ヤマシタトモコさんのレビュー一覧

恋の話がしたい コミック

ヤマシタトモコ 

その感じ、ラブい

1冊の半分くらいを占める表題作と、短編3作、描き下ろしです。

「恋の話がしたい」
ヤマシタトモコ作品、1つだけあげるなら?と言われたら、この一編のような気がする。
恋愛も、本当の意味で誰かと付き合ったこともないネガティブな男の、初めてたち。
初めての告白、
初めての承諾、
初めてのデート、
初めての好きな相手との行為、
初めての絵文字…
もしも、もしも、もしも、と怯えていた、…

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イルミナシオン コミック

ヤマシタトモコ 

鋭い話、宙に浮く話、恋だけではない話

新装版が2018年8月に発表されています。今から読む方はそちらをどうぞ。
本作は2008年発表。
ヤマシタ作品らしく(?)、BLと非BLの狭間のような空気感、恋愛の当事者ではない脇の人物からの視点、また当て馬・ライバルの立ち位置ではない女の子。

冒頭の表題作は、痛々しい片道通行の想いが行き交う。
愛されたい、ではなく、愛する人をください、という祈りのような。
次の「ラブとかいうらしい…

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恋の心に黒い羽 コミック

ヤマシタトモコ 

むしっちまえ そんなモンは‼︎

ヤマシタトモコ先生作品の中で一番好きかもしれない。
内容は、ヤマシタ作品の特徴ともいえる女性の存在感と、非BLとの境のようなものも多い短編集。

「ベイビー, ハートに釘」
社会人の姉と高校生の弟。親は亡く二人暮らし。
視点は姉。弟は同級生に恋をしているらしい。
保護者面談で学校に行った姉は、弟がホモとからかわれているのを見て…
弟は苦しんでいる。それを見る姉も苦しい。でも、どうやら…

1

タッチ・ミー・アゲイン コミック

ヤマシタトモコ 

力みのないエッジィさ

短編集。

「タッチ・ミー・アゲイン」
7年前一線を越えたことのある腐れ縁の友人と、再びの。
7年間の付かず離れずが、4週間の不在であっけなく均衡を崩す。回り道したね。
もー早く告白すればよかったのに!ってのは外野の戯言。

「息をとめて、」
ゲイの好意をそらしたりかわしたり、ずるいノンケ。しかも罪悪感まで抱いて。
ヤマシタ作品のゲイxノンケってすごく独特な推移でくっつくと思う。…

1

くいもの処 明楽 コミック

ヤマシタトモコ 

デビューコミックス

ヤマシタトモコ先生のデビューコミックス。
もう12年も前の発表だけど古さは感じません。

「くいもの処 明楽」
決まった彼女はいないけどノンケで、お気楽な居酒屋店長・明楽(あきら、名字です)は、いきなり年下のイケメンバイトの鳥原から「好きなんスよ」と告られ、世界が一変する。
信じられないし、応えられる気もしないけど、もう頭の中は鳥原の事でいっぱいになっていく。
明楽がいつ鳥原を好きにな…

4

BLの物語のちから~フェア限定ノベルティ描き下ろしペーパー~ グッズ

ほのぼのと楽しい

まさお三月さんの『身勝手なあなた』についてきたのですが、ペーパーには『身勝手なあなた』、ヤマシタトモコさんの『タッチ・ミー・アゲイン』、中村かなこさんの『太陽は罪な奴』の3作品のキャラ達が描かれています。
私はまさおさんとヤマシタさんの作品は既読だったのですが、中村さんの作品は未読でした。
ヤマシタさんの漫画は、『タッチ・ミー・アゲイン』に収録されているそれぞれの短編作品から攻め様と受け様が集…

0

くいもの処 明楽 コミック

ヤマシタトモコ 

表題作は受けの心情の変化が読み取れず

◆くいもの処 明楽(表題作)
 攻め受けのビジュアル(特に攻めの鳥原)はとても好みで、キャラ設定も掴みは良かったです。ただ、ストーリー展開には少し違和感を覚えてしまいました。鳥原から告白された受けの明楽が、じわじわと鳥原のことを受け入れていくという流れなんですが、正直どこがターニングポイントになったのかよく分からず。あれ、この2人っていつの間に付き合い始めたんだっけ?とページを戻る羽目になりまし…

2
非BL作品

さんかく窓の外側は夜 6 非BL コミック

ヤマシタトモコ 

オカルティック

ひうらえりかも使われる身で、悪いことをしてきたが、母のような三角に救われるという回。そして黒幕がようやくキャラの色がついた存在として登場。

1巻からオカルトだが、非科学的なものを一切信じない刑事の半澤だけが物語で変わらない存在として強い軸になっていますね。そして強いその妻。

冷川の非常にダークな過去は前巻で明らかになったのだったか。ここへ来て黒幕である先生とそれ以外のキャラ達の対立の構…

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非BL作品

さんかく窓の外側は夜 6 非BL コミック

ヤマシタトモコ 

物語が大きく動き出した6巻

 今までで最も、非浦英莉可という存在に重点を置いていた巻ではないでしょうか。彼女の過去もまた、冷川ほど壮絶ではないにしろ、何とも虚しいものでした。周りに信じられる人間がいない、一度信じられた人間もすぐ疑ってしまう非浦。唯一側近の逆木にはすべてを晒け出しているけれども、彼には霊感も特別な力もなく、そういったものに関する非浦の感情にまでは共鳴してもらうことはできない。非浦は本当に誰も頼れず、ずっとたっ…

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非BL作品

さんかく窓の外側は夜 5 非BL コミック

ヤマシタトモコ 

冷川にとっての三角の唯一無二性が際立つ

 若干箸休め感のあった4巻から、この狂気と執着の入り乱れた世界に一気に引き戻されたような5巻でした。毎回終盤に進むにつれてストーリーの濃度が高まるので、読み終わった後に冒頭のストーリーを思い出すのが大変です。正直今は冷川の幼少期の記憶のことしか思い出せない。強烈な過去でした。他人の機微に疎いというか、分かっていてもそれを容易に無視することができる今の冷川が、なぜそんな人格になったのかすごく納得でき…

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