岩本ナオさんのレビュー一覧

魚住くんシリーズⅢ メッセージ 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

交互に描かれる緊迫感と切迫感

シリーズ三冊目。これはなんといっても、未遂事件が描かれた巻、になるのかな。

最初からずっとそうだが、本当にたくさんの人が魚住のことを考え、魚住のために動き、ときに振り回されながらも魚住を支えている。本人がどこまで分かっているか不明だが、“死”以外の近くにあるものにも気付いて欲しいと願う。

「お母さんになってくれる?」と言う魚住はよく分からなかったけど、その相手が目の前であんなことになれ…

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魚住くんシリーズⅡ プラスチックとふたつのキス 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

あのエピソードは鳥肌モノだった

シリーズ二冊目。榎田さんて昔からこういうの書きたかったんだなあと思った。弱者擁護の思想をキャラに込めて吐き出す主張強めな作風。名作や伝説と言われる理由がこっち方向にあるなら、期待とはズレるかも。

魚住が監禁される、不穏なお話から始まる。貴史は本当に何をしに来たのか。魚住を見てみたかったからとは言ってるけど、手錠を準備して押しかけて来て、ただ見てみたかったなんて嘘くさい。そんな男と仲良くなる魚…

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魚住くんシリーズⅠ 夏の塩 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

だんだん可愛く見えてきたかも

いろんなところから出版されているらしい本シリーズ、角川文庫にて初読み。
最初はあまり好きになれなかった魚住だけど、周りの人たちがどう受け入れているかを知っていくうちに、少しずつそのキャラに馴れていき、気付けば可愛いかもしれないと思えていた。久留米は最初から好き。

書かれた時代によるものかな、と思ったのは、気遣いの範囲が狭い点。誰のためか分からない配慮がなされた言葉選びがキャラクターを越えて…

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魚住くんシリーズV 夏の子供 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

一抹の寂しさ

魚住くんシリーズ最終巻。
前作では無事に結ばれて晴れて恋人同士になった2人。
恋人同士になったからと言って始終くっついてる様な関係じゃなくて、お互い仕事や研究で忙しいしイチャイチャもままなりません。
でもスイッチ入ると久留米の求め方が情熱的で素敵。

車のブレーキ音が引き金となり魚住がPTSDを発症します。
こんな時は恋人と甘々な時間を過ごして2人で乗り越えて欲しいというのが私の願望な…

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魚住くんシリーズIV 過敏症 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

ついに…です!

シリーズ4作目。
前作のラストのキスシーンでは悶えました…本作はもう残すところアレしかない!と期待満々で読みました。

久留米から濃厚キスを受けてからの魚住は誰かに触れられたりするたびに過敏に反応してしまうようになります。
一方の久留米は営業から慣れない部署に移動となり、次に魚住に会って何を言えばいいのかという気まずさもあってしばらくまた連絡が滞る。
そんな間に2人は新しい出会いをするの…

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魚住くんシリーズⅢ メッセージ 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

世界が色を取り戻していく

裏表紙のあらすじの最後に「シリーズ最大の衝撃」と書いてあり、一体何が起こるんだろうとドキドキしていましたが、予想以上に衝撃でした。

魚住の周りには何故こうも死が近くにあるんだろう。
辛くて、胸が押しつぶされそうでした。
感情をあまり表さない魚住が、研究以外をシャットダウンして久留米までも拒絶して…読んでるこちらも苦しくなりました。
その後に魚住が起こす行動も衝撃的で、私のライフもゼロに…

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魚住くんシリーズⅡ プラスチックとふたつのキス 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

魚住くんにわずかに表情が…

魚住くんシリーズ2作目。
情報がたくさん詰まっている文体なので、そんなにサクサク読める作品じゃないと思うのですが、面白くて早々に読了しました。

魚住の育ってきた環境がまた少し明らかになって、魚住という人物を形造ることとなった背景がまだぼんやりとですが見えて来て、少しだけですが魚住に近づけたような気になります。
別に死ぬ事など怖くない、感情をどこかに忘れてきたような魚住が久留米や友人たちと…

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魚住くんシリーズⅠ 夏の塩 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

じわじわと浮かび上がる恋心

初めて読んだ作者さんの小説。
普段コミックス派で、BL小説はまだほとんど読んだことが無い者のレビューです。
現在シリーズ3冊目まで手元にありますが、まずは1冊目を読み終えての感想を。

全く生活力がなく、おまけに感情表現も下手でとにかく"残念な美形"魚住くんと、元同級生でサラリーマンの久留米のお話。
2人を取り巻く脇役も数人出てきますが、どの人物も個性的でひと癖あるけ…

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魚住くんシリーズⅠ 夏の塩 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

シリーズ通して神評価

未読だった為、文庫で全て揃えてシリーズ読破しました。
交渉人やnezを先に読んでいたのですが、作品としてはかなり違いました。
デビュー作と言えるくらい古い作品の為、時代背景も少し古め。それが気にならないくらいすぐに世界観にどっぷりとなり読み進められます。

1冊目だけではBLとしては物足りないと思います。
ですが出てくるキャラクター全てが魅力的です。
今以上に偏見が大きかった時代だと思…

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魚住くんシリーズⅠ 夏の塩 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

読了後、時間が経つほどに満足感が溢れてくる不思議な作品

※シリーズ読破した上でのレビューです。

小説とは面白いもので、初読時の感想がずっと変わらないものもあれば、その一方で
「最初に読んだときは正直あまり印象に残らなかったのに、その後、時折ふと思い出しては読みたくなる作品」
や、
「読んだときはすごく面白く感じたのに、その後、しばらくしたらどんな話だったかすら思い出せなくなる作品」
なんてものがあったりもする。
本作から始まる魚住くんシ…

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