木原音瀬さんのレビュー一覧

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

ザ・すれ違い‼︎

木原先生というと痛い辛い痛いのような恋愛が多いですが、こちらは切なくほのぼの?としたすれ違いラズストーリーです。

受けである朝霞のブライダルコーディネーターという仕事を基盤に、初担当した特別思い入れのあるお客であった笹川との恋愛が描かれていきます。
ブライダルコーディネーターという設定は、男同士の恋愛を描いていくうえでとても面白味のある要素となっていると感じました。

この作品はとにか…

1

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

人に勧められない名作

木原さん、大好きなんです…。
絶版になってる作品も読んでますが、私はこのお話が一番好きかも知れません。
木原さんと言えば痛い、例に漏れずこれも痛くて痛くて、一番好きでも読み返すのに覚悟が要ります。
胸糞悪くて、攻めがクズ過ぎて、救いがないんです。その言葉全てが褒め言葉になる。そんな不思議な物語です。

ちょうどinTOKYOが出てから一月後にinNEWYORKが発売になったんですが、その…

17

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

見返りのない愛とは

まるで、一本の映画を見終えたような充足感。愛し愛されるとは、人生とは…そんなメッセージがそこいらに散らばっているのに、この二人が辿る道は特別ではなく、どこにでもある幸福の形でした。

『箱の中』を出て外で織り成す展開は劇的な事件へと発展していきます。少々、唐突感を否めなくもありませんが、冤罪で苦しんだ堂野という男を考えると、こういう結果に妙に納得できる気がしました。
堂野は友人として喜多川を…

15
非BL作品

ラブセメタリー 非BL 小説

木原音瀬 

一体何が正しいのでしょうか?

何と言ったら良いのかわからなくなる。
 子供しか愛せない。子供しか性的対象としかみることのできない、
身なり 外見は完璧な主人公、久瀬の話。
子供しか愛せない、いわゆるペドフィリア。
現代でも後を絶たない子供を性的対象とした犯罪。
いつ自分の欲望に負けてしまうのかわからない。暴走してしまうかもしれない。
そんな恐怖と戦っている。
普段ニュースなどで耳にしては耳を塞いでいる
欲望がお…

6

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

BL界の芥川賞

障壁を乗り越えて辿り着く純愛、それが男同士だからこそ、カタルシスを得る事ができるのがBLならば、もしかしたらこれはBLとは言えないかもしれない。次巻の『檻の外』と合わせてひとつの物語である今作は、理屈でいえば充分BLなのだけど…BLという枠に収まらない。それは人間を描いているからなのでしょう。
木原さんの作品は総じて、BLの枠に収まらないと評される物が多い印象ですが、今作もまた然り。だって甘々で…

3

鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

泥沼にはまっていく怖さ

しょっぱなからエロ全開で、しかも気持ちはないただ快楽のみのHシーンに、途中で読むのをやめてしまおうかと思ったのですが、なんだかんだいって最後まで読んでしまった、いや引き込まれてしまったと言いたいです。

短編、続編、サイドストーリーという構成ですが、受は男と性行為をする趣味の全くないノンケです。一度味わったが最後、世間体や将来性、常識を天秤にかけても最後は快楽に溺れてしまうストーリーは木原先生…

2

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

選ぶということは…

いつまで生きられるか分からない、助けが来るのかもわからない極限状態の中、家来同然だったしのぶに力関係で逆転され、慰み者にされる亮介。そこに心がない男同士でも、亮介は生きるために受け入れて、体は一週間で慣れていくのが、読んでいて悲しくて。
当の亮介はあっさりしたもの。生き残ることを選んで、体をつなげることについては心を捨てたんだなあ、と。

亮介としのぶを助けた青年グループのリーダー・田村は、…

1

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

ヘビーですが感動します( ; ; )

木原さんの本はすごく覚悟して読むのですけど、毎回、予想を超えたヘビーさに胸をえぐらます。本当に人の弱さ、狡さ、闇のところを容赦なく突きつけられた上で、それだからこそ、愛の美しさや尊さを見せつけられます。すっごい読み応えで、感動しました。
個人的には、「美しいこと」よりはこちらの作品の方が好きでした。「美しいこと」は恋愛にとことん向き合うような内容でしたが、こちらは人生?に向き合うような内容だった…

2

牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

お江戸情緒を残した明治

タイトルを見て「ん……?」と思いましたが、読み始めて納得。雰囲気は、お江戸情緒を残したライトな明治という感じでした。
主従モノで、かつ妖怪モノ。
その設定が見事にマッチしていて違和感がなく、あっという間に作品世界に引き込まれてしまいました。

この本には「牛泥棒」「古山茶」「笹魚」の三作が収録されていて、そのうちの「牛泥棒」は、主従モノならではの切なさが読みどころ。
一方の「古山茶」と「…

3

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

愛って何ですか?

痴漢冤罪で実刑判決を受けた堂野は、刑務所での生活に心身共に参ってしまう。
追い詰められ泣きながら眠る夜、そっと自分の髪を撫でてくれた手に、堂野は何とか踏みとどまる。
堂野は慰めてくれた喜多川に礼を言うが、何故か喜多川はその後も堂野に「ありがとう」と言われることに固執するようになる。
どこか子供のように幼いところのある喜多川に無邪気に慕われるようになるのだが、そのうちに喜多川は堂野への好意を隠…

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