黒沢要さんのレビュー一覧

ねえ、触らないの? コミック

黒沢要 

穏やかで落ち着いた話

大きな盛り上がりはなく、きっとなんてことない話なんだけど、絵の雰囲気と言葉のセンスがさすがとしか言えず、いつ読んでも好きだなあと思える作者だと再確認した。
平気な顔して平気じゃない、感情なんかない顔をして誰かを愛してる、読んでいるこちら側にもなにも察せない(わたしが鈍いだけかもしれない)からこそ、風船が割れるように感情が表情、言動にあふれた瞬間のコマにたまらなくなる。
やきもちをやいたり、些細…

2

お医者さんのお引っ越し 小説

椹野道流  黒沢要 

終の棲家づくりを通して、深く寄り添っていく二人が素敵

人生のビッグイベントは数々ありますが、パートナーと過ごす家を建てるのは最大級のイベントではないでしょうか。二人の好みや何を大切にするかなど、様々な場面で歩み寄りや妥協が必要になり、本当に一緒にやっていけるかが試されるからです。九条と甫は、家に求めるものは実用性が第一という点で一致していましたが、一人分しか作れない書斎スペースを九条が甫に譲ろうとしたことで揉めてしまいます。

今は甫の弟・遥がパ…

0

お花屋さんに救急箱 小説

椹野道流  黒沢要 

一歩ずつ確かめるように関係を深める二人が、とてもいい

表題作「お花屋さんに救急箱」を読んで、おや?と思いました。作中に救急箱は一度も登場しませんし、花屋の九条を医者の甫が手当てするような場面もありません。うーん…と考えて、思い至ったのは、救急箱で手当てするのは深刻ではない軽いけがということ。甫は九条を想うがゆえに、昔のバンドの相方とやり直すよう勧めて、九条の心を傷つけてしまいます。でも、そんな九条を癒したのも甫の不器用で正直な告白。二人にとって、終わ…

1

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

なんか痛い青春

「彼岸の赤」だったかを読んで、おセンチな感じが苦手だなあと思った印象のままの作家さん。何年か経ったので、まとめ買いしていた積ん読を消化しようと手に取りました。

後書きを読んで気づきましたが、こちらがデビュー作なのですね。やはり、と思うようなところがありました。
基本的には、青春の高校生同士の甘酸っぱい恋が書きたいのだと思うのですが、それを表現するために二人を犯罪に巻き込ませ、何度も同じ説明…

4

お医者さんにガーベラ 小説

椹野道流  黒沢要 

甘えるのも勇気が要るんです

周りに厳しすぎて孤立してしまった医者の甫(はじめ)と、病院に出入りする花屋の九条。二人の恋のお話です。

甫に共感しながら読みました。
自分にも他人にも厳しい甫は、努力家なのでしょう。「頑張って認められたい」という気持ちが強すぎて、弱音を吐くことも甘えることも知らずにきてしまいました。私も昔はそうでしたので、甫の気持ちが分かるような気がします。甫はとても不器用なのですね。

そんな甫が、…

3

水の春 コミック

黒沢要 

お父さんの愛しい日々に萌え

「水の春」
秘密を抱える春原。

父と恋人との三人暮らしがバレて父と恋人を傷つけたくない春原は目立たないように優等生の仮面を被っていた。
クラスメイトの四ノ宮は春原の猫被りを見抜いて好きだと、ずっと話したかったと言ってきて。

春原に合わせて学校では話しかけず外で二人静かな時間を過ごします。
春原は四ノ宮を好きだけど家族愛だと言いましたがいつしか恋へ。

高校生同士の爽やかな恋物…

0

イエスタデイをかぞえて 小説

綾ちはる  黒沢要 

私の原点です

私がBL小説で初めて手にした小説です。実はファンタジーはあまり好まないのですがこれははまりました。なんども読み返して泣きました。この小説のおかげでBLの世界にいざなわれました。

3

お医者さんと春の嵐 コミコミスタジオ特典書き下ろしSSペーパー 日曜日の朝に グッズ

貴方にためにできる事

本品は『お医者さんと春の嵐』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。

九条家でのある日曜日のお話です。

甫は仕事が嫌いではありませんが
早起きは大嫌いです。

平日はアラームで叩き起こされるので
ごく自然に瞼が開いて
心地よく穏やかに起きられる
日曜日の朝は爽快です。

しかも今日は寝起きがよくて
休日でも早く起きる九条が傍らで
まだ静かな寝息を立てて…

0

お医者さんと春の嵐 小説

椹野道流  黒沢要 

大切な人だからこそ

本シリーズは
元ミュージシャンの花屋店主と
元整形外科医のリハビリ科臨床教授のお話です。

リハビリ科に配属された理学療法士によって
投げかけた波紋が巻き起こす騒動について。

受様は大学付属の病院の
リハビリテーション科長です。

リハビリテーション科は
整形外科の附属部署扱いで
今までの受様は講師でしたが
春から臨床教授という肩書きになり
責任とともに仕事も増えます…

3

お医者さんと春の嵐 小説

椹野道流  黒沢要 

あふれた想いが、嵐を吹き飛ばしたみたいです

椹野さんの作品、初読みでした。
タイトルの「お医者さん」と椹野さんの監察医というプロフィールに、大変興味を惹かれ、本作品を手に取りました。表紙イラストの優しい色彩と、表紙のメルヘンバージョン?の口絵イラストも、微笑ましいです。

読み始めて気付いたのですが、こちらはシリーズものだったのですね!
登場人物たちのこれまでのいきさつがさりげなく織り込まれていて、不明な点なく、楽しんで読むことがで…

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