黒沢要さんのレビュー一覧

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

架空のルポルタージュ

1998年、香川県で起きた鉄塔倒壊事件。あの事件の裏にこんなドラマがあったら…という仮定のもと描かれるミステリー仕立てのお話で、かなり読ませます。

私の二月は、三日足りない…という台詞が意味深な2013年の冒頭。
そこから始まる15年前の物語。
家族の死とともに姿をくらました少年と、
鉄塔からボルトを抜き取り、黙々とある場所へ運ぶ少年。
ある事件に巻き込まれた二人の運命と、互いを救い…

8

お医者さんにガーベラ 小説

椹野道流  黒沢要 

甘やかす権利と甘やかされる義務

受主人公の事がぐっときてしまって、涙ながらよんでしまったー。
恋愛にたいして切ないんではなく、主人公が人間として切なくて、最初の下りから苦しくて泣けてきた!
誰にでもこんな気持ちは時としてあるけど、まあだいたいが独りで解決するしかないなかで、BLはファンタジーだからね、救世主が現れるわけです。攻め主人公はできすぎくんのきらいはあるけど、かっこいい。エスパーか、ってくらい口に出せない思いを汲み取…

4

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

BLの域を越えた一冊


新書二段………開いた瞬間に掻き立てられました。
あ、これは、やられるなと。もちろん不確かな直感ですが。

まさかこんなに重い話だとは思ってませんでした。BLを読んでいることすら忘れそうになるくらい作品に引き込まれました。

登場人物の感情が苦しいほどにわかりやすく描かれているし、若田のキャラクターもいい。死を間近にして事件に巻き込まれながら愛情が恋情に近しいものだと気づく千夏。ずっと…

4

働くおにいさん日誌 小説

椹野道流  黒沢要 

ブログという試み

お医者さんにガーベラ」「お花屋さんに救急箱」のキャラクターが4人でブログを書いたら・・・。
すごく、ほのぼのです♪
何気ない日常が綴られています。
書き下ろし番外編は、年越しと初詣。大野木甫先生、可愛すぎる(笑)

1

お花屋さんに救急箱 小説

椹野道流  黒沢要 

お花屋さんが好きです

「お医者さんにガーベラ」の続編。
今回は、お花屋さんの夕焼の過去がかいま見えるお話でした。
夕焼の元思い人、冬州の登場に動揺しつつも夕焼ためになるならと身をひこうとする甫。
相変わらず不器用な甫と今回はちょっと余裕がなくなっていた夕焼を取りまとめたのは冬州でした。意外といい人?(笑)
表題作の他に遥と知彦の出会い編「意地っ張りのベイカー」4人でご飯「円卓の医師」違うようでよく似た兄弟の甫と…

2

お医者さんにガーベラ 小説

椹野道流  黒沢要 

優しい1冊

不器用で言葉足らずな大野木甫(お医者さん)と九条夕焼(お花屋さん)と甫の弟、遥(パン屋さん)と甫の同僚?部下?で遥の恋人、知彦(理学療法士)のお話。
長い間積みましたが読み始めたら一気に読めました♪ 
甫って真面目で、不器用で、言葉足らずで、半分、自業自得じゃない?っと思うようなところもあったけどズタボロになったときは本当に可哀想でした。
お花屋さんの夕焼、始めは、うさんくさい感じもありまし…

2

銀の眼鏡(表題作 1 梅枝さんが秋なのにこの世の春を謳歌するお話。) グッズ

椹野ワールド全開

椹野道流先生のデビュー15周年を記念した応募者全員サービス小冊子です。二見書房とプランタン出版の合同企画で、こちらはプランタン出版の小冊子「銀の眼鏡」となります。

お話は二部構成。

1話目は『梅枝さんが秋なのにこの世の春を謳歌するお話。』
「きみのハートに刻印を」のカップル、梅枝と草太がK医科大学の学祭に行くお話です。二人が訪れたのは出店「まんぷくせりざわカレー」。店名から分かる通り…

1

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

冷えた世界で揺れる言葉が圧倒的な迫力

ある種、幻想的な作品、といったらいいのか。
四国の田舎で起きる唐突な事件、それにたった一人で向かう青年。
そしてそれを苦々しくも甘い思いで見つめる元・新聞記者。

およそ現実的ではないシチュエーションの数々なんですが、
無機質な鉄塔と、切ないほどの思いの対比が素晴らしい。
なんか映画でこういうのあったよなぁ~…と思わせる。

四国の片田舎で、高校生・蒼司は謎の集団に捕えられ、監禁さ…

5

水の春 コミック

黒沢要 

タイトルがぴったり

「水の春」というタイトルがぴったりの、初々しくキラキラしたお話。

高校生のお話なんだから、このくらい青臭くって、焦れったくって、回りくどくって、そして淡い関係なところがとてもいい。
白っぽい繊細な絵も、落ち着いた感じで素敵。
絵は好みのタイプだけど、強いて言えば、黒髪の子は、なるべくならどのコマでも終始一貫して黒髪でいて欲しい、かな。
効果として、黒ベタの髪だと濃すぎるって判断でトーン…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

待望の大型新人、ついに登場!!

 「この作品を書くために小説家になった。」という言葉を時々目にしますが、一作目にして、この作者のこの作品への熱い思いが全編から感じられ。

 読後は、「久しぶりにいい小説よんだなあ…」という充足感でいっぱいになりました。
 五條瑛さんの『プラチナビーズ』の雰囲気が少しあります。
 BL小説というよりはJUNE小説に近い気がします。
 だからなんでしょうか。新作なのに懐かしく。けれど、今ま…

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