青石ももこさんのレビュー一覧

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

もう一般書籍に行って良し

BL要素をすっぽり抜けば、きっと一般でも勝負できるだろうと思えるほど文章の書き方がお上手だな~と思いました。
やはり自分にとっては読みやすい人、一穂さんの作品のため、この作品も割とすんなりと文章が頭に入ってきました。

しかし、この内容、趣味か趣味じゃないかと言われたら『趣味じゃない』んですよね~。
40になったおじさんの歯車合わせの恋愛が描かれているんですが、
なんか二人のエロの部分要…

10

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

高校時代の描写は間違いなく神

さすが一穂さん、青々しい高校生の描写が秀逸でした。
何がどうしてか、とにかくこの方の文章は脳にスッと入ってくる。
そういう意味で私にとっては相性の良い作家さんです。

一穂さんは高校生の自意識過剰加減とか、ちょっとしたことで世界の終わりや運命を感じてしまうような、繊細な、そんな心の機微を文章にあらわすのがお上手な方だと思うのです。

この作品も一束や圭輔の細かな人となりの描写が良かった…

7

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

大人しい大人、落ち着いた大人

 国会で議員などの発言を書き留める速記者をしている碧と、新聞記者の西口のお話です。

 判で押したような毎日がずっと続けばいいと願っている碧ですが、碧とは対照的で、明るく、何か人を惹きつける何かを持っている西口と出会うのです。碧は真面目で、自分で家事炊事全般をこなしてしまいます。そして、西口はそんな彼の作った手作り弁当を見てすでに結婚していると勘違いするのです。

 最初は気になって、話す…

6

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

やっと読んだ

うっかり off you goから読んでしまったため
なかなか読むに読めなくて積本してしまっていました。
そしたら、off you goの方を軽く忘れた状態で読めたので
私個人的には良かった。
実際順番逆でも読めちゃえますが、香港時代の佐伯を知った上で
off you goを読んだら違ったレビューになったでしょう。

さて、分かりやすいからでしょうか?
is in youの方が私は…

3

ハニーデイズ 小説

杉原理生  青石ももこ 

攻キャラクターが気分悪くて、最後まで読めないかと思った。

杉原さんの他の作品よりはよかったんですが、所謂『萌え』は皆無です。

こういうほのぼの・焦れ焦れなストーリーは結構好きなんです。好みの分かれそうな国巳(受)も、私は別にダメじゃない。

でも、諒一郎(攻)のキャラクターが私の我慢の限界を遥かに超えていました。こんな鬱陶しい男、絶対に無理です。文字通り耐えられない。読みながらイライラが抑えられませんでした。

私、受はどんなに『ネガ…

4

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

この声が聞けて、わたしも嬉しかった。

一穂さんの本はこれが4冊目。
一穂さんの書かれる言葉の数々は、わたしの心を強く掴む。
時々それが強すぎて、深く爪を立てられた跡のように少々の傷になって暫く心から消えていかない。
よかったとか、好きだとか、共感したという気持ちと一緒に、ダメージまで残していく。
この本は、今まで読んだ本の中ではそのダメージが一番少なかった。
なので、一番楽しく読めたと思う。

人の声や話し方、
それは…

10

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

想像が巡りすぎて、撃沈

「is in you」から続けて読んでみました。
「is in you」で大きな存在感を示していた佐伯、
彼が下の名前「密」と呼ばれ、彼について紐解かれていく展開は目を見張るものがありました。
メインの登場人物にはハッキリとした個性と人間臭さがあって、重みのあるドラマとなっています。

きっと普通に考えれば、素敵とか素晴らしいといった言葉が似合う作品なのだと思います。
ですが自分は、密…

5

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

再読して…

冬コミの新刊で、is in you + off you go の番外編を読んだのを機に、再読してみた。
最初に読んだ時より、どんどん好きになる!
それは、一穂先生の処女作「雪よ林檎の香のごとく」も同じ。

何よりすごいと思うのは、スピンオフや番外編で本編に描かれなかった隙間が埋まってきて尚、
人物像やエピソードにブレがみられないこと。
ただイチャイチャしているような番外同人誌もなくはな…

17

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

余韻がいい

『is in you』は高校時代と社会人になってからの二部構成になっています。

この本の良さはいろいろありますが、まずはキャラクターが薄っぺらくないところです。一束は芯のところで純粋な人だと思うのですが、自分のこれまでの環境やコンプレックスなどからなかなか心を開く事ができません。社会人になって人見知りだったりするところは緩和された感がありますが、芯のところは変わらず、彼の繊細な心やちょっと難…

8

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

機械化の波に呑まれて消えていく職業

is in you、off you go、そしてステノグラフィカと三作続けて読みました。
なんか、もうどっぷりこの世界観にハマってしまいました!
一穂ミチ先生の本は他にも何冊も読んでますが、
このシリーズが一番好きです。

私は「国会速記者」という仕事は全く知りませんでした。
国会中継自体、見る事無かったですし。
でも読んでると、なんとなく国会に興味も湧いてくるし、
議事堂にも行っ…

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