さかむけたかし
再読でのレビュー
おげれつたなか先生の美しい絵と気持ちをえぐられるような展開はエネルギーが無いと読めません
このお話も、序盤の軽快な展開からジワジワと痛みが広がっていくような切なさがありました
キャラクターが対照的でお互いに惹かれていくのがとてもよくわかる
なのに、それを表出することが出来ない
その苦悩も緒方とサヤとは全く違うもので、それをお互いが分かり合えた瞬間は救われた気さえ…
林田という1人の人間の過去、現在、未来。そこに寄り添って一緒に歩んでいくような感覚になったシリーズでした。社会に出て腐り恋人にDVをした過去、それを後悔して今の恋人にも何かの拍子でDVをしてしまうんじゃないかと怯える今、そして彼は、過去を見ないようにするのではなく、変わっていく自分を前向きに感じるために過去を丸ごと受け入れながら、一緒に背負ってくれる恋人と共に生きていくと決めた。秀那も飾られた弓…
このシリーズを順を追って読むごとに林田の人間臭さのようなものが見えてきて、初めて彼を知った頃よりも随分愛着の湧くキャラになってくれたなぁと思います。あんなに学生時代明るかった人間が、どうして弓みたいな献身的な相手に暴力を振るうようになったんだろうと不思議でしたが、社会人になってからの彼の経験を知れば納得。もちろん、だからと言って他人への暴力が許容されるわけではないけれども、あの時彼の唯一の逃げ場…