一穂ミチさんのレビュー一覧

ちょうちょ結び 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

着物と、スーツと。

美夏の初恋に、自分の気持ちを重ねてみる志緒。
自分にとっては桂こそが初恋で、
片想いだからこそのドキドキを楽しむ余裕も無かった事を
勿体なく思います。
他の人ならきっと一生の内何度も経験出来るかもしれないけれど
志緒は桂しか見えないし、いらないのだから…。

教授のシンポジウムの手伝いでスーツに身を包み、
ホテルでせわしなく働いていたのに
大学の時のゼミの先生と会うと言っていた着…

5

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

再読して…

冬コミの新刊で、is in you + off you go の番外編を読んだのを機に、再読してみた。
最初に読んだ時より、どんどん好きになる!
それは、一穂先生の処女作「雪よ林檎の香のごとく」も同じ。

何よりすごいと思うのは、スピンオフや番外編で本編に描かれなかった隙間が埋まってきて尚、
人物像やエピソードにブレがみられないこと。
ただイチャイチャしているような番外同人誌もなくはな…

17

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

余韻がいい

『is in you』は高校時代と社会人になってからの二部構成になっています。

この本の良さはいろいろありますが、まずはキャラクターが薄っぺらくないところです。一束は芯のところで純粋な人だと思うのですが、自分のこれまでの環境やコンプレックスなどからなかなか心を開く事ができません。社会人になって人見知りだったりするところは緩和された感がありますが、芯のところは変わらず、彼の繊細な心やちょっと難…

8

シュガーギルド 小説

一穂ミチ  小椋ムク 

受視点の話も欲しかった

一穂さんの小説は独特の雰囲気があっていいです。
色で言ったら白だと思います。
シュガーギルドも正にそんな感じでした。

全編、攻視点で年を計算すると38才位の課長さんです。
8年前に偶然知り合い一晩だけ共にした和に自分の部下として再会して
気になっていって...というお話。

和の8年前の柔らかい印象と現在の硬い印象がちょっと違和感があったかな。
頑なになってしまったのは攻のせい…

2

meet,again. 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

meet, again

この愛はプラトニック・ラブだったと思いました。

『愛の起源』を話したと言われているプラトンは同性愛者で『プラトニックラブ』の語源であり、またその言葉は同性同士の愛のことと書いてある記述を読んだことがあります。
同性愛は肉体関係の持てない愛だからだとか…いや、ま、持てますけどね(笑)
私は肉体関係のない恋愛が純粋な愛だとは思っていません。

例えば、がっつり肉体関係(笑)ですが、この主…

3

you belong to me 小説

一穂ミチ 

それぞれの想い

編集者シリーズ3カップルの短編集詰め合わせ。
この三作品は本当に大好きで、どうしても番外編が読みたくて(笑)
もう本当に大満足な同人誌でした。

西口と碧のカップルは、この中では唯一の年の差カップル。
真面目な碧と対照的に子供の様なオッサンの西口、この二人は本当に微笑ましいです。
『風味絶佳』はこの二人のある日の日常の様子。
相変わらずのエロオヤジな西口の冗談に、真面目に答える碧が可…

6

ワンダーフォーゲル 小説

一穂ミチ 

鳴かない事を学んだ二人

off you goは、新聞社三部作の中で、一番切ないと思います。
これは、その番外短編の贅沢な詰め合わせ。

遠い外国で、電話で十和子から良時の結婚式の報告を受ける密。
愛人と過ごしながらも、妻を通じて繋がる他人との距離を密は想う。
ワンダーフォーゲルは、たった2ページの短編に密の秘めた想いとやさしさが窺えます。

雛の心臓は、密が退院する少し前の十和子の話。
樹上の巣から落ちた…

2

HAVING YOU 小説

一穂ミチ 

その後とその前と

この新聞社三部作は大好きなシリーズなので、
番外編がどうしても読みたくて初めて同人誌を買いました!
で、結果は、読んで大正解&大満足。やっぱり好きです、この作品。

お話は二編で、after youは、本編の後日談。
本編では二人のエロエロラブラブなシーンは少なかったので、これは良かった(笑)

圭輔がマスコミの懇親会で、フィリピンパブを手配した事を、
たまたま会った同業者から聞い…

4

シュガーギルド 小説

一穂ミチ  小椋ムク 

軽妙で洒脱な『大人の会話』と初恋の初ういしさ

デビュー数年目にして、早くも安定感のある筆致を繰り出す一穂ミチ先生。
本作品の魅力は、会話のやりとりのテンポとその面白さに尽きます。

ストーリー的にはたった一度だけ寝た相手を追いかけて再び…といういわゆる再会モノ。
それだけでは凡庸もいいところなんですが、その出会いから再び愛を告白するまでの
会話がもう、とてつもないトリビアの嵐で異様に面白い!
無駄な知識ポイントが20ぐらい上がった…

6

2012 Autumn 小説

一穂ミチ 

陽の光の中、二人で歩こう!

「ムーンライトマイル」番外編、「小さな丸い好日」というお話。

大地の家に泊まって朝食までご馳走になった翌日。
(いや、あの、大地は家族と同居なので、健全なお泊まりだと思いますw)
昴が、家の中での大地の末っ子ぶりを鋭く冷静に指摘している前半。
こういう描写って、一穂さんの感性が発揮されている感じでいいんですよねー。

そして一転後半は、ふふふ。コスプレですよ!
でも健全なというか…

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