稲荷家房之介さんのレビュー一覧

B.L.T 小説

木原音瀬  稲荷家房之介 

なぜあなたとなのか、ということ

本作は同人誌に収録された「ライン」に続編の「B.L.T」を加えて発行されたものである。
当時中学生だった北澤眞人に、サラリーマンの大宮雄介が電車内で痴漢したことからストーリーは始まる。
気の強い北澤は大宮を見つけ出し、優位な立場を利用して我儘放題の日々を過ごすようになるが、この痴漢と被害者の関係性が意外と面白く読めたのは、北澤が性悪な性格をしていたことと、大宮が我慢強くて常識人だったことかもし…

6

百日の薔薇(2) コミック

稲荷家房之介 

怒涛の展開に夢中…

今回は怒涛の展開や二人の関係に最後まで目が離せない。

戦況が激しくなる中、互いを想いあうタキとクラウスに二人の絆の深さを感じる。
出撃前、命令を下すタキとその手にまるで花にそっと触れるかのように口づけるクラウスの姿が印象深く、主従関係の美しさに魅了される。

戦闘シーンも2巻の見どころのひとつ。
戦場で鮮やかに指揮をとるタキの気高い姿、自ら太刀をふるい冷徹な目で敵に向かう姿はまるで別…

5

百日の薔薇(2) コミック

稲荷家房之介 

肉球編は必見

スパイの嫌疑をかけられてひどい尋問を受けるクラウスを、毅然とした態度で守ったタキ。
あんな酷いことをされた後だって言うのに、やっぱりタキって潔癖なほどにクラウスを信じきっているのねえ。
それなのにバカチンのクラウスは、タキを欲する自分を穢らわしいと思っているだろうと・・・まだそんなことを言ってるなんて。
ばかー!ほんとばかー!

お話は同盟国の不審な動きとともに、タキを取り巻く空気も不穏…

5

契愛―ちぎり― 小説

あさひ木葉  稲荷家房之介 

裏ではこんなストーリーがあったなんて……

鏑木清馬(星城の部下で忠誠を誓う 元フランス人部隊あがり)×星城貴一(公安部警視 恋人を麻薬組織に殺され復讐を誓う)

※この作品は『愛縁-きずな-』(敬春×操シリーズ最終巻)に出てくる事件の内容とリンクしている部分があります。

アジア系麻薬組織“青”に潜入捜査中の恋人を奪われ生きる意味を失っていた星城でしたが、鏑木の強引な挑発で“青”への復讐心を蘇らせます。「地獄までついていく」と忠誠…

4

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

「兄さんが、欲しくてたまらない」のキャッチは伊達じゃない

メインの2人の関係は、腹違いとか種違いとか親同士が再婚とか・・・そのような甘いものではなくガチで兄弟であった。
何とか読み切ったものの、やはり近親相姦に私のツボはないと確信した。
ものすごく現実味のないストーリー(と、脳が感じようとしている?)で、全てが心を上滑りしてゆくようだった。
やはり最低限、他人でヨロシク!なのである。

そうは言いつつも、みっちり全部読みきったわけだが、特に納得…

9

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

すがりつく弟と一緒に溺れていきます・・ぶくぶく・・

DVものです。大学生の弟は、兄や母親に捨てられたというトラウマから、再びめぐり合って同居し始めた兄に、弟がいままで与えられなかった愛情をもとめてすがりつくのですが、些細な出来事、言葉尻の中からでも、かすかな裏切りを感じたら、人が変わったように暴力を振るいます。
一度手を離してしまった弟だからと、今度こそ力になってやりたいと、すがりつく弟と一緒に溺れていきます。どうしようもなく・・溺死しそうです。…

3

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

落ちたか…。

正直禁じられた兄弟愛どころではない。
お話は、幼い頃両親の離婚をきっかけに離ればなれになってしまった兄弟が、父親の死をきっかけに再開し、再び一緒に暮らすというもの。だがそれだけではない、DVあり輪姦ありの、もがけばもがく程嵌っていくと言う泥沼状態での近親モノでした。
弟の兄に対する執着は並々ならぬものであり、“異常”という言葉も当てはまるが既に“狂気”と化してるそれには雄々しく惚れるモノがある…

4

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

精神的に

のっけからレイプ・・・近親相姦・・・暴力。
何でも有ですか ( -`Д´-;A)ヒヤヒヤ

後半は本当に壊れた弟と壊れた兄のコラボで読者の脳まで壊れそうな作品でした。
あとがきに「本人がよければいいのかも」なんて感じの言葉がかかれてましたが、本当にな・・と心底思いました。
どうもこうも・・・・私はまだ理性のある兄ちゃんが好きでした。゚(゚´Д`゚)゚。

文章の書き方も上手いので読ん…

3

水曜日の悪夢 小説

夜光花  稲荷家房之介 

SF

SFでした。
アイデア自体はよくあるものですが、こういうのを使いこなして小説書くのって夜光花さんらしいなァと思います。

主人公はバイオリンの先生(受け)です。交通事故で、バイオリニストの道を閉ざされた過去がある。
相手役は高校生(攻め)。
受けは攻めのバイオリニストとしての才能に惚れ、自分の夢をたくすことを決意する。
ただ高校生の家庭は複雑で、虐待にあってて、ある日その高校生は父親を殺してしまう…

6

ビューティフル・プア 小説

榎田尤利  稲荷家房之介 

安定感がたまらん

榎田尤利さんらしい作品でした。文章が上手で、テンポが良くて、笑えて、切なくなれて、優しくて、面白い。
安定してますね。多作なのに安心して読める作品が多いというのがスゴイ。
悪人がほとんど出てこないっていうのも嬉しい。
木原音瀬さんや水原とほるさんでズタボロになった私の心を癒してくれるのが榎田尤利さんのコミカルなBL小説かもしれませんw

日本の庶民の画商(攻め)と、架空の国のヨーロッパの貧乏貴族(…

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