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佐藤真理乃
葡萄瓜
ネタバレ
表立ったBL展開が無かった分だけ 結末の重みが増してきます。 実はこの後に(恐らく商業誌未収録の) 番外編が存在しております。 その一編も収録されていれば、評者は この巻の展開を「BL」と区分したでしょう。 只それはこの作品にとって諸刃の剣に なったのかも知れません。 友情の中に潜む恋の様なもの、それが 恐らくこの作品の主題なのですから。
多少普通の波乱を含んではおりますので、 まだこの巻までは普通の少女漫画であると 強弁できるでしょう。 かなり危ういバランスではありますが、 この時までは確かに友情しかなかったの ですから。
余り顧みられていない感がありますが、 BL初期の佳作として挙げられてもおかしくは ないのではないかと評者が愚考する作品です。 登場人物総当たり戦ではないという部分で 傾向をお察し戴きたく。 現在ならば恐らく然るべき専門誌に収録された のでしょう。 同時収録の「ピーターパン・ランナウェイ」は 別単行本の表題作「You Give Love A Badname」に 呼応する内容です…
表題作はタイトルで既にネタバレになっている 感もございます。 思春期に発生した一瞬のボタンの掛け違いを 残酷に、そして鮮やかに展開させた物語です。 併録作の前者は言うなれば片思いへの自問自答。 そして後者は劣情の中に紛れた真意の物語。 収録作はいずれも発行から五年程遡って紡がれた ものですが、色褪せるどころか一層鮮やかに 煌いています。きっと瞬間が記録されたのでしょう。
表題作シリーズはぶっちゃけて言いますと ナマモノ二次創作を基盤にした創作です。 あの人ですよねと確信された方の直感は 正しいでしょう。 その直感は同人誌より採録された短編二編に よって確実に裏付けられる筈です。 同人誌からの再録分には一切誤魔化しの 為の加筆がございませんから。 資料として読み返した筈が作中からはみ出る アッケラカンとした愛着につい共感してしまう、 そう言う…