梨とりこさんのレビュー一覧

神の囲い人 小説

沙野風結子  梨とりこ 

オムニバスであり、一つの物語でもある

ガイゼル帝国に制圧されていくラカン神国ーーその混沌の数ヶ月間を3組のカップルの視点から描いています。オムニバスであり、一つの物語でもある、なんとも不思議で爽快な作品でした。お話も然ることながらアイディアが素晴らしいと思います。

そして、色々なキーワードに「重くて暗いお話なのでは…」と躊躇している皆さんにお伝えしたい!重い・暗い場面も一部確かにありますが、それだけではないので、安心して萌えるつ…

2

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

情に飢えた苛められっ子と下っ端ヤクザの傷の舐め合い


あらすじは他のお姉様方のレビューを参考にお願いします。私は特に印象的だったポイントをあげたいと思います。
まず、この本の魅力はずばり表紙だと思います。実はこれ、上下でくっつけると一つの龍の絵になるのです。そして、上下で変化する路彦と山田の関係が如実に表現されています。上では、まだ幼い路彦に手を差し伸べる山田が描かれています。一方、下になると路彦が大人になり、山田の方が逆に守られる立場になりま…

5

夜明けの奇想曲 渇命 書き下ろし特別ペーパー グッズ

甘い目覚め

本編のあれやこれやがあっての、ようやく二人の気持ちが通じ合い、落ち着いて一緒に暮らすようになった二人の、あるオフの日の朝のお話です。
いつもなら、達幸の作る朝食の香りで目を覚ます明良だが、珍しく達幸より先に目覚めて、そっとベッドから降りようとしますが、腕の中から明良がいなくなるとたちまち哀しげにうなされ始める達幸を見て、明良は達幸に母性とも言える愛しさを感じます。
ベッドから抜け出るのをあきら…

0

ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

まさにタイトルどおり

走馬灯か!ナルホドナ(*・∀・)な一冊。
お話自体がまるで走馬灯を見ているかのような作品でしたね。
現在から過去。それから今に至るまでの流れ。
そして現在に戻る。
艶が見た走馬灯を読まされているかのような作品でした。

小さいころに出会った永見とのお話。
一人だった自分と一人だった永見。
お互いを埋めあうように一緒にいて、
好きだと告白されたのもうれしかった。
でも唯一間違った…

2

禁断症状 小説

紗名マリエ  梨とりこ 

触手小説

主人公の智史は毎晩謎の触手に犯される夢に悩まされる、という不思議系のお話です。
内容は触手に犯されるシーンと、同居中の年上の従兄弟、聖也とのベッドシーンが交互に繰り広げられて、ストーリーよりえろメインな作品でした。

同居中の聖也はゲイで、淫夢に悩まされ憔悴する智史を救おうとしてくれますが、この夢の原因を知ってるようなそぶりを見せます。
くっつくのがわりと早くて、お互いがお互いをすごく大事…

3

祈り 小説

綺月陣  梨とりこ 

ハードですがチャレンジして欲しい

1冊丸ごと表題作です。来栖薫(受け)の目線で進んでいきます。

大曽根×来栖ですが、来栖は元恋人・井原とセックスを何度もします(むしろそちらがメイン)。他の男にも陵辱され、人前プレイもあります。恥ずかしいけど感じちゃう、というSMチックな甘いものでなく、辛く厳しいものなので、苦手な方はご注意ください。

293ページとちょっとした厚さですが、薫の身に降りかかる出来事が悲惨で、ぐいぐいと引き…

2

恋―La saison d’amour 小説

  梨とりこ 

BLはファンタジー!

とはよく言ったもので…

お話の一番最後のセックスは、何と前戯ナシという大暴挙でしたΣ(-∀-;)
いくらなんでもやりすぎですよ~\(+_<)/ケガしちゃう…orz
そういう超ファンタジーがラブシーンの流れを壊さず綺麗で好き、という人もいるかもしれませんが、
私は思わず「オイオイ…入らないって。ゲイビ男優だってめっちゃ馴らしても、ちょっと苦しそうだよ…ケガするって…焦」と突っ込みを…

1

ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

めちゃくちゃ切なかった

一気読みでした。
それもこれも冒頭の書きだしがとても気になる内容で、「これは一体どういうことなんだろう」と最後まで本を閉じることができませんでした。
そして幼少期から始まる苦しいまでの切なさ。
鎧をまとい続ける受けと、本音を隠すことが巧みな攻めの人物像がすれ違いの切なさをより引き立てていたと思います。

受けの艶(えん)はただ不憫というのではなく、不憫が生んだ歪みが描かれています。
大…

9

熱情連鎖 小説

夜光花  梨とりこ 

寝るのがちょっぴり怖くなるオカルト作品

電子書籍で特別版を購入。
「熱情連鎖」とその後を描いた非売品配布ペーパーの書き下ろしSS「昼休み」が収録されています。

かなり好みでした。
読後感は、BLではなくホラーです。
オカルトです。
3Pモノです。
最近知った自分の地雷の二輪挿しが出てこなくて良かった。
あ、別の二輪挿しなら出てきたけど………。
攻めの二人の嫉妬、受けの葛藤などがちゃんと描かれていてよかった。
3Pモ…

4

泣かせて、おしえて 小説

義月粧子  梨とりこ 

期待していた切なさがないのが残念

設定がとても萌えるんですが、そんな萌え萌えな設定をもっと生かしてほしかったです。
攻めが服飾メーカーの跡継ぎで受けが服飾専門学校の学生だったら、ストーリーはその攻めの会社で起きるのかなと期待していたけど、なんとずっと受けは病院で研修しているし、デザインの仕事で攻めと受けの絡みもあまりなかったのがとても残念です。なんかせっかくの攻めの設定がもったいなくて、もっと攻めの仕事のできる姿をみたいです。

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