木原音瀬さんのレビュー一覧

夜をわたる月の船 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

難しい、難しすぎる

帯に不穏なことが書いてあった気がするが私は何も見ていない、と自分に言い聞かせ、もちろん裏のあらすじも見ず、口絵を無視して本を開きました。まさかの二段組に衝撃を受けつつ、先へ先へ。
…まだ整理がつかないので、箇条書きのような感じで。ネタバレありです。


とにかく柴岡が性悪すぎる。嘘はつくし口が悪い。死にたがり。けれど愛されたがり、なのだと思う。真っ当な愛され方をした経験が無いから(母親との…

6

恋愛時間 小説

木原音瀬  やまかみ梨由 

草食系男子が恋に気付くまでとそれから。

ある日突然、後輩(部下)の広瀬に好きだとただ一言、告白されてしまった有田学の話。『LOOP』で主役だった英一の兄・学のスピンオフ作ということで、LOOPでガクガク震えた記憶も生々しいもので少し警戒しながら読み始めたのですが、ゆったりしっとり落ち着いた恋の話でした。

恋愛時間というタイトルは、蟻と象の一日の長さは違うという『生活時間』とかけているようです。主人公・有田は、要領悪く手の遅い部下・…

3

あいの、うた 小説

木原音瀬  宮本佳野 

良い意味で泥臭いです

まず表題作。ぼんやりしているように見えて冷静・辛辣な音楽ライターの小菅が、売れないバンドボーカルで乱暴だが媚びない正直過ぎる男・久保山に徐々に惹かれる段階に説得力を感じました。特に『落ちた』切欠が、小菅の失恋を綴ってつくった久保山の歌というのが良いです。山手線三周分の涙とかいいじゃないですか…。
そして、久保山のバンドがタイアップというチャンスで希望の光が見えたところで、小菅の所属する編プロの音…

3

Don't Worry Mama(新装版) 小説

木原音瀬  志水ゆき 

みにくい白ブタの子

木原さんお得意の下克上パターンですが
甘いですっ!やべぇ、読後はロマンチック~vうっとりvとか
思っちゃったよwww

デブでチビで性格が悪い上司と無人島で約2ヶ月
デブなんて守備範囲じゃなかったのに
しみひとつないなめらかな白い肌に
ときめいちゃうんですよーっ!!!
欲情しちゃうんですよー。

後半は、ちょっとご都合主義でしたが
リブレ出版ですからねぇ、カラーとしてはこんな…

5

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

とても辛い話ですが

「箱の中」の続編です。
先に出所した堂野を探し当て、喜多川が訪ねてくるところから始まります。
六年ぶりの再会ですが、堂野は五年前に結婚し、幼い娘もいます。
ただ一途に堂野を求める喜多川と、自分の生活を大切に思い、喜多川も彼自身の家庭を持ってほしいと思う堂野の思いはすれ違います。
そんなとき、堂野の娘穂花が行方不明に。
堂野は過去にも冤罪を受けて刑務所暮らしをするという不幸に遭っているし、…

8

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

一途な執着

辛い話だけど、絶対処分できない一冊です。
痴漢の冤罪で訴えられ、罪を認めなかったせいで実刑を受けた堂野が、刑務所の中で出会った無口な男喜多川。
小さな箱のような部屋に閉じこめられてまともな愛情を受けずに育った喜多川は、他の受刑者とは違う堂野になつき、次第に強く惹かれていきます。
他には何もいらない、堂野だけがほしい。
衆人環視のなかでの強姦におよんだりもします。
そんな喜多川に…

1

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

辛く痛い話ですが

COLD シリーズの完結編です。
これというきっかけもなしに、突然透の記憶が戻ったところから始まります。
過去のことは思い出したけれど、逆にこの六年間のことは何一つ覚えていません。
透にとっては、何もわからないまま六年経っていて、なぜか大嫌いな男と同じ家で暮らしていて、そしてこの六年間の透は、暴力的な自分と違って、穏やかで周囲に好かれていたらしい。
透は苛つきます。

藤島はこの六年間…

10

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

明らかになる過去

COLDシリーズの2作目。
前作は透視点でしたが、今回は藤島視点で、悲惨な過去がすべて明らかにされます。
母親に捨てられ、引き取られた家で虐待された幼い透の不幸。
一方、いい家に生まれ育ち、物質的には何不自由なく育った藤島も相当に不幸です。
子供にとって母親というのは本当に大きな存在なのに、それが優しさの仮面を被った変態的暴君だったら……。
実の母親が透を虐待するのを目の前で見ながら、そ…

2

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

記憶、なくしてよかった。藤島さんを嫌いだった自分を全部忘れてよかった

大好きなコールドシリーズ3部作の1作目。

いきなり「ここはどこ?私は誰?」な状態になってしまった透の不安は、読んでいる方にも伝わってきて、この藤島の正体はなんなんだろうと思いながら読んでました。
藤島はやっていることはものすごく親切でありながら、なぜかよそよそしく、透に興味もない写真の専門学校に行くことを勧めてきたり、何か隠していたり、嘘をついていたり。
でもよそよそしい藤島はケーキが好…

3

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

木原さんなのにほのぼの

痛さは全くなく、ほのぼのと優しい気持ちになれるお話で、おまけにエロはほとんどなし。朝チュンの上に、最後までイタしてないし……。いやいや、これはこれでこの2人にはふさわしいかな?と思えるんですけどね。
笹川にしろ朝霞にしろ、全くのノーマルで、恋愛は女性としかしてきていないのに、ちゃんと恋愛に落ちるんですよねぇ。それが自然で。あ~、落ち着くところに落ち着いたか……みたいな。でも、ノーマルなだけに不器…

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