編5作品収録されています。
東野(受け)がメインですが、朝倉(攻め)の視点もあります。一人称に慣れていると、その入れ替わりがちょっと戸惑うかもしれません。

「最初の物語」
東野は、会社の先輩である朝倉と同居しています。朝倉に「嫁にしたいくらい好き」と告白されますが、朝倉は酔うと記憶をなくすタイプなので翌朝には覚えておらず…という話です。

「その…

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望まない迷宮 小説

火崎勇  海老原由里 

攻めに文句を言いたい

1冊すべて表題作で、八窪(受け)の視点でストーリーは進みます。

八窪は百舌(攻め)が好きだったのですが、高校時代に百舌は弟・光と付き合いますし、現在は仕事上で対立する状態です。それなのに、百舌は「お前は俺のものだ」と手を出してきて…という話です。

ううーん。火崎先生の作品にしては、珍しい感じを受けました。
こんなに文句を言いたい攻めは初めてです(笑)
すれ違いというより、全部おまえ…

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ぬくもりインサイダー 小説

火崎勇  みずかねりょう 

主人公についていけるかどうか

表題作の長編と、ショートの2作品が収録されています。
どちらも姫井(受け)の視点でストーリーは進みます。

「ぬくもりインサイダー」
姫井は、物の残留思念を感じ取る能力を持っていますが、周囲には隠しています。ぽやぽやとした姫井が、ある日引き取った服から自分を愛してくれている相手がいると分かり、市田かなぁと思ってドキドキしていたら彼には恋人がいて、独り相撲にしょんぼりしていたら実は長谷川(攻…

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