井上ナヲさんのレビュー一覧

きみのはなし、 小説

朝丘戻  井上ナヲ 

ミニシアター系映画のような

「きみのはなし、」「ふたりのはなし。」は上下巻扱いです。ご注意を。
以下上下巻合わせての感想です。

朝丘さん初読み。
攻受ふたりとも、霞を食べて生きてそうなキャラ。

たとえるなら単館・ミニシアター系の映画みたいな雰囲気。日常淡々系。
単館系映画同様、好きな人は「大好き!」、苦手な人は苦手だろうな、と思います。

私はと言えば…
この丁寧さは嫌いじゃない、でもこの本を好きかと…

5

捨て猫の家 コミック

井上ナヲ 

まるで詩のような静かな物語。

タイトルのとおり、「家」がコンセプトになっているお話です。迎える場所であり、共に帰る場所であり、暖かい場所でもあり、誰かを招待する場所。

外国が舞台の孤独のヴァンパイア(エド)と何となくという理由で拾われた少年(フィル)との物語。
独特の繊細で美しい雰囲気の中、登場人物も台詞も少なく、設定についても多くを語られない為、他の方のレビューを読んで発見する部分も多々ありました。(ありがたいです。…

2

捨て猫の家 コミック

井上ナヲ 

黒が漆黒

猫というタイトルにひかれ購入

イラストは表紙から見てもわかるように
たぶん馴染めないと思いました
実際なじめなかったです

ですが、物語がしっかりしていたため
読み終わる頃には慣れましたし
黒がきついと思っていたけど深いと思えるほどになりました

吸血鬼の少年ですので
血を吸いますし返り血を浴びたりします
ファンタジーな描写じゃないだけに
引き込まれました

そうで…

1

きみのはなし、 小説

朝丘戻  井上ナヲ 

透きとおるようにあたたかく。

静かで、すこし揺れてまた静かになって、まるで鼓動の様な雰囲気です。
表紙の、温かみのある雰囲気と透明感がみごとに作風にあっています。

職業ややりとり、好きな食べ物やカラオケでの歌のチョイスなど、とても親近感が湧く要素がちりばめられています。どこかにこういう人いるかも、と思うかもしれません。

淡々としていつつも二人の心情を丁寧に描き、すこしずつ二人の気持ちが寄り添っていくのを描き出す作…

2

雨音の唄 コミック

井上ナヲ 

雨のように静かな物語

 このコミックは、3つの短編作品とその後日談で計6つの話を収録しています。
   
『片靴下の男』

 いつも些細な不幸がつきまとう伊藤ですが、隣に蒼井が越してきてから、幸運が訪れるようになるという何とも典型的な話です。感情を表す台詞や行動、モノローグ等が極端に少ないせいか、ストーリー自体がよく飲み込めないまま、伊藤が蒼井にキスしてしまうシーンに。何だか唐突で、「えっ?」という印象しか…

2

空の出会う場所で コミック

井上ナヲ 

雰囲気を楽しむ

ものすごーく繊細な絵を描く作家さんです。
私の好きな無愛想キャラもよく出てきます。

ザックリいえば、無愛想な訳あり青年が、訳あり少年を拾って同居する話。

今回の作品は『捨て猫の家』とどこか似通っているところがあるので、
このシチュが好きなのでしょうね。

モノトーンでスタイリッシュなイラストを眺めるのは楽しいです。
行間を読むようなコマ割り描写もハイセンスですばらしい。

2

空の出会う場所で コミック

井上ナヲ 

人らしく生きるということ

戸籍も名前もない遺体処理を生業とする男が、仕事先で出会い強引についてきてそのまま居座ってしまった少年に名前を付けてもらい、初めて人間として生きている生活を実感するお話。
ともすると、作者さんの初単行本「捨て猫の家」の、寄る辺のない二人が寄り添って生きて行くという点で似ているかもしれません。
起点に帰った感じの作品ですが、この雰囲気はとても好きです。

その男が遺体を3体処理して欲しいと言う…

6

恋の果てには 小説

杏野朝水  井上ナヲ 

大事にしたいから傷つける

なかなかに複雑な攻め様でしたね、それを受け止める受け様は一途で健気です。
初めて出会った時、受け様は17歳、攻め様は27才、受け様は一目ぼれ状態で
直後失恋してしまうことに、その出会いは姉の婚約者としてだったから・・・
それから攻め様は受け様の義兄になるのですが、受け様はそれでも好きだった。
そして、3年後姉夫婦が離婚をすることになり、受け様は最初で最後だからと
思いを打ち明け受け止めら…

2

恋の果てには 小説

杏野朝水  井上ナヲ 

病んでる攻めです

杏野さん作品、多分読むのは3作品目だとおもうのですが、それらは割と攻めが酷いというか痛い感じの作品だったような記憶がありますが、またまた!とってもネガティブな痛い攻めでありました。
ちょっと暗めの展開です。
希望はなかなか見えて来なくて、もう、どうしてくれようぞ、こんな攻めいい加減さっぱりと切ってしまえよ、何とかならんのか?と主人公の受けと一緒に悩みながら、この展開の行き付く先が気になって、理…

3

雨音の唄 コミック

井上ナヲ 

アマネノウタ

井上ナヲさん2冊目の単行本です。
白と黒のモノトーンの独特の雰囲気は以前と変わらず、今回はどの作品もしっとりとゆっくり時間をかけて紡がれていく恋を感じました。

3つのシリーズ、どれも好きだったんですが、特に印象に残ったのは表題作ですね。
この作品のみ、年下の攻めが割と積極的で(笑)。
日本家屋と雨が作中に度々描かれているのですが、井上さんの切り絵のような画面がとても似合っている気がして…

2
PAGE TOP