渋茶
最後まで読んで…、もしかしたら誰も傷ついて無くて、これは「めでたし!」なの?と、思いそうになりましたが。いやいやいや。こんなにも読者をモヤらせる展開も無いだろう、と思いました。
将人の嫁が好きな人(学生の頃から一番好きだった人)と、上手く行きそうだから離婚してくれ、だとか。そのお義母さんが、将人に仕事が無くなって困るだろうからと、家業を続けてくれて構わないというのも、自分達の都合だし。周史の見合…
何かにつけて低体温な穂貴を巡る、ぬるい三角関係を描いたストーリー。
優しいのか、無関心なのか。およそ子供の頃から、本気を出すことの無かった穂貴は、付き合ってという周史を受け入れる。
それをただ見ている将人。将人は将人で、何となく結婚をして、不満は無いが、情熱も無い。
大学の先輩だった女性と子供が出来たからと言って、結婚し、入り婿として収まっている。
この二人が穂貴に執着しているのは、子供の…
ちょっと泣いてしまった。表題作よりも切なくて、何ともやり切れない気持ちにさせる、
同時収録の「1+1+1」。他のレビュアーさん方も触れている様に、亡くなった恋人の友希のことを思うと、可哀想ではあるんだけど、(やはり定番的になってしまうかもだけど。)
ここは、「喪失と再生の物語」であるべき。なんですよね。そして、友希もそれを最終的には願ってもいる。愛しているから。それが痛いほど伝わってくる物語で…