黒沢要さんのレビュー一覧

水の春 コミック

黒沢要 

透明感のある良作

タイトルが「困った時の季語頼み」とあとがきでおっしゃっていたのですが、
それが凄くぴったりきていて素敵でした。
漫画に表れないどうでもいい設定に時間をかけてしまうらしく、
おちゃめな作家さんだと思いました。(死語)

一読目はセリフが少ないせいもあり、さらーっと読んでしまいましたが
二読目からは隅々まで楽しみました。
背景やら小物やら、指の先まで。(変態?)
丁寧に描かれていて、と…

6

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

愛の行く先を見送るもの

作者さんの初の単行本。
これを読み終わった後、ひたすらに自分の気持ちは主人公達を見届けた若田の気持ちになり、まるで千夏が集めたボルトが一個、胸に埋め込まれたような感覚になりました。

実際に四国で起きた鉄塔倒壊事件、自分的にはその後のカルト集団事件に関連したもののほうが印象に残っていたのですが、その事件を題材にここまで物語を構想できる作者さんに素晴らしいと思いました。
場所が四国だけに霊場…

3

水の春 コミック

黒沢要 

静かな物語。

とても静かなお話でした。


セリフが少なかったり、
絵が綺麗でそちらに気を取られ一瞬状況が飲み込めなかったり(これは私の理解力不足ですが)
しましたが。



春原は何故、父と関係を持ってるという嘘をついたのか、ちょっと謎でした。

その関係が本当にあったら、切ないけど
四ノ宮(攻)と春原(受)のお互いに対する想いだけの話になっていたかもです。

そこはあえて違ってい…

6

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

幸せの形

もしもあの事件の裏にこんな真実が隠されていたら・・・
なんてかなり本格的なミステリーですっかり惹きこまれてしまいました。
坂出市の事件をモチーフにしているお話みたいで、読む進めるうちに事件を思いだし
ました、不思議な倒壊事件だったので未だに記憶に残ってました。

千夏と蒼司は高校3年で同級生の親友同士、千夏は幸せになりたいと運命の女性が
現われるのを待っているような感じで、今までも何人…

4

水の春 コミック

黒沢要 

風にレースのカーテンがはためいてピアノの音が聞こえてくるような・・・

「お医者さんにガーベラ」とか「働くお兄さん日誌」とかの小説の挿絵で優しい感じの絵柄がとても印象的だった作家さんの初単行本になります。
お話も、その絵柄をそのまま生かしたような何だか透明感あふれる少年時代といった恋と、純粋で一途な大人の恋、というお話のイメージにぴったりの登場人物達でした。
少し、画面が白っぽいのが気になりますが、決して見づらくはありません。
読後感としては雰囲気が心地良い、そ…

4

働くおにいさん日誌 小説

椹野道流  黒沢要 

新感覚な書籍です

「お医者さんにガーベラ」「お花屋さんに救急箱」の         
変わった形の続編になります。                  
主人公たち4人が個人ブログで日々の細々した出来事を
報告しあう、まさにタイトル通りの「働くおにいさん日誌」      
既刊の主人公たちのその後のエピソードが垣間見える         
ほのぼのとした1冊になっていました。               

1

お花屋さんに救急箱 小説

椹野道流  黒沢要 

続編で思いが形に

続編も柔らかい雰囲気のままでいいですね。         
前作では攻め様の年齢に見合っていない冷静さと
包容力みたいなものが前面に出ていましたが、            
続編ではやっぱり年相応の感情の発露が垣間見えて
なんとなくしっくりした感じがしました。             
そして受け様が年上らしく攻め様を変な方向性で
道を指し示そうとしている姿は真面目な受け様の
相手を…

2

お医者さんにガーベラ 小説

椹野道流  黒沢要 

年下に見えない攻め様

椹野道流先生の作品の中でもほのぼの系の作品ではないかと思います。
主人公の心理描写が些細な部分まで分かりやすくて読みやすいです。
                                 
この作品は受け様が年上のお医者さまでそれも珍しい程
無愛想で一見冷徹クールに見えてしますとても不器用な人。
そんな誰にも甘える事が出来ない環境で育った受け様。
その受け様を8歳も年下の花屋の…

3

働くおにいさん日誌 小説

椹野道流  黒沢要 

交換日記風ブログ

本作は出版元レーベルのHP企画で
椹野さんがほぼ毎日更新していた
「働くおにいさんブログ」を大幅に加筆修正して
書き下ろしの短編をつけてまとめた1冊になります。

最初は約1年間分、
『お医者さんにガーベラ』『お花屋さんに救急箱』の
2組のカプ4人がそれぞれの視線で
日常のあれこれをブログにアップするという形で
進んでいきます。

形式が形式なので絡み場面は全く有りませんが

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お花屋さんに救急箱 小説

椹野道流  黒沢要 

ほんわか

全体的にほんわかとした、可愛らしいお話でした。

表題作は、お試し中の恋人、大野木(受)と九条(攻)のもとに、九条の昔の想い人・冬洲がやってきてどうしましょうというお話。
こちらはちょっと、冬洲の諦めが良さすぎるかなぁ?とも思ったんですが、2人がラブラブになるにはさほど重要じゃないのかなぁということでとりあえず納得。
2人のエチシーンは攻め様の九条が萌えました…。
丁寧なエロさ。ツボでし…

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