綺月陣さんのレビュー一覧

ホタル 小説

綺月陣  青海信濃 

もう一つの物語「あとがき」

神評価は「あとがき」に捧げてます。
まずはレビューを書かれていた方に感謝したい。皆さんのレビューを見なければ手に取らなかかったと思う。わりと早い段階で、佑にも孝輔にも逃げ場がなくなり、八方塞がりの状態に閉塞感を感じて息がつまりそうだった。それでもひたむきな佑と罪悪感に苛まれ続ける孝輔にはこの先、地獄しかないんじゃないかと思っていました。最終的にご都合主義じゃないか、とツッコみたくもあったが、いや…

2

龍と竜 ~虹の鱗~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

颯太、先は長いぞ

だいぶ颯太が成長しました。前作では、まだあまりに子どもすぎてね~。
今回は18歳にもなったし、身体としても成長したし。でも、まだまだ精神的に幼すぎて相手にならない感がありました。年の差カップルって難しいですね。
次郎も颯太を可愛がってはいるものの、まだまだ虜というには及ばないみたいで、私は颯太の力不足なのかな、と思いました。
相手は次郎、もっと頑張らないと可愛いだけでは夢中になってくれないと…

1

背徳のマリア 下 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

綺月作品のひとつの原点

表紙とタイトルがとても印象的で、ずっと気になっていた作品。
不妊治療問題+性転換問題+パラサイトイブ+BL=背徳のマリア。

上巻でモヤモヤしたものが下巻で少しは晴れた…かな・・・?というくらいの、もやもやな読後感です。

結局、結城も彰も壊れてしまった。
そばにいる安藤も圭介も、幸せなの????

無いものねだりだもんね。それをどこまで前向きに努力したってないものはない。二人とも…

8

背徳のマリア 上 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

BL+不妊治療

デビュー作というのはその作家の原点、というのは本当だなぁとつくづく。
善悪とか愛って何?子ども、家族、絆って何?という疑問が綺月さんの原点なのかなぁと思いました。

彰も結城も、自ら生み出した不安と恐怖から泥沼に落ちていってしまいます。正直上巻だけではモヤモヤとしてしまい、下巻を読まないことにはおさまらなくなってしまいました。

でもこの狂気こそが綺月作品の原点であり魅力だと思います。

5

龍と竜~銀の鱗~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

小悪魔颯太、がんばれ

すっかり大きくなった颯太の小悪魔っぷり!すごかったです。

会話だけ見ていると恋人同士のいちゃこらにしか見えないやり取りには、ニヤニヤが止まりませんでした。年下小悪魔に翻弄されるオヤジ最高です。
思えば次郎との初対面のときからすでに素質ありだったし、次郎はと言えば口移しする龍と颯太にドキドキしてたし。半裸で次郎の膝に乗って口移しをせがむシーンがよかったなぁ。ど
周りに寄ってたかって甘やかさ…

1

龍と竜~白露~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

いろんなシチュでエロ増量

今回は婚約までのお話でした。気持ちが通じた後なので、エロ増量。でも子連れなので、いいところで颯太乱入します。子どもって普段は朝までぐっすりなのにそういう時に限って不思議と起きてくるよね~、とそういうところは作者自身の経験からなのかなと思いました。

龍の生い立ちを知ったり、ヤクザのルールとはいえやきもちを焼いたり、竜城が自分の気持ちを一つずつ確かめていくようなエピソードが並んでいて、極妻への覚…

0

龍と竜 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

家族もの+ヤクザ→アットホーム

綺月作品というと痛いと思ってましたが、これは温かいお話でした。こういうお話もちゃんと面白くて、痛いお話が得意と言ってもそれしかないわけじゃないんだと思いました。
描写に過不足がなく、作者の思い入れが暴走しないから読みやすかったです。

子連れ物は苦手なんですが、弟ということもありこれは平気でした。颯太が健気でいい子だったからかも。家族団らんしているシーンはほほえましかったですし、恋よりも颯太…

1

銀の不死鳥 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

BLでない小説を読んだような読後感

綺月さんの作品ってどうしてこう面白いんだろう。私は大好きです。

エログロと言われるようですが、確かに要素として凌辱輪姦・カニバリズム・3P・暴力描写・解剖描写はありますが、一貫して愛の物語でした。
綺月作品の心理描写は切実なものがあり、狂気と紙一重とさえ感じますが、それがものすごく人間らしいと思うのです。

そして彼らの選択、物語の展開がすごい。逼迫した状況を乗り越えようとする選択がた…

7

ホタル 小説

綺月陣  青海信濃 

一つ一つの場面が端正で美しい

綺月作品を読むのはこれで4本目です。毎度痛く暗く切ないお話を描くのがうまいなぁと思います。真に迫っていて、とても軽く読み流してしまえるようなものではありません。

このお話も、重い。

祐との関係に悩む孝輔の描写。沢野にふたたび襲われる祐の描写。
余計な言葉を省いてぽつぽつと必要なところにライトを当てるような、シンとして静かな描写に胸を打たれました。心を引き絞られるような場面なのに、美し…

2

倒錯者Aの告白 小説

綺月陣  榎本 

続編「~功罪」を挟んで2度読むべし

なんかもういろいろツボでした。

過去に運命的な出会いをした東間と嵐の恋は、最初のボタンのかけ違いから壊れてしまっていました。東間の罪悪感と嵐の無邪気な欲望のまま、どこまでも転げ落ちてゆく予感におののいた東間は嵐から逃げ出してしまいます。
しかしその後も東間は罪悪感からは逃げられず、あてどもなくさまよう日々。
腐りながらも元来の正義感を捨てきれずにいた時、突然嵐と再会します。
嵐は東間を…

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