夢花李さんのレビュー一覧

そして恋がはじまる 小説

月村奎  夢花李 

未樹・17歳の心の動きを丁寧に追った傑作!

この作品、文章のつたなさもあるし、語彙数も少ない。
しかし、そんな技術的なことを全てふっとばしても傑作と思える!
平凡でちょっと臆病、多感な高校生の心の動きを
これほど繊細に書いたBL小説というのをワタクシはほかに知りません。

もはや展開だのキャラだのではありません、
少年の心そのものが壮大なドラマなのです。

ストーリーそのものは純愛モノの形を借りていますが、
これは少年から…

8
非BL作品

シュバルツ・ヘルツ ゲスタァン 非BL 小説

桑原水菜  夢花李 

こちから読むのもあり。

 東ドイツで生活をしているアドルフとアイザックの兄弟は、自由な世界を求め、壁を越え、西ドイツに向かおうとした。
 ところが、その道中、湖に飲み込まれてしまう。
 気がつくと、彼らは<地図にない国(アースガルズ)>にいた。
 アースガルズは、一度入ったら出ることができない国であり、「神の骸」をエネルギー源として、生活をしていた。ところが、神の骸が残り少なくなり、アースガルズは滅亡の危機に瀕して…

0

そして恋がはじまる(2) いつか青空の下で 小説

月村奎  夢花李 

カミングアウト

完全に続編なので先に前作を読んでからじゃないとキツイです。

前作から一年半、高校生だった未樹〔受〕は大学生になっていて、そして浅海〔攻〕との密かな逢引を繰り返していたんですが、ある夜に車で送ってもらってきてキスしている所を母親に目撃されてしまいます。
そして未樹は家族に男性と付き合っているとカミングアウトをし、浅海はちゃんと両親に挨拶にやって来るのですが流石に温かく迎えられる筈もなく……。…

1

そして恋がはじまる 小説

月村奎  夢花李 

繊細な恋愛カップル

未樹〔受〕の周りに悪人は居ません、けれど未樹はいつもいい子で居ようと頑張っていてそれがブーメランの如くに彼を少しずつ傷付けます。
ちょっとしたきっかけで知り合った未樹と浅海〔攻〕
浅海はゲイなのですが、それを知っても未樹は気にしません。
未樹は再婚する母や、育てくれている儀父母にの前で常にいい子で居ようとします。
それによって彼の心が痛んでもそれでも、いい子でいようと頑張るのです。
そん…

2
非BL作品

シュバルツ・ヘルツ -黒い心臓- シヴァの踊る森 非BL 小説

桑原水菜  夢花李 

地図にない国と黒い心臓の謎がわかる巻

「アイザック・フォン・ヴァルトミュラーという名の職員はいない」。
 亡きヘルマンからのメールを受け取った奏。
 そのことが原因で、奏はアイザックに対して、疑いを持つ……。

 その頃またアイザックも自らの使命に決着をつけようとしていた。

 土地神の加護を受けるため、大口真神の宿る御岳に登った二人に襲いかかる新たな刺客ギド。
 ギドに襲われ、断崖から滑り落ちた奏を助けたのはケヴァンで…

0

君と緋色の恋を抱き 小説

髙月まつり  夢花李 

切ない・・・キュンっときます

時代背景としては大正か昭和の初期あたりでしょうか。
日野家次期当主、裕利と赤色の髪に琥珀色の瞳をもつ使用人、浩太がお互いに14歳の時に出会ってからのお話です。
浩太が本当にかわいらしく描かれていて、みんなが彼のことを好きになってしまう気持ち、すごくわかるなぁと思いました。
裕利の一途な気持ちも読み手に伝わってきて、とてもよかったです。
涙が出ました。
良かったのですが、話の展開としては物…

1

あまい唇、にがいキス 小説

神奈木智  夢花李 

逆シンデレラストーリー?

 逆シンデレラ……?
 お金持ちの朱鷺と、ごく一般家庭に生まれた涼太はひょんなことから知り合いになる。
 すると、朱鷺は何かと構ってくるようになり、ある家庭の事情を抱えていた涼太はそれから逃れるために、「バイトだったら付き合う」と言ってしまう。
 それで朱鷺との関係も終わりかと思いきや、朱鷺はあっさりそれを受け入れ、涼太はパーティーで朱鷺をエスコートすることになる。
 朱鷺は、涼太をイイ男…

0

ラブ・サピエンス 小説

たけうちりうと  夢花李 

いい台詞が沢山

たけうちさん作品の中では完成度としてみればちと低め。

でも好きなんですよねー、構成は多少甘い部分があるんだけどそれを超える程の凄くいい台詞が沢山詰まってて、独身なのに7人の子供を引き取って育てちゃう伝次郎(実子は長男のみ)は変わった人だけどポロッとしみじみ良い事言います。

ある事件が切っ掛けで半年不登校を続けている節ですが自分でもこのままじゃいけないと思っていて、でもどうしようもない部…

2

となりの王子様 小説

桜木知沙子  夢花李 

受けにめちゃくちゃイラつかされました

めちゃくちゃかっこいい攻めに、なんの取り柄もないマイナス思考でウジウジしてる受けが、ひたすら構われて愛されて口説かれる話。
こういう話は苦手です。
攻めがこの受けを好きになる理由がわからないんだよね。嫌いになる理由ならわかるんだけどw
冒頭からして身勝手だし。
思考回路が不愉快なんだよね。
「僕の都合はおかまいなし」って、都合があるんならちゃんと口に出して言えばいい。言わないのが悪い。なのに、それ…

0

蒼天の覇者 -風の系譜- 小説

高岡ミズミ  夢花李 

ファンタジー?いいえ現代ものです

大学で民族の風習を研究している教授の助手を務めている蒼は、教授のお供で大ハーンの財宝を守るという風の民ウルムクを尋ね、地図にはない土地アルザナードに向かう。
過酷な環境の中で死を覚悟した時、蒼の前に一人の男が現われた。
彼こそがウルムクの若き族長、バアトルだった。
バアトルに助けられ、彼らの集落に連れて行かれる蒼だったが、民たちからの視線は酷く冷たい。なぜなら外からやってきた蒼は禍を運ぶもの…

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