嵩梨ナオトさんのレビュー一覧

ひそやかに降る愛 小説

名倉和希  嵩梨ナオト 

健気な受けに、不器用な攻め

「徒花は炎の如く」のスピンオフです。「徒花」を読んでいても問題はありませんが、「あの二人のすごいところってのは…」という竹内のセリフが気になって私は購入してしまいました。商売上手?!

竹内(攻め)の上司である若頭・夏樹と顔が似ているのを理由に、聡太(受け)はさらわれて男専門のデリヘルに売られてしまいます。デリヘルの客と間違って接客する聡太に苛立ち、竹内は強引に抱いてしまいます。

「ひそ…

3

鬼の涙が花だとしたら 小説

夏乃穂足  嵩梨ナオト 

与え過ぎる男

 惜しみなく愛は奪う、と申します。BL作品においても、とりわけオスの獣性を強く要求されるポジションである攻めが、受けのすべてを貪欲に奪い尽くす、という構図はさほど珍しくありません。その場合、受けはいちずで健気な自己犠牲型、つまり義月粧子さんの作品にしばしばみられるような、人魚姫タイプが多かったりします。でも本作は、それが思いっきり逆、つまり、攻めが人魚姫、というかなり珍しい設定なのです。それも自分…

4

ビレイライン【電子書籍限定短編】 小説

淡路水  嵩梨ナオト 

火は欲情させる

消防士のお話でレビューを書くのは確か3作目。消防士ってやっぱり萌えます(笑)

消防士で同じ隊に所属するちょっとビッチな先輩 賀川と後輩の広瀬のおはなし。
賀川は火を見たあとに欲情する。シャワールームで誘ったら都合よく後輩の賀川はのってきた。
それ以来関係を続けている。
恋人でもなくかと言ってセフレまでドライではないがそんな距離が賀川はいいと思っていた。
だが、ある日突然、賀川が郷里に…

1

南極パブロフ ~快楽をねだる身体~【電子書籍限定短編】 小説

ナツ之えだまめ  嵩梨ナオト 

この足音を待っていた

南極越冬隊に所属していた亜久津と狩野のおはなし。

狩野はペンギン研究者として、亜久津は雪上車の整備士として南極越冬隊に参加していた。
亜久津は狩野の持ち込んだSFなどの本を目当てに部屋に入り浸っていたが、ある日狩野が遭難しかけたことからふたりの関係が変わっていく。
遭難した狩野を救助した亜久津は狩野の部屋から帰ろうとしない。仕方なく同じベッドで眠ることにしたが…

ふたりは成り行きの…

3

愛の嵐 小説

水原とほる  嵩梨ナオト 

ハピエンとは呼べないが

 こんな相手はやめた方がいい、やめた方がいいと思いながらも、はまってゆくのが恋。

 -随分昔の少女漫画にこんな一節があったのを思い出しました。主人公の十乃美土里(30歳)は警視庁二課の刑事。同僚からは「お前の笑顔は半径10メートルを吹っ飛ばす爆弾だ」なんて言われちゃう美貌の持ち主。10代で自分がゲイだと気づいてからは、世間でいう普通の幸せはきっぱり諦め、仕事に打ち込んできた。満たされない身体…

8

鬼哭繚乱 小説

宮緒葵  嵩梨ナオト 

狂気すら感じる鬼わんこ

攻めの執着やばいー。
受けのために生贄を探し回る姿はもう…狂気の沙汰だよ、鬼だわ。
下手したら味方諸共贄にする気だし…あぶねー((((;゜Д゜))))

ってか清音愛しすぎて人目に触れさせずに閉じ込めときたいレベルの割には初めては公開、その後も側室候補集めて~の…いやあれ絶対若い女の子…しかもお嬢様系にトラウマ生み付けただろ。
側室候補の女の子たち(´・ω・`)カワイソス

生きる者…

2

鬼の涙が花だとしたら 小説

夏乃穂足  嵩梨ナオト 

一途な鬼の物語

子供の頃に鬼・森羅と深い友情を結んだ千鳥。
突然の災害と父の死によって今までの生活を奪われ
父を殺した鬼を憎み、幼い妹を守るようにして
生きてきた千鳥は、久方ぶりに昔過ごした希望谷を訪れる。
そこで崩落事故にあい、鬼の世界に連れて来られ
森羅と再会するが……

丁寧に描かれた鬼の世界も良かったし、
多くを語らず見返りを求めずひたすらに愛する鬼もツボ。
大きな物語が展開される。

8

残心 中白の恋 小説

丸木文華  嵩梨ナオト 

あおいはる

青い春と書いて青春とはよく言ったもんです。
久々の学生もののあたり作品だと思いました。
自身の心もわからないし操ることもままならない思い、苛立ち、購うことのできない運命とかいろいろ文章に表れていて、自身の焦燥感をかき乱されっぱなしでした。
弓道部内の話で設定が随所にちりばめられていてそこも凄く面白く何よりも袴でいろいろやっちゃうところとかもうおいしすぎるとしか言いようがありません!!!いや、…

3

残心 中白の恋 小説

丸木文華  嵩梨ナオト 

丸木先生が「青春」を書いたら

作者のファンですので、おお、丸木先生が青春モノを!と思って、期待して読みました。
一気読みさせられましたし、さすがに一定レベルに面白いです。
が、辛口になるようですが、いつもの濃密ドロドロな空気に、さいご無理やり「さわやか青春モノ」のノリをくっつけたようなかんじで、中途半端というか少し薄まるというか

最後のほう、ちょっとつめこみすぎなような……。


あらすじについては他にくわし…

3

鬼の涙が花だとしたら 小説

夏乃穂足  嵩梨ナオト 

瞼が腫れる~っ。

全てが千鳥・千鳥・千鳥・千鳥と自己犠牲が強すぎる森羅に千鳥じゃないけどイラつきつつも、その想いの深さに涙が止まらない!! 何故共に幸せになることを望まないのか!! 最後の戦いで本当の意味での伴侶になった2人に余計に涙した。 禾烈が実際に起こした行動は浅はかだったかもしれない。 でも鬼としてその行動をしてしまった事は間違いではないと思う。 ただ読みが甘かったけどね。 何気に最後は黒羽とのスピンオフも…

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