有田万里さんのレビュー一覧

スパイラル・ゲーム 小説

有田万里  まつざきあけみ 

色んな意味で深いと思った作品

フィギュアスケートを題材に扱ったBL作品。主人公が作中で目指しているのは長野五輪なので、だいぶ時代を感じるし、採点方法も今とは違うのでこれから読まれる方はちょっとあれっと思うかもしれません。
スケートについてもしっかり書かれていた上に、16歳という年齢の破天荒さも面白く、こなれたしっかりした文章もよかったです。

主人公の鋭冶はカリフォルニア在住の高校生。
フィギュアスケートなんて一度もし…

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ソウル・トライアングル 小説

有田万里  栗山アニー 

弟と兄と霊媒師と

奇妙な三角関係を描いた作品。
プロのテニスプレイヤーである弟、眞斗が自殺し、どうしても納得できない主人公の篤彦は霊媒師である出に眞斗を呼び出してもらいます。

篤彦は25歳、眞斗は18歳、出は17歳。
眞斗は兄弟なのに篤彦が好きだったと告白し、篤彦も実は言えない思いを眞斗に抱えていたと告白します。
そこから死者を挟んだ奇妙な三角関係が始まるのですが…。
暗いお話ではなく、眞斗が明るいか…

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Sの悲劇 小説

有田万里  TOKAI 

移り気な登場人物たち

攻めが一人に受けが二人。ともちょっと違うかもしれませんが、ややこしい三角関係の作品です。

主人公の洸太郎はSの帝王と呼ばれるサドで、高校生の確(あきら)とお付き合いしています。確は根っからのM。
洸太郎はSといってもMがどうしてほしいかを見極めてイジメてあげる、痕がつかないように完璧にムチを使うし、自分が疲れていてもMの気が済むまで奉仕してあげてなんとも涙ぐましいS…という感じです。
そ…

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花を買う男 小説

有田万里  高原里佳 

JUNEとも違う、ゲイ小説

93年に出版された作品で、98年に舞台化もされたそうですよ!
当時のBL界の上でこの作品の位置づけは斬新なものだったようです。
JUNE的といわれれば、登場人物の少年の生い立ちや、その生活など、確かにそれを周到してはいるし、エンドの仕方も其れ風の展開をしているのですが、主要主人公がゲイである大人である部分。
彼の姿が、体験記的なゲイ小説風な様相をしていることから、どちらともとれる作品になって…

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