一穂ミチさんのレビュー一覧

my name is Red 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

赤い記憶

「雪よ林檎の香のごとく」の番外編。時間的には色々な、短いお話が入っています。
朱肉、紅玉、ナナカマド…と、赤をテーマにした短編集。
相変わらず小物の使い方が上手い!

志緒くんの、独特な鋭くて真っすぐな感性の魅力。
無自覚で熱烈でそして実はエロティズムに溢れたレポート=ラブレターに痺れました。
桂じゃなくても、やられちゃうよー。
二人の会話も相変わらずいい。

どうでもいいことで…

2

春情終夜 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

二十歳になっても志緒くんは志緒くん!

一穂ミチさんの清冽なデビュー作、「雪よ林檎の香のごとく」の番外編。
タイトルは、「しゅんじょうよもすがら」と読みます。

志緒の二十歳の誕生日を迎える少し前から当日の話。
妹の美夏(いつの間にやら幼稚園児、そしてmeet,againでは小学生になっているのよ〜)が
拾ってきた捨て猫の貰い主を探すのに、
相変わらず人間関係の狭い志緒がメールを送って頼んだのは、桂とりか(多分)。
職業柄…

2

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

佐伯密

この本読むに当たって、前作になる「is in you」に佐伯っていたっけ?
と、佐伯の事を全く思い出せなかったのですが、、、。
そして、佐伯の方が攻めだって、なんとなく思いこんじゃっていて、読んでいても良時のイメージが全然定まらない。

で、「is in you」を改めて読み直してみて、
「佐伯」と「密」。
理由はこれか!

「佐伯」は攻めで、「密」が受け。

「is in y…

5

come on you グッズ

血って

美味しいよね。

普段丈夫な人が弱っていると、なんだかテンション上がっちゃう。
それも、いつもなら自分が受けに回っている相手だったりすると、弱っているところを攻守交代、いけない穴につっこみたくなっちゃう。
そんな風に興奮して楽しそうな密を見て,良時は思うわけです。

これが可愛いって思う自分にうんざりだ、って。

お互いに40過ぎて、結婚も離婚も経験して、そしてようやくたどり着いた…

4

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

可愛らしいお話を読みたい方にはうってつけ

一穂ミチ先生の本はどれも優しい雰囲気で、今回もなんだか
ほっこりした気分になりました。
碧はとにかく大人しくて慎ましやかで可愛らしいです!
西口も優しく甘くてとてもいい中年だったと思います!
それだけではないのですが。
内容は結構出来事がとんとんと進んでいくイメージだったのですが、
一穂ミチ先生独特のゆったりとした空気が漂っていました。
二人がくっつくまでの間はなんだかちょっともどか…

5

窓の灯とおく 小説

一穂ミチ  穂波ゆきね 

生まれて初めての恋は

「街の灯ひとつ」に出てきた、蚕を飼っていた初鹿野の同僚の話。

遺伝子研究をしている築と、義肢を制作している新。
一穂先生の物語を魅力的にしていることの一つに、
この「仕事」というファクターがあると思う。
学生、先生、マスコミ勤務もいれば、商社マンもいる。
呑み屋を営む人もいるし、珍しいところでは、藍染めをしている人やガラス職人、
特殊清掃業(BL界には紀宵という先輩がいるけれど!)…

9

come on you グッズ

下品で、可愛くって

ルチル文庫創刊7周年記念フェア、書き下ろしSSカード。

「is in you」で当て馬として登場し、非常に印象的で魅力的なキャラだった佐伯。
その後の「off you go」では主役を張り、長年の良時への恋が成就!(拍手!)
そんな二人の、端から見たらイチャイチャじゃれているとしか見えない一コマ。

良時は親知らずを抜いたばかり、痛み止めもまだ効かず全身ぐったりしている。
弱ってい…

4

Saturday night paralysis 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

清いながらも色っぽい

志緒が成人を迎えます。おめでとう!

桂はあいかわらず飄々としていつつ、
表にはそんなに出さないだけで
志緒に夢中なんだなーっていうのがすごく嬉しい。
そんな桂に志緒はやきもきしたりするのも可愛い。

『サタデーナイトパラリシス』とは
橈骨神経麻痺、という症状らしいです。
腕枕をすると、なるんですって。うふ。
なかなか痺れが治らず、満足に右手が動かせない為
志緒は責任を感じて…

6

ワンダーフォーゲル 小説

一穂ミチ 

切なく愛おしい、彼らの人生

off you go の番外編5つ。
良時と佐伯の関係自体の話というより、色々な角度から彼らの人生が垣間みられ、
関係を立体的に浮かび上がらせる小さな物語達。

非常に独特で魅力的な人物、佐伯密。
表題にもなっている最初の「wandervogel」は、
いきなり佐伯がベルリンで浮気をしている話。
こんな嘘つきで前科がありまくりで真っ黒な彼の、
普段は見せないけれどその行動の裏側にい…

6

はるのうた 小説

一穂ミチ 

卒業の日に

一穂先生のデビュー作「雪よ林檎の香のごとく」の番外編で、
志緒の卒業式の前々日から当日の話。

たどたどしいピアノの音、淡々とした卒業式、写真のエピソード、
高校生という年齢にとって、卒業式ってこんな風に微妙な感じだよなぁ…
どうしてこんな繊細な心理を、さりげなく描写することができるんだろう…!

卒業式の後、図書室へ向かう志緒。
図書室は、桂が泣いているところを見かけ、言葉を交わ…

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