紫ゆかり
梶本先生の他作品と比べて暴力的なシーンやグロシーンはかなり薄く、
そういう点では比較的読みやすかったです。
しかし、現実社会でも起こり得そうな悲劇には、また別ベクトルの痛々しさがあり。
すごいことが起こらない分、人生のやるせなさや哀しさがダイレクトに伝わってきました。
大学でフリーダイビング同好会仲間だった三人。
チームリーダー・榎波の競技中の死は、残された二人の人生にも影を…
久々に読み返しましたが、やっぱり怖い(笑)。
ラストに至るまでの過程がもっと読みたかったなーとも思うのですが。構成の上手さや演出の迫力に呑まれ、読後の充足感は半端ないという。不思議な魅力のある作品です。
SM、エログロ、猟奇趣味なシーンは(短い作品なのでページ数としては少ないですが)、読む人を選ぶかなとは思います。『ミ・ディアブロ』や『高3限定』とはまた違った衝撃がありました。
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『ミ・ディアブロ』のコミックス未収録の、同人版。
コミックスに収録されている「アディオス・ミゲル」とは異なる内容で、
時系列としてはコミックス版「アディオス・ミゲル」のラスト~後になります。
『ミ・ディアブロ』のエピローグの「mi diablo」とは全く異なるもう一つの結末。
本編の構成・展開だけではなく、こうしてアナザーエンディングもあるところがまた映画的だなーと思います。
『…
恋人になった小野とイケダの幸せな日々が綴られ、しかし刻刻と悲劇が迫ってきているような不安感が付きまといます。
帯に「ホラー史上最大の怪作」とあるように、ここへ来て一気に科学では説明できない出来事が次々起こります。
イケダの、思った以上に凄惨な過去と強い生命力。未来の小野の孤独と後悔。何かとてつもなく大きなものに支配されている田舎町と学校。
怒涛の勢いで様々な事実が明らかになる一方で、予想…
第1話から頭をガーンと殴られたような衝撃を受け、話が進むごとにどんどん予想外の方向に展開するストーリーに終始目が離せませんでした。
読み始めた段階では、先生・イケダの手ほどきで好青年な生徒・小野がSに目覚めてどんどんバイオレンスな方向に…というようなドロドロのDVモノを想像して戦々恐々としていたのですが・・・
話のスケールも、小野(生徒)という人間も、そんな単純なものでは全くなかった!
…
あまりネタバレはしたくないので詳細は控えますが、とにかく衝撃と感動と萌えが詰まった作品でした。一読しただけでは理解しきれない箇所、敢えて曖昧にされている箇所もありますが、諸々の細かい疑問点を凌駕する勢いでジェイク、ミゲルの人生が迫ってきてとにかく圧倒されました。
ジェイク、ミゲルの生きる道は限りなく危険で痛々しく常に闇を孕んでいるのですが、
選択肢の限られた人生の中で精一杯誰かを愛して生き…