ふばば
◆くいもの処 明楽(表題作)
攻め受けのビジュアル(特に攻めの鳥原)はとても好みで、キャラ設定も掴みは良かったです。ただ、ストーリー展開には少し違和感を覚えてしまいました。鳥原から告白された受けの明楽が、じわじわと鳥原のことを受け入れていくという流れなんですが、正直どこがターニングポイントになったのかよく分からず。あれ、この2人っていつの間に付き合い始めたんだっけ?とページを戻る羽目になりまし…
今までで最も、非浦英莉可という存在に重点を置いていた巻ではないでしょうか。彼女の過去もまた、冷川ほど壮絶ではないにしろ、何とも虚しいものでした。周りに信じられる人間がいない、一度信じられた人間もすぐ疑ってしまう非浦。唯一側近の逆木にはすべてを晒け出しているけれども、彼には霊感も特別な力もなく、そういったものに関する非浦の感情にまでは共鳴してもらうことはできない。非浦は本当に誰も頼れず、ずっとたっ…
若干箸休め感のあった4巻から、この狂気と執着の入り乱れた世界に一気に引き戻されたような5巻でした。毎回終盤に進むにつれてストーリーの濃度が高まるので、読み終わった後に冒頭のストーリーを思い出すのが大変です。正直今は冷川の幼少期の記憶のことしか思い出せない。強烈な過去でした。他人の機微に疎いというか、分かっていてもそれを容易に無視することができる今の冷川が、なぜそんな人格になったのかすごく納得でき…