榎田尤利さんのレビュー一覧

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

わたしの原点

再入荷とのことで記念に。
装丁の美しいこのご本、幅広い帯に印刷された茶屋町さんのイラストが目を引く印象的なデザインです。
BLという言葉で括ってしまうには余りに勿体無い作品だなと思います、文芸的というか純粋に小説らしいというか。
BL臭さがない為に嫌煙されるタイプの小説であるとも言えるかも知れません。
魚住の過去による欠落や、それを向き合い見守っていく久留米の存在。
彼らを見守る周囲のキ…

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スウィーパーはときどき笑う 交渉人シリーズEX. 小説

榎田尤利  奈良千春 

もー絵が表紙が最高!

大きいワンコ キヨと小さい子猫 トモのお話!
本当に本当に可愛い!二人とも!!
交渉人~で事務所にやってきたトモに一目ぼれをしたキヨ

なんやかんや言いながらもキヨと共にするトモ。
ある日偶然 兵頭と芽吹のエッチを目撃しちゃってキヨが暴走しちゃいます(笑)
あの無口無表情のキヨが暴走するくらいトモが好きで兵頭たちのエッチがやらしかったというわけなのですがそんな豹変にトモがびびっちゃって…

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永遠の昨日(新装版) 小説

榎田尤利  紺野キタ 

死ということ。

榎田さんは大好きな作家さんなのですが、死ネタがどうしても苦手で避け続けていた作品です。
誰もが知っている名作だけれど、どうしても手が伸びなかった。
けれど今回、他に読みたい新刊もなく、なんとなく手が伸びた。

結果、BLというジャンルに抵抗がない人ならば、みんなに読んでほしいなと思った。
物語の初っ端から、主人公みっちゃんの相手役である浩一は死にます。
ヘンな言い方だけど、そらもうあっ…

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歯科医の憂鬱 小説

榎田尤利  高久尚子 

相手に伝えたいことの半分もいえなくて。

車屋の男気×白衣のサド
年下攻めとしの差四歳(=゚ω゚)ノ
白衣の下は優しい天使。
白衣を着るとまるで別人のように優秀かつ怖い先生。


歯科医の憂鬱
穂高視点
二人の出会いからお付き合いにいたるまでのお話。
痛くて痛くてでどうしようもなくなった歯を食いしばり穂高が出向いた先は知人の話しでは人の良い女医がいる歯医者のはずだった。
治癒をしてくれるのはブツブツと自分の口の中を見て…

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ハンサムは嫌い。 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  小椋ムク 

やっぱり面白い!

初期作品ということでやっぱり展開に荒削りな部分があったりしますが
ダントツおもしろいいいっぃぃぃ。
ハンサムは嫌いってなんだろ・・・B専なのかなぁと思っておりました。
読み始めたら止まらない~。

(イケメン)ハンサムだけど女にだらしないというか女が嫌いな女好き美容室店長(真壁)と
こちらも美人なカリスマ美容師だけど・・・。ゲイでしかも男の趣味がどうも猫背で頼りなげで保護よくをかきたて…

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魚住くんシリーズ(5) リムレスの空 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

いい本を読んだ、という充足感に溢れる。

このシリーズで、私は初めて泣いた。
ちょこちょこと、いろんなシーンで。
きっと一般的には3巻が一番痛くて辛くて
泣いてしまうのだと思うのだけど、
そこでは泣かず、
この完結編のちょっとしたところで泣いた。
辛い涙ではなく、あったかい涙。
最終巻では主に魚住が留学を決意するまでと、
ほんの少しのそれからが描かれている。

シリーズのラストである【夏の子供】では
初見の人物・太一…

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魚住くんシリーズ(4) 過敏症 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

シリーズ中一番ラブを感じる一冊。

魚住を想う他人の存在を目の当たりにするまで
魚住に触っても気持ちは整理出来ないままでいた
久留米がやっとこさ自覚する。
マリ、サリーム、響子がいる中で
すごく切羽詰まってる久留米は
ものすごくかわいいです…。
シリーズ中、一番BL色の強い巻だと思います。

4巻目にしてやっと、なんですが
3巻目までに、恋愛以外に本当に色々な事があるので
個人的にはものすごく焦らされた感は
あ…

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魚住くんシリーズ(3) メッセージ 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

生きることにおける他人の大きさ。

あ。
あ。
あ。
と思った、事故のシーン。
さちのがどうなるのか予想は付いていたのに
私が心構えなどする前に
そのシーンはものすごく突然で絶句しました。
でも実際の死も、病死でなければ
突然な事ばかりなんだろうという
当たり前のことを思い出しました。

萌えよりも痛みの強い巻ですが、
その分忘れられない巻でもあります。
「死」が一番リアルに絡む。
今迄喪失感を抑え込めて…

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魚住くんシリーズ(2) プラスチックとふたつのキス 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

他巻より印象は薄いけれど。

シリーズ2巻目。
連作の中ではそんなに印象は深くない。
元々この「魚住くんシリーズ」は
単話連作の様な形をとっていて、
全てのお話が繋がってはいるものの、
各話がそれぞれに一応完結、の形をとる。
この巻はその設定が活きた、
全く別々の視点から読む3話でした。
だから印象が深くなかったのだろうけれども、
面白くなかったということは全くなく。
後後、「この話は必要だったんだな」

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魚住くんシリーズ(1) 夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

色褪せない、という感覚が分かる。

友情なのか愛情なのか憧れなのか。
こんなゆっくりペースのBLを読むと、
同性同士の恋愛において
性的欲求はひとつの指針となるんだよなという
当たり前のことを改めて感じます。

この巻で実際のふたりはキスすらもしない。
ラブの香りから自覚までのスローペース。
でも止まることなく読み進められた。
「萌える!」とか
「めっちゃ面白い!」
と言うのとはちょっと違う。
読みながら感じ…

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