榎田尤利さんのレビュー一覧

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

そっとしまっておきたい

なんと言っていいかわかりません。
興味深い、感動するようなお話を読むと、その感動を語りたくなるものだと思っていました。
この作品を読んで、逆に何も言いたくないということもあるのだなぁと知りました。
あらすじも分析も感想も、何も言いたくないのです。
不安定な器になみなみと入った透明な水を受け取った気分です。それをこぼさず波立てず、そのまま奥深くにしまっておきたい。そんな気持ちになりました。

4

nez[ネ] Sweet Smell 小説

榎田尤利  湖水きよ 

熱はない。技はある。

伏線が出てまいりました。単純に楽しかった前回は「起」だったのかな?
笑ってしまうくらい段階的に話が進んでいました。二人の気持ちも、伏線の提示も。

今回も楽しいシーンはたくさんあって、車の中でいい雰囲気になったと思ったら頭突き&鼻血!とか。あの鷹目が、鼻ティッシュでコンビニでパンツ買う、とか(笑)鼻血出しながらパンツ買うって、コンビニの店員はなんと思ったことでしょう。鷹目が興奮してパンツ汚し…

1

nez[ネ] 小説

榎田尤利  湖水きよ 

軽~く「アハハ」と楽しむための作品

面白かったです!
キャラや設定も面白かったのですが、何よりも語り口が軽快でテンポがよく、ストレスなく読めました。エンタメ性も高くて楽しかった~♪
ライトノベルっぽい?のかな。(ライトノベルほとんど読んだことないけど)

嗅覚に異常に優れているという千里のキャラが面白かったです。このお話はその一点のみにかかっており、それを軸にした感じ。主役は千里一人です。
あまり深く考える作品ではなく、単…

4

海とヘビースモーカー コミック

榎田尤利  峰島なわこ 

海のように大きな人間になりたいという願い

 海のように大きな人間になりたいという願い

 このコミックには、表題作の「海とヘビースモーカー」「海と王子様」「蜜柑の海」という3つの海にまつわるお話が収録されています。どのお話も人情や切なさに溢れていて、大人のしっとりとした雰囲気が素敵です。

 「海とヘビースモーカー」
 肺がんを宣告された畠と、彼の友人である和久井のお話です。かつての二人は恋人同士だったのに、若すぎるが故にこの恋…

1

愛とは言えない(4) 小説

榎田尤利  町屋はとこ 

恋が楽しいなんて、誰が言った

長かったです。
コラボ企画なので漫画と小説のペースを合わせていたそうで、そのため通常の小説のペースに比べてずいぶんとゆっくりしたペースのお話でした。

4巻かけて約1年余りの時間。物語の中でどんどん時間が過ぎていくのを当たり前のように思っていましたが、これを読みながらふと、現実ってこうかもしれない、と思いました。
丁寧に日々を追って描かれているし、キャラ達にとっては激動の1年だったことでし…

1

きみがいるなら世界の果てでも 小説

榎田尤利  円陣闇丸 

守る愛から育てる愛へ

漫画家シリーズ最終巻です。
割と軽めでエンタメ色の強いシリーズだと思ってましたが、ルコちゃんたちに予想外に大きな波乱が起きてしまいます。

前回は無事にくっつくまでのお話。なぜ惹かれあうのかの部分はあまり掘り下げられていなかったのを、今回しっかり掘り下げてありました。それぞれがラブコメ的な好きではなく、もっとしっかりと自分の気持ちに向き合っているのです。
榎田さんお得意の愛のムチをぴしりと…

1

恋とは呼べない (3) コミック

榎田尤利  町屋はとこ 

やっと最後にホッとした・・・

勘違いとすれ違い・・・
もう、なんでだよ~とつぶやきながら読んでいました。

辛い過去の恋愛の傷を、二人で乗り越えた淳平と英。
お互いに好きだと、一番大切だとやっと気づいたはずだったのに・・・
勘違いと早とちり?から淳平は英が橘高とうまくいったのだと思い込み
あんなに幸せだった同居を解消してしまう。
自分の気持ちを伝えることもなく・・・

読んでいてもうもどかしくて仕方ありません…

8

蛇とワルツ 小説

榎田尤利  志水ゆき 

前半の杏二が最高

ついにオーナーのお話。これまでのキャラが出てきたりして、最終章らしくまとまっていました。

杏二のキャラ(洋二でなく)が演技というせいもあってか本当に蛇っぽくてよかったので、そのままのキャラで行ってほしかったなぁ。蛇に飲み込まれる仁摩がどうなるのか見たかったです。しかも暗くならないハッピーエンド。せっかく風呂敷広げたんだから榎田さんだったら見せてくれるかも??と期待しましたが、残念ながらそれは…

1

秘書とシュレディンガーの猫 小説

榎田尤利  志水ゆき 

納得できない~(汗)

前2作に比べて、これは私には今一つでした。
最初に結末はわかってしまうので、ならばそれまでのいきさつで楽しませてくれるかと思うとそれも今一つ。

その理由は、雨宮のキャラ。彼に共感できなくて最後まで楽しめませんでした。

コンプレックスはわかるし苦労したんでしょうが、あまりにも思いやりがなく子どもっぽい。自分が苦労したならなおさら、孫たちにもいろんな事情や思いがあるとは考え及ばないんだろ…

3

獅子は獲物に手懐けられる 小説

榎田尤利  志水ゆき 

並みの痛さじゃなかった

榎田さんの作品はどう転がるのか本当にわからないので、完全に身を委ねていいように転がされるのが快感なんだとこれを読んでやっと気づきました。

ええ、もう好きにしてください(笑)

そうは言ってもこのお話は激しくて、翻弄されるのが苦しかった。巧みな文章で感情移入させられてしまうから余計にきつかったです。
深見があまりにも下衆で、不快でたまりませんでした。何度心の中で「深見、滅びろ~!」と念じ…

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