木原音瀬さんのレビュー一覧

COMPLETE B 小説

木原音瀬 

答えの出ないもどかしさ

全部で4つのお話が入っています。

「ピーターと狼」シリーズ
あることがきっかけで嘘ばかりつくようになった小林昭雄は、それが原因でボコられることが多い。そんな昭雄を放っておけなくてついつい回収に行ってしまう幼馴染の白石洋一。昭雄が嘘つきになった原因は幼いころの白石の言葉が原因だったが、そのことをすっかり忘れて接してくる白石に苛立つ昭雄。今度こそ白石と縁が切れると思ったがー。


不憫B…

8

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

○○は死んでも治らない!?

「TOKYO」で期待した秋沢の成長は無残にも打ち砕かれ
正直「こいつ、死ねばよかったのに」とまで思わしめした楠田への、あくまでも自分本位の自分勝手な仕打ち。
舞台がN.Yへ移ってからでさえ、これ完全にストーカーじゃない?と思わせる、ここへきてからも成長というよりは、ここでさえも自分本位な秋沢の姿を見、
一応見せた結末さえも、ひょっとしてこれは明るい未来の始まりではなくて破滅への扉を開いたんじ…

8

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

喜多川を生み出してくれてありがとう。

ハッピーエンドがこんなにも嬉しくありがたいと思うなんてBLを読んで初めてでした。
もちろん沢山泣きました。(レビュー読んでも涙が出たくらいw)

喜多川の一言一言に心が抉られるようでした。
人を殺すことに何も感慨も示さなかった喜多川が、小さい女の子の死を悼んでいる姿に胸がつぶれるようでした。
しかも自分が疑われたことは脇に置いて。

そこのところが堂野妻と正反対でしたね。
堂野の奥…

8

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

心臓を鷲づかまれた。

感動もたくさんありますが、何よりめちゃくちゃ面白かった!
初めて読んだ木原作品が”趣味じゃない”評価だったので、おっかなびっくり手にした作品だったのですが、物凄く入り込んでしまいました。
堂野と喜多川に心臓を鷲づみにされて夢中になったし、堂野に共感できてしまったことが神評価に繋がったと思います。

堂野は良くも悪くも普通の人なのかなと思いました。
喜多川を受け入れられる器なんか持っていな…

5

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

堪能はできたと思います。

上、下巻あわせた感想です。

この評価になった理由は、単純に読んでいて凹んだりムカついたりすることの方が多かったからです。
心の温度が氷点下なまま終盤まできて、ラストでも5度くらいしか上がりませんでした。

松岡の一途さが報われたというよりも、両想いになっても結局寛末に振り回されていることに変わりはないのではないかと思いました。
なのでこの先の2人のラブラブを見たいとも思いません。

5

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

大人しい受の嫉妬深さ

高校教師(受)とノンケ高校生(攻)がゲイ雑誌の掲示板を通じて出会い、恋に落ちます。

個人的な見所は、受が意図的に攻とのセックスを攻の友人に見せつけるシーン。

「いい大人が、身体を使って牽制する」
↑これ、嫉妬深い攻や当て馬にはありがちなアクションですが、受はほとんどやらない気がします。できてもキスマーク程度。

ヤキモチという可愛い言葉では片付けられないドロドロした粘着質の嫉妬心…

0

期限切れの初恋(BBN) 小説

木原音瀬  糸井のぞ 

妥協できない人

受が壮絶な片思いの末に初恋を叶える話。
受に甘やかされて依存していく攻にキュンキュンしました!

ほとんどの人が恋愛や仕事に妥協しながら生きていて
妥協できない人間は攻のように現実と理想の違いを受け入れられずもがき苦しむ。
攻は己の弱さを認めて現実を受け入れるが、受は強さゆえに最後まで妥協できない。
不毛な初恋を諦めて手近な幸せを掴みかけたものの、最終的に攻を選んでしまう。

先の…

4

HOME (新装版) 小説

木原音瀬  藤田貴美 

篤、逃げてー!超逃げてー!!

最近の木原作品を読んでからだったので、こういうものをベースに今の作品が出来上がったのかと感慨深いものがありました。

正直、今の作品に比ると小品といった印象で、展開もいつものパターンです。この追うもの・追われるものの立場逆転パターンは、木原作品ではもうお約束なのでしょうか。

ずっと好きだった人に双子の兄(?)と付き合っていると聞かされた時に、篤の心は一度壊れてしまっていたのかもしれません…

4

ROSE GARDEN -ローズガーデン(2) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

ここからが本番でした

天使であるがゆえに、人の情を知らないカイルは無情にも天界に戻ってきてしまいました。けれど、決してそこは幸せな場所ではありませんでした。

アガサの言動がどうとでも受け取れて、最初に天使試験を行ったときからすでに、こうなる運命を予見して、堕天せずとも二人が出会えるように、カイルが愛を知ることができるように心を砕いていたのかも?と思わせるものでした。だから、カイルは「顔だけ?」と絶望してしまったけ…

3

ROSE GARDEN -ローズガーデン(1) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

天使も悪魔も人間臭い

コミカライズの方を先に読んだのですが、あまり好みではなかったので読むのを先延ばしにしていた作品です。
コミカライズは、どうしてもダイジェスト感が強く、不可解な部分が多かったのですが、小説の方は面白かったです。

ファンタジー設定がどうもなじめず、カイル=普通の子、ウォーレン=極悪人の父の落し胤、と脳内変換するとしっくりきました。そのくらい、中身は天使らしくも悪魔らしくもありません。カイルだけ…

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