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9/20(合計:196件)
尾上与一 牧
縫子
ネタバレ
瑠璃色のとんぼ玉。鏡写しのオリオン。 傷ついたルリビタキ。透明なインク。 これらを鍵にしながら、物語は進んでいきます。 尾上先生の1945シリーズの1作目で、太平洋戦争時代を生きた人達の物語。シリーズの中でもこの作品は少し異色で、日本を舞台に物語が進んでいきます。痛くて、苦しくて、切ないけれど、とても美しいお話。私はシリーズの中でこれが一番好きです。 舞台は昭和19年で…
まりぽん812
第二次世界大戦中のラバウル。二人乗りの航空機でペアを組んだ、六郎と恒の青春の日々を描いています。 飛行機をこよなく愛するやんちゃな天才操縦士・恒と、温かくおおらかに恒を支える六郎は、飛行を重ねるたびに信頼を深め、やがて身も心も結ばれていきます。死と隣り合わせの中、命を分け合うように一つになりたいと願う二人に、頷きながら読みました。紺碧の空で命を懸けることに心満たされる若者らしさも、眩しく感じまし…
奇跡の泉シリーズで、尾上さんの描く命がけの愛に強く惹かれるものがありました。 そこで1945シリーズも思い切って読んでみました。年代から死に別れを連想してしまい、なかなか手を出せずにいました。 読んでよかったと思いました。別れの切なさを越えた、星空のように果てしなく深い愛が描かれていました。 日本の敗戦がささやかれ始めた頃、希は、名家の跡取りで海軍中尉の資紀の身代わりとなり、特攻に行くこ…
kaze
尾上先生の作品は今回初めてでした。たまたまHOLLY MIX で別の小説を読みたくて購入。その中に碧の・・があり、内容が知りたく取り寄せました。読み進むうちに、どんどんストーリーに引き込まれ、一気に1冊読んでしまいました。戦時中の内容であり、しかも明日命があるかどうかも判らない、命を懸けた若者が日本国を守るという使命を持ち、毎日ひたむきに、純粋に生きている。。確かに物語ではあるけれど、実際の太平洋…
まぎぃ
この前に読もうとしたのがとんでもない作品だったので、これには非常に癒やされました。 こういうときに読むといいのかな? これまで尾上作品は私にはNGで、おセンチな感じが合わないな、と思っていたのですが、これはよかったです。涙腺を刺激されました。 「碧のかたみ」と関連する作品ですが独立して読めます。 りりしい坊ちゃん、資紀と、その身代わりとして特攻に行くことになった希の恋。 幼いとき…
最近、以前まとめ買いした蒼竜社のノベルを読んでいます。尾上さんは苦手な作者さんだということは分かっているのですが、前の作品を読んでからしばらく経ち、ほとぼりも冷めたのでまた手にとってみました。 全体に、ラバウルでの戦時下における時代物で、戦友から恋愛に、というお話。受けの琴平が、なかなか懐かない猫がモデルのようで、喧嘩っ早いが仲良くなれば気のいいやつ、というキャラなのですが、弟への愛情表現も…
薄雲
隙間時間にちょっとつまめるようなSSが、たっぷり収録されたお徳感満載の1冊です。 時間がない時に、お目当てのCPの話だけさらっと読みたい時に、もちろん腰を据えてじっくり読みたい時にもOKなので、結構読み返してます。 本編がかなりのシリアスなのですが、こちらは比較的気軽に読める話が多いのも気に入っています。 どのCPも好きなのですが、こちらに収録されたお話の中では特に「歩兵の本領」「とりの…
弓
とにかく好きすぎる。終わってしまったのが寂しくて仕方がない。読了後の感想でした。 恒のイメージは「繊細」でした。 なにかの拍子に壊れてしまうのではないかというほど尊い。溺死しかけたり、マラリアに感染したりと、なんども恒の死を感じました。 明日には死んでしまうのではないか。ここで別れたら二度と会えないのではないか。 六郎目線の恒の描き方が壊れそうなほど美しいので、死んでしまうのではないかとい…
カラフル
2014年の「このBLがやばい!」の小説部門の二位の異名は、伊達じゃないなーと実感しました。 前作の1945シリーズ一作目の「天球儀の海」を読み、その設定と展開が絶妙だなーと感じましたが、期待していた特攻隊の青春部分は余り描かれていない所に少し拍子抜けした面がありました。 今巻では特攻隊の戦地での日常や青春に焦点を合わせ、陽の面と陰の面も合わせてリアルに現状が描かれています。その時代のラ…
太平洋戦争の若き将兵達のはかなくも美しき青春を描く1945シリーズ3作目。 前巻の「蒼のかたみ」と同じ最前線の南太平洋のラバウル基地が舞台に展開されています。 前巻が「動」とすると今巻は「静」の印象を受けましたが、後半はサバイバルな展開で息もつけなかったです。最後のページまで読んでホッとし、藤十郎と伊魚のペアに肩入れしていた自分に気づきました。 尾上先生の小説は、エンタメ小説とい…