宝井理人さんのレビュー一覧

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

タイトルが素晴らしい

メインカップルが割と簡単に体の関係を結んでしまったので。
やや拍子抜けをした部分もあったのですが。
その後、心の距離がなかなか埋まらないのが、
じれったくて仕方ありません。

端から見れば十分、「君は恋をしているんだよ」という状態なのに、
それを認めない(認められない?)遼。
頑なな遼の雪解けを、急がず、優しく待っている英之。
そんな二人の静かだけれども情熱的な心の交流が、
どち…

5

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

ゆっくり礼賛

この作品、すごく好みです。
ゆっくり、慎重に、遼の心に踏み込んでいく、英之の丁寧さがいいです。
それを受けて、自分で、しっかり、自分の心と向き合う遼も好ましい。

杉原さんの作品楽しみ所は、「恋愛している自分を、自覚して」、「受け入れる」過程だと思っているので、杉原さんらしさをとても堪能できた。
また、遼は、子どもの頃のトラウマ故か、自分の中での心と体の繋がりが希薄で、
割合と簡単にセ…

8

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

深い海の底をたゆたう感じで読みました

もどかしいのは杉原さんの十八番みたいなもんですから、まぁいいとして、今回はいつも以上に淡々とお話が進みます。

お話の半分くらいは12年前のことを振り返っている感じなのですが、主人公の一人、映画ライターの水原英之は16歳から28歳の今まで、始終落ち着いているのです。
取り乱すとか激昂するとかそういうことが無い。
父親が小学生の遼を預かってきた時も、思いがけず再会したときも非常に淡々と受け入…

5

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

まさに【音無き世界】音が無くても世界には闇もあり色もある

杉原さんの作品は、独特な湿り気があって
ちょっと手暗がりのような空間に入り込むような雰囲気があります。
そして圧倒的に再会モノ、●年片思いみたいなパターンが多い。
頭で理解するまで片思いが続くような・・・

今回の作品も1ヶ月だけ一緒に暮らした
言葉を話さなくなった小学生と高校生が
大学生と社会人になって再会する話でした。

幼い頃に愛する人に傷つけられたトラウマは重く
遼の行…

3

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

キレイにはまったタイトル

ここのところ杉原さんの過去作を読んでいて、傾向がちょっと違うけどそれなりに面白いと思っていたのですが、やっぱり今の作品の方がいいですね。


フリーの映画ライターの英之はフィルムコンテストの応募作品の中に、12年前に1ヶ月だけ家に預けられていた遼を見つける。
ほとんど口をきかない、わけありの子供だった遼。
再会した遼は映研の仲間と楽しく活動している普通の大学生へと成長していたが、やはり複…

3

セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY コミック

橘紅緒  宝井理人 

一週間の終わりとその先

決められた時間の中でお互いがお互いを好きになっていく過程がすごくじりじりしてとてもよかった。
さりげなくヘタレな攻といざとなったらかなり男らしい受が個人的にとてもツボです。
攻より身長ちっちゃい受の方が足が速いとか、そういう些細なことにときめいてしまうんだ。

一週間だけの約束とか、本人たち意外から見たら結構バカバカしいものなのかもしれないけれど、それに縛られつつも恋をして壁を乗り越えてし…

1

セブンデイズ MONDAY→THURSDAY コミック

橘紅緒  宝井理人 

特別な一週間の始まり

半ば冗談から始まった期間限定の恋人関係。
美形で誰にでも優しい芹沢と、王子様な見た目に反してごく普通の男の子の弓弦。この二人の関係がちょっとずつちょっとずつ近づいていく様子がとても丁寧に描かれていて、それだけできゅんきゅんしました。
もちろんエロも好きだけど、たまにはこういう繊細でもどかしい話が読みたくなるんです。

男同士とかそこはスルーなのかと、最初ちょっと気になったけれど、途中からど…

3

朧月夜に、あいたい。 小説

真崎ひかる  宝井理人 

どんでん返しのギャップ萌え?

絵本作家で、死んだ恋人に逢うために夜の公園に日参しちゃって、相原さんったらなんてオトメ。そうかーオトメ攻めかと思っていたらまさかのヘンタイさんだった。
物腰が柔らかいだけにこわいわ。
でもこのギャップは嫌いじゃないよ。

攻のキャラクターはおいておくと、良くも悪くも繊細なお話だった。

二人の恋の他に割と大きな柱になっているのが、両親に弾くことを反対されている啓杜のピアノです。
プロ…

0

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

イメージと雰囲気が映像で広がる世界

杉原作品の持つ透明感、それは主人公の淡々とした姿もあり、ともすれば情熱を感じられずに飽きてしまうこともあるのだが、今回はその透明感をまさに題名の如く「音無き世界」でうまく映像雰囲気をイメージさせて、帯文句「気づくと、夢中になっている」な具合にのめり込ませていました。
何より、その淡泊さを1部と2部に分け、攻め視点、受け視点の構成にしたことにより補い、より入りこめる作品にしてくれています。
二段…

4

音無き世界 小説

杉原理生  宝井理人 

最後の文章にやられました。

「世界が終わるまできみと」で杉原さんにはまって何作か続けて読みました。
が、ちょっとスロー展開ラブに自分がじれてきたのか(オイ)、
ここ何作かはちょこっとだけスルーしてきました(汗)

でも、久しぶりに読むと
「やっぱりこの文章の美しさはときめく~」
とばかりに一気にスルスル読めてしまいました。
杉原さんの場合、正直、キャラ萌えより文章萌えの度合いのほうが高いのかな…。
(自分の場…

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