佐田三季さんのレビュー一覧

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーなのにリアルが迫ってくる

BLにして京極夏彦の文庫並みの分厚さ!
読むのに苦労するのではないかと一瞬不安に思うも、それは杞憂でありあっという間に読み終えていました。
そのくらい吸引力のあるお話です。
もう最初から、硝子を爪でひっかいた音を聞かされているような、ヤスリで身体を削られているような、そんな痛みを感じながら、もう堪忍してー!許してー!とこちらが叫び出したくなるような苦しみを感じます。
しかも、その苦しみが歪…

5

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーを切り口にした人間ドラマ

初・佐田先生。ホラー設定に興味を惹かれて買ってみました。

霊が襲ってくるような直接的なホラー展開はなかったですが、次第に過去が明らかになる謎解きのような面白さに引き込まれ、一気読みできました。
あくまでホラー設定を切り口に、死を身近に感じながらも生きていく残された人々にフォーカスした人間ドラマという印象です。

とは言え、現代社会や人間の愛憎がリアルに描かれていて、そこにある意味モダン…

10

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

愛と憎悪と嫉妬と執着

え。文庫で950円?それもそのはず。
手に取ってびっくりずっしりの約450ページの大ボリューム。
そして内容は、愛と憎悪と嫉妬と執着うずまく、まさに佐田節大炸裂の昼メロも真っ青なドロドロの愛憎劇。

知的障害の双子の姉の死。10年経った今も鏡を見ると常に死んだはずの姉が映り込む。
罪悪感にもがき続ける斎木に、避け続けていた因縁ある幼馴染・神成との再会と脅迫…
そこに職場の人間関係のゴタ…

16

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

痛いけど、イタ気持ちいい・・・

ヤンデレ好きーな私にはたまらない作品でした。
ここまでの執着、立派なストーカーです。

少々のストーカーならば深い愛情の裏返しとして美味しく思えるのがBLマジック。
でもこの作品の遠藤は脅迫までして、受けの笠井を手に入れようとするんです。
BLマジックでごまかせないほどの執着ぶりに恐怖 汗
それでも遠藤の切羽詰まった真剣な気持ち(相手の気持ちをないがしろにしてるから愛情とは言えないかも…

3

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

断じてホラーじゃない!(キリッ

みんなホラー、ホラーって言いますが、自分はそうでもないと思います。(苦笑)
執着ヤンデレ攻めなんで大好物すぎてたまらなかったです。

物語の見所はもちろん、攻めの受けが好き過ぎた故のやりすぎ行為です。
最初は友たちだけでいい、そばにいたい。そこで段々エスカレード、欲張っちゃって、受けを追い詰めました。
どうしても欲しい。体が欲しい。心も欲しい。魂までください。
受けへの限りない執着ぶり…

2

「クライ、くらい夜の終わりに」番外編ペーパー「きみの手と手と」 グッズ

もう、好きにすれば

本編での重たいあれこれを乗り越えて、
ようやく「好き合って一緒にいる二人」になった須田と寺岡。
それでも、クライ、くらい夜は、簡単に、完全に終わりって訳じゃなく、
もう、一晩でも離れていられないってね。
須田にとって、寺岡の、この手さえあれば大丈夫って、
なんか、「かわいいツンデレさん」なエピソードっぽくまとめているけど
二人だけの世界の中では、それでいいかも知れないけど、
それでい…

1

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

重ッ

なんだか、色々、色々、盛りだくさん。

うなされる夢、
思い出せない子ども時代、
足りない生活費
傍若無人な義姉
そして、寺岡が自分に向ける感情

須田に盛られた諸々が、やたらと重い。
こんなに盛りだくさんだと、逆にあれだ、
最後で、いい話っぽくまとまったようでも、色々後味悪い。
記憶を無くすほどの出来事にするために、
絶対アパートに帰りたくなくするために、
ここまで盛る…

1

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

すっきり終わらない話

 過去の出来事から、あまり友人も作らず、一人でいることを好む須田は、バイトと大学に追われる毎日を過ごしていた。
 ところが、そんなある日、「俺のこと、覚えてない?」と見ず知らずの学生から教室で声をかけられる。
 まったく記憶にないその男・寺岡に須田はすげなく「人違いだ」と答えたけれど、実は須田は子供の頃の記憶が一部かけてしまっている。
 おまけに、その後遺症のように毎晩、悪夢を見続けている。…

3

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

BLに何を求めるか…

大変評価が高い作品なので、秋の夜長感動を求めて読みました。

家族の中で疎外感を感じながら育ち、大人になってようやく築いた自分の家庭だったのに
妻に病で先立たれ、シングルファザーとして保育園に通う娘を一生懸命に育てる男。
それなのに、無惨にも突然の事故でその宝物であった娘も奪われてしまう。

果てしない孤独。
これでもかと失い続ける男は、混沌とした暴力的な衝動に突き動かされて
娘の…

5

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

苦しい・・・

前回のお話が物凄く好きで、わー!どうしよう!なかなかレビューが書けない!(笑)と思っていたのですが、今回の作品は、違った意味で悩む結果になりました(^^;)
須田の過去はネタバレを読んで覚悟を決めていたのに、寺岡の行動についても知っていたのに、読んだ後(途中?)しばらく放心した気分になり、グルグルと整理出来ないまま、レビューを書くとしたら・・・と考えると感情的になりすぎて、しばらく距離を置こうと…

5
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