梨とりこさんのレビュー一覧

「青、八号キャンバス」ショコラ文庫「彼は死者の声を聞く」特製ペーパー グッズ

ツンデレ彼氏に

ヤンデレワンコ?

両面印刷で2枚と、オマケペーパーSSとしては、割合長め。
本編中で、斎木が実家で父親から貰ってきた、あの神成の絵が登場するお話。

本編で、かなりな壊れヤンデレキャラを展開していた神成、
このお話からも、斎木に対する異常なほどの執着ぶりが充分伝わってきます。
それでも、まだまだこれくらいなら、かわいげのあるヤンデレワンコ。
斎木もここでは、ちょっと意地っ張りなツ…

0

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

盛りだくさん

文庫にしては、ずっしりとした厚みで、お話もいろいろと重い要素盛りだくさん。

この、渾身の盛り込み度に、読んでいて途中からちょっと引き気味になってしまった。
お話の構造としては、これがあれでこうなったのはこうだったからそうなってもしょうがないし、それがアレしたらこうなって最後にはこうなったのねって、この盛りだくさん具合に納得はいくし、読んでいる時のドキドキハラハラはなかなかな物だけど、最終的…

2

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

生き抜くことができて良かった

ここまでやるかという、いつ誰が死んでもおかしくないような展開の中、誰も死ななかったのが奇跡。
敵対する相手(惣一)の甘さと運の悪さ、良太と路彦を助けた医療の素晴らしさに乾杯。
路彦は、中学生の頃がリアリティがあって弱さも狡さもうまく描かれていたけれど全て読み終えると信二にあそこまで傾くという部分において現実感がなかった。
物語は、路彦から始まったけれど路彦の目を借りて見た信二の物語だったよう…

2

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

リアルな現実を突きつけられるような気がした

中学生の路彦をとりまく「いじめ」の環境がリアルだなと思った。
今の義務教育の現場で普通にある話なんじゃないかと思うと憂鬱になる。
「あんたみたいな大人がいる限り、何人も子供が死ぬよ」路彦の言葉がすごく印象的だった。
じゃあ、どうしたら良いんだ・・・というところは、するっと流して話は違う方向へ。
信二が死んでしまったと思っていた路彦だったけど実際は助かっていて二人はまた出会い交流が始まるあた…

1

「青、八号キャンバス」ショコラ文庫「彼は死者の声を聞く」特製ペーパー グッズ

神成が見えた気がします。

本編の二人が付き合い出した後の「restart」も素敵でしたが、このペーパーも本に入れた方が、神成の好感度が上がったような気がします~(^▽^;)(笑)お話は受け視点です。

--(以下ネタバレ含みます)--
本編で出てきた「青い絵」ですが、静寂な雰囲気なのに、どこかいびつで、綺麗でいて、心を乱す何かがそこに存在している。神成の部屋で絵の詳細を描かれている時、何となくそうではないかと思ってい…

3

濡れ男 小説

中原一也  梨とりこ 

「あかんて……」

去年久々に中原さんが個人的にヒットだったので
おのずと期待値が上がってしまっていたせいか
「…あれ」になってしまいました;

岸尾の、誰が見ても隙のない“デキる男系”が
大学からの友人・楢崎に片想いとか
なかなか切ないじゃないの…と思いながらも
ちょっと急展開過ぎるような気がもしましたし
50過ぎのゲイ疑惑の教授との関係を疑ったからと言って
強引過ぎやしませんか??と…。
確…

3

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

本の厚みも重かったけど、話も・・・

個人的に心がときめくような甘~い萌えは、感じられませんでした。でも購入して良かったです。序場、中盤は背中に刃物で刺され抉られるような感覚で、苦しい。終盤、アトリエの中の姉との話は号泣しました。優しくて優しくてとても悲しい。

救われたかと聞かれれば、「自分が求めている救いが何だったのか。自分にはわからなくなった」と答えると思います。でも・・・この本、大切にします。モナストラルブルーに触れてみた…

8

「青、八号キャンバス」ショコラ文庫「彼は死者の声を聞く」特製ペーパー グッズ

ふっと何かが溶けるような・・・

普通おまけのSSって用紙片面分が普通ですが、縮小したとしてもびっしり両面分に値する4Pは、とても価値観のあるペーパーだと思います(佐田さん!太っ腹)
そして内容のほうも、ちょっとした後日の甘甘、、、
という軽いモノではなくて、本編の余韻をそのまま持ち込んで甘いけれどその中に緊張感が走るような、そんな本編の終わりに付いていても良いようなSSが仕上がっていました。

お話はもちろん本編後。

2

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

人間は弱いよね。

この作品は好き嫌いがはっきり分かれる作品ではないかと個人的には感じます。
痛い、辛い、苦しい、怖い、様々な負の感情がこの1冊に凝縮されている。
ラストに行くまでのどうだと言わんばかりの感情が溢れ出るような作品で、
軽めで心が浮き立つような作品を好まれる方にはちょっと辛いのではなかろうか?

そして私も後者の部類に入る典型だから、作品自体は凄いなと思っていても
この作品に心を揺さぶられる…

9

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーなのにリアルが迫ってくる

BLにして京極夏彦の文庫並みの分厚さ!
読むのに苦労するのではないかと一瞬不安に思うも、それは杞憂でありあっという間に読み終えていました。
そのくらい吸引力のあるお話です。
もう最初から、硝子を爪でひっかいた音を聞かされているような、ヤスリで身体を削られているような、そんな痛みを感じながら、もう堪忍してー!許してー!とこちらが叫び出したくなるような苦しみを感じます。
しかも、その苦しみが歪…

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