片岡ケイコさんのレビュー一覧

スイートルームでくちづけを 小説

うえだ真由  片岡ケイコ 

宝の山の予感

うえだ先生の代表作でもなく高評価でもないのに、この完成度の高さはどういうことだと、自分の予想が裏切られたことを喜びながら、読み終えることができました。
私が今までに読んだうえだ先生のほかの本と同様、密度の粗いところが見当たらない話作りに、創作に向かわれる先生の真面目な姿勢が窺われ、話の面白さとあいまって大変よい気持ちになれました。

あとどれだけこんなに価値の高い本があるのか、先生の本を全て…

3

スイートルームでくちづけを 小説

うえだ真由  片岡ケイコ 

BLで『社長秘書』という響きからは想像つかないほど誠実です。

タイトル通り『社長秘書』で想像する華やかさ・その他モロモロ(人によって方向性さまざま・・・)はないんですが、仕事面も恋愛に関してもとても誠実で好感の持てる作品でした。
『秘書同士CP(社長と秘書じゃなく)』だからというのもあるのかな?

彩(受)はホントに健気なんです。ここまでひたすら耐えなくても・・・とちらっと思わなくもなかったんですが『不幸・悲劇(的な状況)に酔ってる』感じがしなかっ…

5

甘く淫らな檻のなか 小説

柊平ハルモ  片岡ケイコ 

テイストの違った愛人ものでした。

この作家さんは、デビュー当初から読ませて頂いています。
年の差、素直じゃないひねくれ攻×大人しめの健気な受の設定が美味しい作家さんです。あと、攻と受けのちょっとした勘違いや、すれ違いのお話が多いと思うんですけど、私はいつも楽しく読ませてもらっています。

今回は、男前スーツ•自信家社長×健気な高校生受の年の差、愛人もののお話です。
借金系で、俺様•執着攻めに囲われ、好きなようにされる愛人も…

1

一万年+3日 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

普通の大学生と変わり者な天然美人の日常

すごく良かったです!
大きな事件が起こらない上に、いい人しか出てこないので、人によっては退屈な話かもしれませんが、自分にはものすごく合っていました。

この本は全4巻の1巻目で「水の化石」「彩度ゼロの奇跡」「永遠に似た瞬き」の順番です。
2巻目まではエロ無しです。

基本的には攻めの西野視点で話が進みます。
大学の同級生の受け・白川との関係の進展が丁寧に描写されています。
西野は友…

5

ヤシの木陰で抱きしめて 小説

愁堂れな  片岡ケイコ 

ファンタジー!?

 エリートビジネスマンな佐伯祐一は、ハワイでの結婚式を控えながらも、仕事が架橋で十分な時間が取れず、ハワイへの出発の日程をずらしてしまった。
 何とか結婚式には間に合うぎりぎりの日程でハワイに訪れたはいいものの、先に行ったと思っていた花嫁はいない。
 それどころか、「あなたと結婚する自信がなくなりました」のFAX一枚で、実は、出国すらしていないことを知る。
 結婚休暇どころではなくなった祐一…

0

甘く淫らな檻のなか 小説

柊平ハルモ  片岡ケイコ 

思ってたより純愛。

これは、どこがとは上手く説明できませんが、かなり好きなんです。

なんというか、読む前はあらすじからもっと別のイメージを持っていたので、ちょっと嬉しい誤算というか・・・『家のため』『愛人』というキーワードから連想するキャラクター(特に攻)やストーリーとはまるで違っていて、私はそこがよかったんですが、『借金のカタに強引な攻が受を無理矢理』的な流れが好みの方にはまったく物足りないでしょうね。私は…

2

最愛の束縛 小説

バーバラ片桐  片岡ケイコ 

下克上攻

大財閥の息子で、親戚間の跡継ぎ争いにうんざりしている弦希〔受〕
彼は自分の将来まで決められた雁字搦めの生活から抜け出したいと思ってますが、この弦希、ぶっちゃけ年の割りには頭良くないというか世間知らずなのかなー、まあそんなタイプ。
弦希の傍には切れ者で感情の読めない男・奥田〔攻〕が9年ずっとお目付け役として付いてます。
そんなある夜、突然に奥田が弦希を無理矢理強姦し、その後も陵辱調教を続けるの…

1

罪よりもいとしくて 小説

杏野朝水  片岡ケイコ 

中途ハンパ

帯『傷付いてもいい、―そばにいたい』

ストーリー的にはドロドロ系かな?と思いきや、そこまでじゃないんですよねー。
求〔受〕は身寄りをなくし、親戚の八坂家に世話になってます。
表面上は八坂家の息子で年下の将史〔攻〕やその両親共と仲良くしているんですが、実は求は亡くなった母親から八坂家への恨み辛みを聞かされていて内部からこの幸せな家庭をぶち壊そうとしている。
そして八坂の父親と身体の関係を…

1

一万年+3日 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

日常の中にある特異さ加減が良い!

タイトルと絵と、淡々とした文章が好みでした。

話は、大学生の如才ない西野(攻め)と美貌と才能と家に恵まれているが人付き合いが不器用な白川(受け)の、一歩ずつのストーリー。

タイトルは最初「何の事?」って思ったけど、白川が興味を持ったミネラルウォーターに因んで付けられたのが、後で分かります。
人の関知しない長い年月を掛けて手にしているその水と、純粋で天然な白川が、実に合っていて、このド…

1

デンキの速度で伝われ! 小説

麻生玲子  片岡ケイコ 

ホントはた迷惑な男だ!

帯『強引な策略家がお膳立てした、はた迷惑なシンデレラストーリー』

帯に「はた迷惑な」とあったんですが読んでみたらホントにもっそいはた迷惑っぷりでした。

人気アマチュアバンドのボーカル・治仁ことハル[受]のバンドはアマチュアライブなのにダフ屋が出る程の人気っぷりでスカウトも何度かされていますが、気ままで縛られる事が大嫌いなハルはその度きっぱり断わってます。
メンバーの中にはプロ思考を持…

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