青井秋さんのレビュー一覧

ステラリウム コミック

青井秋 

やさしさと思いやり

ボタニカルアートのような細密な絵が魅力的な作家さんの2冊目は、ファンタジーの1冊になりました。
とても雰囲気系の作品ですが、ジワジワと染みいるものがあり何度も何度も繰り返し読んではまるで、ほんのりと心に灯がともるような柔らかさと温かさがあります。
それがとても居心地がよいのです。

表題の『ステラリウム』は星の製造工場を舞台にその主任のカナタのお話【夜明け前】と、同僚のキケとレオシュのお話…

6

爪先に光路図 特典ペーパー グッズ

図鑑のようです

薄グレーの用紙に黒インクの一色刷り。サイズはコミックスより少し大きく、A4を2つに切った位の大きさです。
空想の世界なのか、菌類学者の室田先生の頭の中なのか、数枚の写真の中に本作の主人公(岩井新)が写っていたり、その写真の回りには標本のように精密な植物が描かれています。

キノコやどんぐり、シダ植物のワラビかな?不思議なタマゴだったり、花を咲かせる蕾なのかな?
と名前当てクイズでは無いです…

2

爪先に光路図 コミック

青井秋 

海外の児童文学のような世界

細部まで丁寧に描き込まれた絵、本を開いても意図的な場所や枠外以外は白いところがあまりないです。線ひとつひとつがとても繊細で、触れれば壊れてしまいそうな儚さを感じました。

表題作である「爪先に光路図」と、「さかなの体温」そして「八月、夏の底」、それぞれに似通った世界観がありました。なので、単行本一冊を読み終わったあとにとても満たされます。
通常、数作収録されているものですと、これはギャグ、こ…

6

爪先に光路図 コミック

青井秋 

絵がいい

素晴らしく細密で繊細に描かれる絵に参りました。

拡がる菌糸の世界。雑木林の中、倒木の茸たち、木の葉の上の幼虫、雨の滴。(爪先に光路図)

電車の中、居眠りする人たちのまわりで揺らめく熱帯魚。(さかなの体温)

ふさふさの尻尾と耳。(八月、夏の底)

どの作品もうつくしかったですが、特に最後の「八月、夏の底」。
自分内でここしばらく続いた、ケモ耳ファンタジー強化週間の最後を飾るに…

9

爪先に光路図 コミック

青井秋 

緻密だけど温か。

緻密に描いているのが、主に自然のものだからなのか、
美しさだけじゃなく温かさを感じさせてくれて、とても素敵。

3つのお話すべて、ゆっくり時間が流れているような感覚を受けるのも、
使われる言葉に詩のような美しい響きと意味があるのも、
全てを明らかにしない終わり方があるのも、
物語に奥行を感じて好きでした。

下にページ数が書いてるところに、ちょっと絵が付いてるのとかも可愛い。

4

爪先に光路図 コミック

青井秋 

好きでも嫌いでもない

評価すべき点としては、作品は短編集なんだけど
全部雰囲気が統一されていて、世界に入り易く
描写も繊細で美しいこと。

ここまで繊細な絵で、繊細な話で……
つまりはあまりエロさは求めちゃダメだってこと。

私が好きだなーって思ったお話は魚が空気中に漂うのが
見えちゃう男の子の話。
なんで魚で、その魚が何なのか……
読み終わってもさっぱりわかんないんだけど
斬新でいいかな~って思…

5

爪先に光路図 コミック

青井秋 

絵の書き込みの素晴らしい作品

まず目を奪われたのは背景の書き込みの丁寧さです。
芸術的とも思える菌糸や動植物の描き方が素晴らしいです。
また、黒と白の使い方が大変私好みでした。
丁寧に細かく描かれたビジュアルアートの世界を堪能できます。
絵だけですでに神評価です。

表題作の内容は実に地味な内容で、全ての地味BL好きに贈りたい作品です。
大学の先生と助手の、二人の交流を丁寧に描いていらっしゃいました。
私自身は…

7

いとしさの結晶 小説

きたざわ尋子  青井秋 

大事な者は傍にいる

一種の記憶喪失モノと過去と今のはざまで受け様が真実の愛を見つける感じでしょうか。
内容的には淡々とした受け様の日常に日々を背景にしていて、読み始めは、
事故で過去の記憶を一時失っていた受け様が、新たに恋をするが、その後に断片的に
過去を思い出し、自分が記憶を無くす前に好きだった相手がいたことを思い出し、
攻め様の気持ちには応える事が出来ないと思いながらも攻め様がそれでもいいと、
身体の関…

2

いとしさの結晶 小説

きたざわ尋子  青井秋 

読む前のイメージとことごとく違いました。

きたざわさんはわりと好きでかなりの数読んでますが、正直『パターン』が決まった作品が非常に多いんですね(『パターン』は複数あります)。
そういう意味では、これはちょっと異色でした。

まず、志信(受)のキャラクターが、あらすじや表紙イラストから想定したのとまったく違いました。読む前に持ってたイメージにかすりもしなかった感じです。
てっきり『健気で儚げで(和服だし)何かと流されちゃう美人…

2

小説リンクス9周年記念プレシャスBOOK グッズ

いろいろ読めて楽しいv

「how to count kiss」谷崎泉
学生時代にキスをした仲だった新名と城島。
けれど、決して恋仲だったわけでもなく。
偶然に城島が社内の移動で再会して。
新名の反応に城島が当時の疑問をぶつけて。
でも、ここまで来てもどちらもはっきりとしたものを持っていないのか内を明かしていないのか。
告白とかはないんですよね。
なのに、これからもキスする仲ってなんか不思議だけどなんか萌える…

0
PAGE TOP