榎田尤利さんのレビュー一覧

海とヘビースモーカー コミック

榎田尤利  峰島なわこ 

海辺の情景 3編

榎田先生がストーリー、峰島先生がコミックのコラボ作品です。240ページ超えで分厚く、読み応えがありました☆
表題作の「海とヘビースモーカー」は、肺癌を宣告された男、畠が過去の恋人である和久井の、故郷の海辺の町を訪ねる話。
ケンカ別れした和久井は故郷で結婚し、子供もできましたがもう亡くなっています。
後悔と未練を引き摺る畠が出会うのは、子供時代の和久井という、少し不思議で切ない読後感でした。

2

神さまに言っとけ 小説

榎田尤利  紺野キタ 

「最初から最後まで榎田尤利」って感じ!

電子書籍で読了。挿絵なし。ちなみに現時点で紙の本は中古しかないみたいです。

2003年の出版ですが今調べたら「ラブトラ」や「眠る探偵」のシリーズを書いていた頃なんですね。榎田さんのお話はすごく好きなのですが、この作品は取りこぼしていました。いやー、気づいて良かった。

榎田尤利さんは、こういう言い方もなんですが、ブランドとして確立している作家さんだと思うのです。それもエンタメ色の強いブラ…

5

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

狂犬の皮を被った兎

ご主人と犬としての主従契約を結んだ轡田と倖夫ですが、倖夫は決して、BLで言うところの可愛いワンコではありません。作中ではボルゾイと表現されていますが、私はどちらかというとドーベルマンとか土佐犬といった狂犬の類をイメージしました。しかも飼い主以外には絶対に懐かないので、完全に「狂犬注意!」と門戸に書かれるやつです。そのくせ、心臓は兎の心臓で飼い主が構ってくれないと寂しさで死んじゃいそうなくらい弱い。…

2

権力の花 小説

榎田尤利  新田祐克 

オンチは脅迫のネタにつかえる。

素直に、面白かった〜!というのが読後感。

楓の苦しみさえ感じない(ようにしている)心を、陣内がほぐしていくという、
基盤は王道BLを踏まえつつ、
そこに榎田さんらしいスパイスを利かせ、キャラクターの味付けが絶妙。
重くなりそうなストーリーに、クスッとくる会話が楽しい。
話の枝葉もいい感じに緩急あって、飽きずに最後まで読めます。

まぁ途中ちょっと顰めっ面しつつ読んでたところもあり…

1

理髪師の、些か変わったお気に入り 小説

榎田尤利  二宮悦巳 

つむじ愛の表現にキュン

割とチャラい美容師の晴輝と、心の中をうまく隠しているけど、ずーーっと晴輝のことが好きでたまらない圭治の幼馴染ラブが描かれた「藤井沢商店街シリーズ」最終巻。

これまでのシリーズの登場人物がそこここに登場しますので、単独で読んでもOKなように書かれているとは言っても、この本はやはりこれまでのものも読んでから読む方が楽しめますね。

今回のメインカップルは、盛大にすれ違いまくったあげく、ようや…

0

アパルトマンの王子 小説

榎田尤利  緋色れーいち 

ありえないファンタジーだけどね

やっぱり一定の面白さキープの藤井沢商店街シリーズ4作目。
今回は超お金持ちの御曹司(しかもおとぎ話の王子様風)が社会勉強のために庶民的な街でビンボー暮らしをすることに…というマンガチックな設定です。

庶民的な商店街にリムジンで乗り付けるなんてありえないお話に、小さな不動産屋さんの悩める長男坊の家族を登場させて、ほのぼの風味にまとめる所はさすがです。
長男坊・優一の悩みってけっこう根深いか…

0

ギャルソンの躾け方 小説

榎田尤利  宮本佳野 

商店街感は薄めかな

藤井沢商店街シリーズの3作目に当たる作品ですが、ちょっと「商店街感」は薄めになっているように思いました。

昔ながらの喫茶店(珈琲専門店)でネルドリップのコーヒーを美味しく淹れる職人肌の水樹と、駅前でオシャレなこだわりカフェを経営する蓮の(ライトな)SMありのラブのお話でした。全体のトーンとしては”よくあるBL”かな?と。

間に水樹の家の事情なども入ってきて盛りだくさんな印象。水樹父と父…

0

歯科医の憂鬱 小説

榎田尤利  高久尚子 

この商店街近くに住んで、歯医者に通います…

しばらくぶりに読み返してみたら、やはり安定の面白さの「藤井沢商店街シリーズ」2作め。めちゃくちゃ傑作とは思わないのですが、いつ読んでも一定の楽しさとキュン♡をくれるんですよね。さすが榎田先生。

今回の主役は、街のクールな歯科医・三和先生と凄腕板金工・新城さんという変則的な組み合わせのカップルですが、どちらもいいキャラ。白衣を着ると怖いくらいになる三和先生は、普段はほわほわした気弱な人だし、自…

0

ゆっくり走ろう 小説

榎田尤利  やまかみ梨由 

この商店街近くに住むおばちゃんになります。

藤井沢商店街シリーズ第1作。最初に読んだ時は、発表の順番で読んだわけではなかった気がしますが、最近順番に読み返してみました。
やっぱり面白いですね。

田舎住みの私、リアルでも地元の商店街が大好きです。当然、店舗の構成などはお話とは違いますけど、この商店街の近くに住んで「おや?あそこの事務所に新しく来たお兄さん可愛い子ね」とか思ってる自分は想像に難くない(笑)

そんな風に、このお話の登…

0

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

犬にされる(絆される)過程に1億万点…!!

本当に犬なんです

なにを言っているの?って感じなんですが、
受けが攻めによって精神から動作まで
彼(犬)の従順な犬(人間)にさせられてしまう…
とんでもなく変態くさく(褒め言葉です)
とんでもなく、耽美なお話しです。

1つ言うなら、
性的に倒錯した人間の話ではありません。
人間をペットに…な時点で
倒錯していると思いますが
彼らの寂しさに触れてしまうと
そんな風には思…

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