尾上与一さんのレビュー一覧

HOLLY MIX 小説

安芸まくら  尾上与一  木原音瀬  さとみちる  

良かった…。

「日月星、それからふたり」は本編未読なので、それ以外の感想です。植物の一生の様な一冊でした。種である二月病の蒼司の恋心に始まり、恋から愛に実った明日も愛してるの津田の献身。どのストーリーも大変良かったです。

◯真夏の花
二月病の番外編です。その後の話ではなく、本編より前の二人でお遍路へ行くストーリーです。1番札所である霊山寺の階段で恋の終わりを願おうと決意した蒼司。でもいざ参拝所にいくと、…

4

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

良作

もどかしく、切なくなりながら読みました。
与えられるものを受け止められずに、怖がりながら、それでも健気な千歳は可愛くもあり、腹立たしくもあり……
家での暮らしは見ていて可哀想でなりませんでしたが、あまりの頑なさに、この二人は本当に結ばれるのだろうか?千歳は生きて終戦を迎えられるのだろうか?と不安になることもしばしば。
受けというよりはヒロインという方がしっくりくる千歳が、最後には男らしい面を…

5

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

千歳、まじヒロイン

大好きな1945シリーズの最後を締めくくる作品なので、“神”評価をつけたかったのですが、今回は登場人物に感情移入ができず…。
すみません、なにより千歳があまり好きになれませんでした。なんちゅーか…坊っちゃんを通り越して、深窓の令嬢みたいな感じで、とても軍人さんには見えないんですよ。
全然関係ないですが、某図書館を戦場とした作品に出てくるヒロインの方が、よほど男らしいと思いました。
怪我をした…

4

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

塁が男前過ぎる

まだ「プルメリアのころ。」を読んでいないのですが、1945シリーズの中では今のところ一番印象深いです。
これまでのシリーズでは、死にそうになるけど結局生き残り幸せになったカップルばかりでした。
前もってこちらのレビューを読んでたので、結末は想像できていたとはいえ、生きている可能性もゼロではないと思っていました。でも、最後まで読んで理解してしまいました。彼はあのときに…。
裕福な家庭に生まれな…

7

彩雲の城 小説

尾上与一   

呪いの人形

婀娜っぽい!伊魚が、軍人さんにも関わらず婀娜っぽいです。でも、決してなよなよしているわけではないのです。
本編はあまり濡れ場はありませんでしたが、「謹製ヘルブック」は結構濃厚なシーンがありました。
伊魚は前の男に僅かばかりの未練があるのかなー、と途中思ったりもしました。なんせ初めての相手だから。でも、それよりも、汚い自分を藤十郎に見せたくなかったし、いずれ捨てられてしまうと考え、なかなか素直に…

2

碧のかたみ 小説

尾上与一   

どら猫

戦闘機、星、宮沢賢治、そしてツンデレな受け…これだけ私の大好物を詰め込んでいて、“神”以外の評価をつけられるはずありません!
戦闘機を操縦する腕は天下一品で、愛らしい見た目なのにあまり人に懐かない猫みたいな恒が本当に可愛かったです。恒は前作で戦死したとされていたし、タイトルにも「かたみ」とあるから、悲劇的な最後になるかとヒヤヒヤしました。
せっかく仲良くできそうだった斉藤が戦死してしまったのは…

2

蒼穹のローレライ くまざわ書店オリジナルペーパー グッズ

三上、本気で悩んでます


 男同士の「契り」に必要なものについて誰かに訊ねたいけれど...
話が話だけに、相手は慎重に選ばなくてはいけません。それでなくとも三上には 浅群の寵愛を得ている~ だの、城戸の寵愛も得ている~ だのいう噂が立っていましたし。
考えに考えた末、三上は思い切って秋山さんに相談することにしますが....。

 三上、ぐるぐる悩みます。そのぐるぐるアワアワしている様や ニブチンとんちんかん…

1

天球儀の海 小説

尾上与一   

光の射す方へ

同人誌「葉隠否定論」の感想も含みます。

この作品に惹かれた方は是非とも「葉隠〜」を読むのをオススメしたいのですが、現在は手に入りにくい様ですね。いずれは商業誌になったりしないのかなー。
本作「天球儀〜」は希目線のストーリーなので、希がどれほど一途に資紀を想い、身代わりに死ぬことを待ち望んだかが描かれています。資紀が飛び立った後、希が資紀の母親から責められるシーンは、胸が痛みます。殴られなが…

6

『千歳威厳計画デラックス』 プルメリアのころ 書き下ろしショートストーリー小冊子 グッズ

千歳に『威厳』…?

コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける小冊子です。A5サイズで、小説部分は7ページ。タイトルは『千歳威厳計画デラックス』。

さて内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。


尾上さんの1945シリーズの『碧のかたみ』の恒と六郎視点で書かれています。時系列はラバウルにいた時のお話。

恒が『アイツ、いいな。艦爆の』と六郎に話し始めます。
六郎が成績のいい艦爆の…

1

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

じわりと痛い命がけの恋

文章がやや拙く、ところどころ読みにくいところもありますが最後まで退屈させない展開で、一気に読んでしまいました。
ストーリー自体が似ているわけではありませんが、中原みすずの「初恋」的な雰囲気です。(10年くらい前に宮崎あおい主演で映画化してます)

読み始めは千夏は嫌な男だと思ってました。が、読み進めていくうちに考えが変わった。人を好きになることを覚えた彼はとても素敵でした。奇しくも拉致事件を…

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