尾上与一さんのレビュー一覧

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

切ない、、だけど優しくてあたたかい。

1945シリーズは中々怖くて手が出せませんでした。シチュエーションは好ましいけど、時代だけに悲しい結末ならいやだなと。気持ち落ちたら中々立ち直れないので。しかし読んでみると前3作は安心な結末でした。
が、しかし、ついに今回は死ネタでした。
他とは違い表紙が1人だからおかしいなと。レビューで確認していたのでなかなか読む迄覚悟がいりました。手元にはあるし読みたかったし、不思議と皆様納得の様子だった…

2

葉隠否定論 小説

尾上与一  asaemaru 

坊ちゃんの執着は希のそれを凌ぐ

「天球儀の海」を坊ちゃん視点で書いた番外編同人誌。
衝撃的な本編ですが、こちらを読んで初めてあの本が完成されるような気がしました。
見事に天球儀を裏側から見た話になっているので、ああ、あの時坊ちゃんはこんな気持ちだったのか、こんな風に考えていたのか、こんな風に希のことを考えていたのか、というのがもうすんごいよく分かります。
本編だといまいち坊ちゃんが何考えているのか分からず、希への凶行もそこ…

6

天球儀の海 小説

尾上与一   

戦時下に募る想い

初恋の人を守るために特攻に行くことを決意した、航空兵、希(ゆき)の物語です。
尾上先生の1945シリーズ第1作目の舞台は唯一の日本国内で、そのためかシリーズの中でも独特の雰囲気があります。
5歳の時に助けられてから、ずっと忘れることのなかった名家の坊ちゃん、資紀(もとのり)。
資紀の身代わりになるために、成重家の養子となる、その道中を描いた冒頭は日本の童話のような趣きがあり、引き込まれていき…

2

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

重く絡みつくような執着愛

久しぶりに重苦しいお話を読んでしまいました。
尾上さんは評判の高い1945シリーズを知っていましたが、重くて薄暗く最後が二人の幸せな未来というのではない結末とか、哀しい出来事が多そうなので手が出せませんでしたがいつかは読んでみたいリストに記しています。
ですが、作家さんや内容に関わらず絶対に読んでしまうイラストレーターの笠井さんのカバー絵を見て、尾上作品初体験です。

とても美しい文章と写…

8

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

心に刺さった棘がちくちく痛い

一気読みでした。久しぶりにページを捲る手が止まらない作品に出会えました!
尾上先生の作品は割と読んでるんですが、一番好きかもしれません。笠井あゆみ先生の挿絵もさいっっっこう…!見開きの絵が…もう。

内容もとても重厚で、弓削と鉄真の一生が描かれています。
まだ未熟な二人が交わした約束、結ばれることが叶わなくなってしまった二人には、この約束が一生を懸けた契りで、その為に奔走していた様に思えま…

4

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

死ネタちょっと...って思ってた

『死ネタはちょっとなぁ〜...苦手なんだよ...』と大好きな尾上与一先生の作品にも関わらず買ったわいいものの読む勇気が出なかったこの作品...。私と同じことえお思う人もいるのではないでしょうか。

だがしかし!!!!!!!

思い切って読んでみて下さい。
正直、私はシリーズで一番と言っていいほど泣きました。
死ネタではあるものの不思議とハッピーエンドではないか
と思えてくるのです..…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

語彙力返せ!!

この本を読んだのは2年くらい前ですがティッシュ箱片手にガチ泣した記憶が...( ;∀;)
読後はどうしたらいいかわからずとりあえずウロウロ....。
そしてまた開いて泣く。
2年経った今でも、青い大きな花火を見るとこの作品を思い出して泣く始末...。
いい意味でトラウマ!!!

2

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

心奪われる二人の恋

これから先、二月が来る度に、閏年が来るたびに、その地の名前を聞いたときに、鉄塔を見るたびに、異国の地でひっそり暮らす二人を思い出すのかと思うと、本当に不治の病みたいだ。いつまでも心の奥底に残るようなお話でした。
至って普通であったはずの二人の日常がある日崩れて、緊張の中で少しずつ千夏の気持ちがはっきりしてくる。蒼司の為にボルトを運ぶ千夏や蒼司の恋する気持ち、恐ろしい現実もどこか美しく見える。文章…

4

青空のローレライ 小説

尾上与一 

とにかく涙

泣ける泣ける。とにかく泣ける。いくつかのお話が入っていますが お目当てはローレライの二人です。死にたくないと想いながらも散っていった塁が一人戦後を暮らす三上 の元を訪れる一夜のお話です。ファンタジーの括りになっていますが迎える三上の心がとにかく切なく思いやりに溢れています。本編が逢えないまま死に別れとなる二人なので このお話を読んで僅かながらでも救われた気がします。

4

葉隠否定論 小説

尾上与一  asaemaru 

よくわかる坊ちゃん編

商業発表の天球儀の海よりも先に書かれているせいかこちらの方が勢いがあり、力強い感じがします。坊ちゃん視点のせいかもしれませんが 彼の真意がよくわかり、読み応えがあり一気に読んでしまいました。幼少時に見初めてからずっと一途に想い続け ある意味怖いくらいでちょっとストーキング入ってます。でもそのくらいでないとあの事件?は起こさないので、天球儀の海よりもずっとあの行為を納得できるのだと想います。両方読む…

5
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