榎田尤利さんのレビュー一覧

交渉人は黙らない 小説

榎田尤利  奈良千春 

おおお…

裏社会モノが好き!っていう自覚はなかったんですがなんか最近気付いたらそういう話ばっかり手を伸ばしているので(BLでないものも)たぶん好きなんだなと……
あまあまでいちゃついてるより睨み合って神経擦り減らして死ぬ死なないのレベルで愛し合う男ふたりの方が好きなので、こういう話には弱いです。
しかしBLでヤクザやら何やら。うーん? そういう肩書だけでしょ? とか思ってたんですが、割と事件とかしっかり…

2

交渉人は愛される 小説

榎田尤利  奈良千春 

前回、大きな山を越えた2人の関係は

穏やかに安定してます。
2人の言動の端々に、どれだけお互い想い合っているかが伝わってきます。
きっと、今後どんな大きな波風があっても2人の関係は揺るがないのではないかと、
そう思える1冊でした。

そして、期待に洩れず今回も芽吹は体張ってます(笑)
医者にまで「もうちょっと慎重な人生を送ってください。
周防組の人たちよりここに来る頻度が高いですよ。」とあきれられてしまう程。
相変わ…

8

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

「私はきみを、美しく賢い犬に躾ける」

流石、榎田さんと思った作品でした。
金で雇った受けを賢い犬に躾ける、という突拍子もない設定なのに、すんなり納得、読めてしまう。
なんだか「マイ・フェア・レディ」の主人と犬版みたいな(笑)。
恵まれない幼少時代の家庭環境や、誰にも愛されず、人生に何も望まずただ生きているろくでなしという受けが、初めて自分だけを見てくれる主人という存在を得て、次第にそこに幸福を見出す。
攻めは本当に犬を訓練する…

6

スウィーパーはときどき笑う 交渉人シリーズEX. 小説

榎田尤利  奈良千春 

シリーズを読んでいる中で、

気になっていたキヨと智紀のお話です。

普段から無口であまり内面を表に出さないキヨですが、
(それでも智紀に対する気持ちはダダ漏れですけど(笑))
今巻はキヨ目線も多いので、キヨの気持がよく分かる。紀宵ファン必見です!

智紀は、シリーズ本編で最初に出てきたときは、
自信過剰で生意気なだけの子供だったんですが、
芽吹やその仲間たちと出会い、色々な事件を通して彼らと触れあっていく事で…

3

交渉人は諦めない 小説

榎田尤利  奈良千春 

あの兵頭が、芽吹を捨てる日が来るなど、

誰一人(チーム芽吹のメンバーだけでなく兵頭の舎弟達も)想像もしてなかったでしょう。
芽吹の落ち込みようはかなりのもので、
すでに兵頭が側にいる事、兵頭の存在が人生の一部になっていた事に、改めて気付きます。

環にまんまと騙され、2つのUSBと兵頭までも奪われてしまいボロボロの芽吹、
オフイスで智紀達に叱咤激励されながらも、甘栗を剥きながらイジけてますが、
じつはこの時すでに「ミッション…

5

交渉人は嵌められる 小説

榎田尤利  奈良千春 

前作で少し触れられた芽吹の過去が

今回明らかになっていきます。
そして・・・芽吹と兵頭にとって痛い試練となります。

前半はいつものコミカルなテンポで進みます。
2人の漫才カップルも熟練夫婦となりつつありますね(笑)
後に「チーム芽吹」の新メンバーとなる自称結婚詐欺師の志津も登場、
かなりの天然キャラですが、実は伝説のスリ師の曾孫で天才的な腕の持ち主なのです。

ラブホのシーンは今巻での見せ場の一つでしょう。
2…

4

Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

10年かかって

10年かかって完結にたどり着く物語。

それは、物語世界の中でも、作品の完結としてでも。

約10年前に書かれた物語は、男娼「青薔薇」が「愛を売る」パートと、百瀬青が「得たかった愛」のお話。
章立てされた、ひとつひとつのエピソードでもそれぞれ完結した1冊の本になりそうな内容なのに、トオルという1本の縦糸を絡めて、青と青に関わる人たちのお話が、密接にリンクしていきます。
人間は、ただ一面…

1

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

BL以上のなにか

コミックは読み漁る割に、小説(ティーンズ文庫系というのでしょうか)には全く手を出していなかったわたしです。小説ではほのめかせる程度のBLが好きだったので。
こちらの作品は人からおすすめしていただいて読んだのですが、ストライクでした…。

薄幸の美青年魚住くんの過去や傷は壮絶です。シリアスな話は好きですが、これはなかなか重い。言い方はものすごく悪いのですが、「所詮BL」という見方から入ったので…

8

Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

一人の男娼から見えてくる人間の脆さと再生

オムニバスの短編から構成されているような作品で、一人の青薔薇と呼ばれる
人気で高額の『FILAMENT』の男娼とどこか心に傷や痛みを抱えて弱ってる
客とのそれぞれのストーリーと、男娼本人のトラウマ的な過去が次第に見えてくる
そんな切なくも悲しくて、人間の弱さに焦点を当てた、男娼を取り巻く人間関係が
多様な形で描かれる味わい深いストーリーでした。

高瀬は実業家で、ゲイだとカミングアウト…

4

交渉人は振り返る 小説

榎田尤利  奈良千春 

芽吹の過去編「序章」ってところでしょうか。

今回は前2作に比べて、特に中盤以降がシリアスな内容になってます。

前半はいつもの様なコミカルな展開。
毎度体を張ってる芽吹きですが、今回も期待にもれず。
腰を痛めて七五三野に湿布を貼ってもらっているところを兵頭に目撃され、
いつものドタバタ三角関係漫才を披露してくれます(笑)

そして、前作で同僚だったホストの満雄から、
同郷の斎藤が振り込め詐欺に関わっていると相談された事から、…

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