尾上与一さんのレビュー一覧

ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~ 小説

尾上与一  央川みはら 

こっちは超甘酸っぱい(* ´ ▽ ` *)

「奇跡の泉」シリーズ2作目です。
「アヴァロンの東」の主人公がヨシュカ。
そのヨシュカの兄・マティアスが今作での主役になります。

で、こちら、とにかく切なかった「アヴァロン~」と比べ、ほのぼの甘々風味が強いのです。
「アヴァロン~」ではボロボロ泣き、こちらでは甘くて可愛いと萌え転がる感じですかね。
2冊同時発売なので、ぜひ一緒のご購入をおすすめします。
いや、「アヴァロン~」が切な…

13

天球儀の海 小説

尾上与一   

やっと尾上さんで好きな作品にめぐりあった

この前に読もうとしたのがとんでもない作品だったので、これには非常に癒やされました。
こういうときに読むといいのかな?
これまで尾上作品は私にはNGで、おセンチな感じが合わないな、と思っていたのですが、これはよかったです。涙腺を刺激されました。

「碧のかたみ」と関連する作品ですが独立して読めます。
りりしい坊ちゃん、資紀と、その身代わりとして特攻に行くことになった希の恋。

幼いとき…

2

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

読み終えた後も余韻が…壮絶な一商家の物語

尾上与一先生と言えば、1945シリーズの印象が強く、それ以外の本を手に取るのに永らく勇気が入りました。実際に読んで見ると、1945シリーズと同じ熱量で、生半可な気持ちで読める作品でなかったです。尾上作品はじっくり向き合う必要がありますね。

貿易商の宗方家で仕える執事の弓削が主人公の物語ですが、自分の執事に対する認識が甘かったです。映画やアニメ等で分かった気分になっていたんです。この作品…

3

碧のかたみ 小説

尾上与一   

戦友もの

最近、以前まとめ買いした蒼竜社のノベルを読んでいます。尾上さんは苦手な作者さんだということは分かっているのですが、前の作品を読んでからしばらく経ち、ほとぼりも冷めたのでまた手にとってみました。

全体に、ラバウルでの戦時下における時代物で、戦友から恋愛に、というお話。受けの琴平が、なかなか懐かない猫がモデルのようで、喧嘩っ早いが仲良くなれば気のいいやつ、というキャラなのですが、弟への愛情表現も…

3

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

なんか痛い青春

「彼岸の赤」だったかを読んで、おセンチな感じが苦手だなあと思った印象のままの作家さん。何年か経ったので、まとめ買いしていた積ん読を消化しようと手に取りました。

後書きを読んで気づきましたが、こちらがデビュー作なのですね。やはり、と思うようなところがありました。
基本的には、青春の高校生同士の甘酸っぱい恋が書きたいのだと思うのですが、それを表現するために二人を犯罪に巻き込ませ、何度も同じ説明…

4

Valentine Blue  小説

尾上与一 

海の向こうのその後

二月病の商業番外編同人誌。
全て蒼司視点で語られる千夏への片思い本という感じです。
本編前の、まだ普通の高校生活を送っているふたりが読めるので貴重です。
表題作はバレンタインの一日で、モテる千夏とそれを心の中に抱える物を飲み込みながら過ごす蒼司のちょっと切ない思いの話でした。
鈍くて無神経な千夏に怒りながらも、そんな相手が好きで好きでたまらない蒼司が健気で、ドライな見た目に反して心の中では…

5

拝啓、南十字星の下より 小説

尾上与一   

1945シリーズSS詰め合わせ

隙間時間にちょっとつまめるようなSSが、たっぷり収録されたお徳感満載の1冊です。
時間がない時に、お目当てのCPの話だけさらっと読みたい時に、もちろん腰を据えてじっくり読みたい時にもOKなので、結構読み返してます。
本編がかなりのシリアスなのですが、こちらは比較的気軽に読める話が多いのも気に入っています。

どのCPも好きなのですが、こちらに収録されたお話の中では特に「歩兵の本領」「とりの…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

一番大好きな作品

とにかく好きすぎる。終わってしまったのが寂しくて仕方がない。読了後の感想でした。
恒のイメージは「繊細」でした。
なにかの拍子に壊れてしまうのではないかというほど尊い。溺死しかけたり、マラリアに感染したりと、なんども恒の死を感じました。
明日には死んでしまうのではないか。ここで別れたら二度と会えないのではないか。
六郎目線の恒の描き方が壊れそうなほど美しいので、死んでしまうのではないかとい…

4

黒猫のためのパッサカリア 小説

尾上与一 

まさかの黒田本

さよならトロイメライの番外編同人誌。
宗方家の家令であった黒田の過去話です。本編で凄い存在感を放っていた黒田ですが、なるほどその過去は凄絶を極めていて、あの泰然自若とした態度の根元はこうだったのか、というのが判明しました。

何というか黒田の生まれ、宗方家への奉公、そこで出会った奉公先の次男坊惣太郎との出会いから、同じ夢を見るまでの過程、そして淡い恋心を交わしたのに家のために別れなければなら…

2

溺れる夏の庭 小説

尾上与一 

幸せの定義はそれぞれの中に

さよならトロイメライの番外編同人誌。
弓削と鉄真のありったけを詰め込んだような番外編で、これが本編ではないのが惜しいという感じでした。
鉄真と弓削の間に起こった決定的な事件の前の話と、事件後の生活、ほんのささやかな2人きりの夏休みに他の使用人目線の話、そして鉄真と弓削の最期までの僅かな甘い日々と、手を変え品を変え色鮮やかに書き出されています。
花が芽吹き、蕾を開き、華やかに咲き、そしてその花…

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