木原音瀬さんのレビュー一覧

キャッスルマンゴー 1 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

十亀の目の細さだけで泣ける

木原さんの「リバーズエンド」を読み、god bless youを読み始めたところ「えっ二宮(十亀の高校時代の友人で好きだった男子)出てこんやん…やってられん!」と切なくなってこちらをレンタルしました。最近のBL漫画を少々読むようになった私には、この小椋ムクさんの作画はとても漫画的な巧さやデフォルメに久々に出会ったので引き込まれました。小説でもこのムクさんの挿絵だったので親和性MAXで助かりました。…

1

薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

神様、イエス様、仏様、キリスト様…

そこまでのネタバレはありませんが一応付けました。
木原さんの作品の中で沢山登場する、愛すべき底辺人間の中でも特に優しい部類の百田が主人公です。ヒリつく様な心理描写は控えめかと(かなり麻痺してるかもしれません)。

3度も薬で捕まり、家族も無くし、後々恋人になるロンちゃんとの出会いは最悪だし、顔も頭も悪いしゲイ。けれど見捨てず助けてくれた唯一の人ロンちゃん(浜渦論)の為に生きると決意し、それで…

0

秘密(文庫) 小説

木原音瀬  たえ 

秘密にする側/される側が持つ愛

“途中でどんなに辛いことがあってもいいから、最後は二人が幸せになる話にして。死んだり、別れたりするのは絶対にやめて”

読んだのは新書版ですが、文庫のこちらに誘導されてきました。
木原さんの作品は十作品以上読んだところですが、主人公の殺人を扱った本は初めてです。

啓太は悪夢に魘され自分のアパートに帰りたくない。恋人を殺し冷凍庫に詰めたから。バーで出会った杉浦の部屋に運良く泊まり暮らすよ…

2

B.L.T (新装版) 小説

木原音瀬  元ハルヒラ 

歳の差も運命も破滅的な恋も

「僕はあの子以外の誰にもそんな、気持ちを壊されそうになるほど強い感情を持ったことはない。あの子だったら、あの子とだったら……もうどうなってもいいと……」
「わがままばかりで、いい加減で、口が悪い乱暴者で、人を脅すような性悪で……それでも君を愛してる。大事な仕事を放り出しても、首になっても、何を引き換えにしても欲しいと思うほど……」

歳の差のお話だと、年若い方がおぼこかったり、美しくてそっけ…

2

牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

健気な徳馬と妖怪のお話

時代物特有の言葉使いや健気さが良かったです。
母が妖怪に食べられたと言えるわけがなく山に亮一郎と探しに行く徳馬、おしろいの匂いで心移りをしたと勘違いして泣いちゃう徳馬、亮一郎に憑く妖怪を手持ちの鬼にこっそり喰わす徳馬、おぼこいと言われ千枝さんの入知恵を試す徳馬、とにかく健気で可愛かったです。対して亮一郎は脱獄や借金、同僚に関してもかなり行動派だし、気持ちをなかなか言わない徳馬にも強情に問いただす…

1

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

少し物足りない

男性のブライダルプランナーの仕事話が新鮮で面白かったです。自己中心的な後輩へのガツンと正論を吐くシーンが良くて、身につまされ自分まで怒られているようでした。最後の最後まで結末を読ませない展開は流石なのですが、物足りなさや納得いかない点もあり、評価は萌にさせていただきました。

物足りなかった点
・笹川視点の描写が少なく、朝霞の肩をもってしまいがちだけれど、そうでなくてもキャラが弱い。何度もお…

0

嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

やっぱりBLが好き(長文)

本編を読み終えて、出版社が講談社文庫だったのを思い出し、これはBLとして刊行されたものじゃないんだと気を取り直しました。ちるちるでは非BL登録ではないけれど、これはBL枠で読んだらいけないやつだったと肝に銘じました。

というのも、ビブロス版で読んでいた者としては、読後全くの別物感がじわじわと襲ってきたわけで、それが時間の経過による記憶の改ざんのためなのか、あるいは大幅に加筆修正されたゆえなの…

15

place 小説

木原音瀬   

欠点を愛してくれる人と出会うこと

加賀はゲイで好きな人にきつく当たっちゃう。横山は翼を持っている。
言えない事をちゃんと口に出すことについてのお話だと思いました。木原さんの他の作品に比べて毒が少なく清々しさすらありました。
おもちゃを扱う会社でのやり手二人。横山は思考の柔軟性故に加賀を意識し始めるのですが、その思考回路と想像力!仕事できる人は違うね〜という感じでした(笑)

思った事を遠慮なく言う無神経さすらある加賀は、ゲ…

1

POLLINATION(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

これまた凄い…


3部作目!
このシリーズではもはやお馴染の谷脇がまたまたメイン攻めです。

1部から群を抜くクズっぷりですが今回も健在で。
自閉症の未成年の男の子に現役医師が手を出しはじめます。
モラルの欠片もあったもんじゃない。

自閉症については深く知らなかったので、色々と驚かされました。
そんな設定の子をBL本の受けにし書ききった木原先生は本当に凄いと思いました。
BL界隈では稀なカッ…

3

NOW HERE 小説

木原音瀬  鈴木ツタ 

それでも純粋である

いいなぁ、年齢差のある恋愛やバディものが大好きなので凄く楽しませて貰いました。
映画でよく見かける歳の差の恋愛ものの多くは、歳上が歳下の美しさや才覚に惚れるものが多いと思います。この作品はその逆、歳下が不覚にも歳上の同性、しかも同じ職場で、しかもイケオジでもなくこれといった特徴のないおっさんと…⁉︎それがどういう風の吹き回しで好きになって、どう展開するのか設定で既にワクワクしました。


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