六芦かえでさんのレビュー一覧

君の隣にいたいから 小説

染井吉乃  六芦かえで 

優しさを感じさせる

兄弟ものですが、禁忌とは縁遠い内容になっていますので、
禁忌が嫌いな人でも安心して読める、労りと優しさが感じられる作品でした。
父子家庭の一人っ子で育った和喜は突然教師をしていた父が学校で倒れ帰らぬ人に。
葬儀を終えて、今日からは本当に一人きりだと思っていた所へいきなり兄と名乗る
人物が現れ、一緒に暮らす事になる。

初めは疑いながらも、暮らしていたが、夢で幼い日の事を思い出し兄なのだ…

2

愛ゆえに、でございます 小説

chi-co  六芦かえで 

お坊ちゃまへの愛情で一杯な腹黒執事

なんとも複雑な背景の腹黒執事の九条が攻めなのですが、
アメリカ人の売れない女優と父親は顔も解らないアメリカに仕事で来ていた日本人で、
会ったことも無い。
母子家態で育ち、その後母親が再婚をする事になり、九条は母親の弟夫妻に引き取られ
虐待こそ無かったものの、冷たい家庭で育ち、諦める事が悲しいと知っているから
何も求めず望まず暮らし、その後叔父が事業に失敗した時に、九条の実父から
九条の…

1

「愛ゆえに、でございます」発売記念ペーパー グッズ

綾乃介自慢?

本編の中で、綾乃介が体育の授業があるのにジャージを忘れたシーンがあります。
借りようかと悩んだ末、短パンのまま授業に行こうとしたところ、1年生が現れて、これを綾乃介に渡してくれと頼まれたと綾乃介にジャージを渡すのですが、
この1年生が、綾乃介の執事である貴之からジャージを託されるショートです。

偶然腹痛で医者に寄った為に、二時間目の終わりに学校に着いた1年の江本。
下駄箱でいきなり美貌…

1

下剋上恋愛レシピ 小説

藤森ちひろ  六芦かえで 

タイプと真逆の相手に惚れられ絆される

強気でクール、ちょっとSが入っている美形のインテリアデザイナーの早瀬と
年下ワンコで誠実真面目を絵に書いたような好青年でクライアントでもある柴崎との
一途な片思いから絆されて恋人になる二人を描いた話です。

既刊『半熟恋愛レシピ』のスピンオフで江上の後輩になる早瀬が主役。
早瀬は本来なら江上の恋人である朋実が好みど真ん中で可愛い子を苛めるのが
好きな結構鬼畜タイプのゲイのタチなんですが…

3

愛ゆえに、でございます 小説

chi-co  六芦かえで 

先手必勝!

主従モノでありますが、腹黒執事(?)のしてやったりな結末に思わずニヤリとするお話でした。

アメリカ人の母親が、出張中の日本人との間につくったのがウィリアム(後・九条貴之)
母親の再婚の為に叔父の元にやられるが、その叔父が金欲しさにウィリアムを父親の元へ連れて行ったのが、ウィリアムの異母兄の息子にあたる綾乃介との初めての出会い。
その時、綾乃介の可愛さに心底ほれ込み綾乃介の側にずっといたい…

4

恋する俺様調香師 小説

水瀬結月  六芦かえで 

天然一途な受けは激ニブ思い込みさん

高校の同級生同士で10年近く一緒にいるのに思い込みから受けは辛い恋、
攻めはデロ甘な恋人付き合いをしていると思っているおバカな擦れ違い。

読みはじめは傍若無人で我儘で自分勝手なオレ様攻めの冴島に手酷い扱いを受けながらも
大好きで捨てられたくなくて、片思いの冴島のために必死で健気に尽くしている話かと
読み進めれば、冴島は単なる亭主関白気質で口にしないだけで、受けの和に周りが
引いてしま…

2

恋する俺様調香師 小説

水瀬結月  六芦かえで 

傍から見れば完全にバカップル

攻に熱愛され、周囲からもモテているのに、天然ボケで自己評価が低いため全く気付かない主人公。
仕事面は優秀で、俺様な攻にもキッチリ正論で反論しているからか、恋愛事にボケボケでも読んでてイラッとしないところがいいですv
(余談ですが、この主人公の思い込みの激しいキャラ、花川戸菖蒲『視線の刻印~恋に堕とされて~』を思い出しました!化粧品会社が舞台で研究職×営業ってとこまでソックリw)


中学…

4

エロティック・ナイトメア 小説

真崎ひかる  六芦かえで 

ヘタレなくせに

おおらかで大雑把な性格の、貧乏な役者の卵くんが、借り物の小道具を壊してしまい、謝りに行った先のお屋敷にいたのは、年老いた資産家の当主と、超絶美形な孫息子。
その孫息子に気に入られた主人公は、なぜかその屋敷に同居することになってしまうのですが、、、。

この孫息子の正体が、実は、夢魔でっていうファンタジー。
夢魔なんだから、眠らせた相手にエロい事し放題で、精気を吸いまくるのかと思いきや、この…

0

許婚のあまい束縛 小説

高峰あいす  六芦かえで 

時代錯誤の旧家から救い出せ~

時代錯誤もここまでひどいとある意味凄いと思える設定のストーリーで
双子の兄妹で本当は男で長男なのに女系で代々栄えてきた旧家故に
女として戸籍を作られ、挙句妹の本家の跡取りの立場を脅かす存在として
次女として登録され、両親と引き離され一族に手酷い虐待もされながら
生きてきた可愛そうな斎希が受けで主役のお話です。

妹は元華族の流れをくむ名家の小石川と知り合ったことでなんとか祖母を
言い…

5

優・等・生 小説

五百香ノエル  六芦かえで 

思春期の闇

96年の作品の改定文庫版なのですね。
五百香ノエルさんの描く独特な痛みを持つ主人公達は決して嫌いじゃありません。
一見突飛そうなんですが、実は自分にはすごく近しいものを覚えてその傷を抉るような共感を覚えるような姿に、どことなくむしろリアルを感じてしまうのです。
今回のこの作品に登場する主人公も、同室だった結城も、主人公が好きになる先輩も、現実を突きつけるような、綺麗事だけですまされない感情や…

6
PAGE TOP