木原音瀬さんのレビュー一覧

吸血鬼と愉快な仲間たち 小説

木原音瀬  下村富美 

出来損ないの悲しさと可笑しさ

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
受け攻め欄の苦肉(?)のor策に笑ってしまいました…。えっと、出来損ない吸血鬼・アルの、人付き合いの苦手なエンバーマ・暁とその友人の刑事・忽滑谷(ぬかりや)を交えた日本滞在記。違…笑
みなさん口を揃えてこれはBL?と言っていますが、私も言っておこう。笑
ボーイたちの胸きゅんラブはどこかしら~~。でもでも、それでも面白いと思わせる力は凄いです。

吸血…

3

セカンド・セレナーデ full complete version 小説

木原音瀬  北畠あけ乃 

これを読んで『木原さんの旧作、いつかぜんぶ集めたい…!』と思っちゃったんです

木原音瀬さんの絶版本は、とにかく値段がつり上がっちゃってるのが特徴です。
ファンといえども「うへー、この値段なら、他の本が数冊買える…」と、ビミョーに躊躇ってしまう。
そんな躊躇いをなくしてくれた作品が本作で、しかもこれ、木原音瀬さんのデビューノベルズ(の復刻版)なのです。

木原音瀬さんの作品には「性格の悪い男」がよく登場します。
私はこの「性格の悪い男」が大好きなんです。
もっと正確にいうと、…

3

COLD FEVER 小説

木原音瀬  祭河ななを 

ちんち〇、切られなくて良かったね…

↑こういうシーンがありますので、苦手な方は気をつけてくださいw
COLDシリーズの三冊目にして完結編です。
木原音瀬さんが『この三冊目を書きたかった』と言われるように、力のこもった一冊になってます。
痛い。とにかく痛い。
肉体的にも精神的にも痛いシーンのオンパレードで、前二冊、とくに二冊目の後半のラブラブっぷりを読まれてるかたが『な、なんで…?』って思われること必至。
冒頭の数ページで、『ヤラレタ…

4

COLD LIGHT 小説

木原音瀬  祭河ななを 

凄惨な過去と、甘ーい現在…しかし。

三部作の二冊目。
この巻で、主役二人の過去が明らかになります。
この過去が、とにかく「悲惨」の一言。
母親の首を締めたくなりました。
容赦ないです、木原音瀬さん。

でも透は、その母親以上に、藤島の裏切りを恨むようになる。なぜなら藤島は、「たった一人信じてた相手」だったから。
同時に、藤島がずっとずっと長い間、後悔にさいなまされながら、透ただ一人を愛し続けていたこともわかる。
過去の自分のあやまち…

2

COLD SLEEP 小説

木原音瀬  祭河ななを 

『サド三部作』と勝手に命名させていただきました

三部作の一冊目。
木原音瀬さんの悪魔っぷりをまた一つ見てしまった作品となりました。
サド三部作ですよ、サド三部作!
拷問って、「苦痛だけを与え続ける」より、「苦痛と優しさの両方を与える」ほうが耐え難いそうです。
苦痛だけだと、どんな痛みでもカラダが慣れていくらしい。
そういう意味で、まさに拷問なサド小説でした。
肉体的な意味でも「痛い」描写のある三部作なんですが、それ以上に精神的な「痛さ」が凄まじ…

3

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

木原さんは番外編でも流し書きしません

木原さんのスゴイところは、番外編でもきちんとした「お話」にしてくるところだ。
しかもそれが、本編以上に気になる作品となってたりする。
最近レビューした『黄色いダイヤモンド』もそんな感じだったんですが、この作品もそうでした。
痴話喧嘩的続編やらひたすらエロエロしてる続編が多いBL番外編のなか、これは驚異的なことだと思います。そういうところも好きです。

表題作『さようなら、と君は手を振った』とその続…

11

情熱の温度 小説

木原音瀬  山田ユギ 

なんでこんな男に惚れちゃうんだよ!やめとけ!というのが木原イズム

教師と生徒で年下攻め。
これだけで萌えてしまう方がたくさんいるかと思いますが、木原さんの手で料理すると、このオイシイ設定でも、単純に萌えさせてはもらえません。
教師が本格的なダメダメのアホアホで可愛くなくて、「なんでこんな相手に惚れちゃうわけ?」と、生徒の胸ぐら掴みあげて問いただしたくなること受け合い。
またこの生徒がワンコタイプで包容力のあるいいやつなもんで、余計にそう思う。
中盤まではこの教師…

5

LOOP 小説

木原音瀬  高宮東 

輪廻する恋物語も、木原音瀬さんが書くとこうなる

BLに限らず輪廻モノのラブストーリーは色々と読みましたが、その設定はたいがい「前世では愛し合っていたのに結ばれず…」という形がほとんどです。
そういう輪廻転生恋物語の名作としては、『リング』の作者の鈴木光司さんのデビュー作『楽園』がめっちゃ面白かったので、オススメしておきます。

でも木原音瀬さんが書くと、単純な設定にはならない。
片方は頭がおかしくなるほどに愛していて、
片方は殺すほどに憎んでい…

3

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

これでもかって位泣きました

読み終わったあと、しばし放心状態でした。
それくらいズンと心のに響くお話でした。

「箱の中」に引き続き、最悪キャラの登場でしたね。
それは、堂野の妻。
多分、この人の行動って、決して計算ずくじゃないんだろうけど
だからこそなおさら腹立たしい。
結局、堂野の娘・穂花が死んだのも、元はと言えばコイツのせい。
でも、コイツは自分のやってた事を棚に上げて
「自分だけが悪いんじゃない」み…

12

黄色いダイアモンド 小説

木原音瀬  門地かおり 

胸がヒリヒリしました。泣きました。

木原作品でもナンバースリーに入るぐらい、好きな作品かもしれない。
そのぐらい印象深い、心に残る作品になりました。

『黄色いダイアモンド』
王道BLに近いです。
幼馴染み同士の恋。
キャラ設定は、榎田尤利さんの『君がいなけりゃ息もできない』の東海林とルコちゃんの関係に似てます。
世話焼きオバサン化してるデキのいい攻めと、何もできないアホアホパープリン受け。
とにかく攻めが、受けのことを好きで好きで…

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