藤田貴美さんのレビュー一覧

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木原音瀬  藤田貴美 

夏に読みたい

夏の夜に読みたい、ちょっと怖い話。

人間って、言葉を介さないとなにも伝わらない。
どんなに愛していても、どんなに憎んでいても、
自分の心の中で思っているだけでは、
それは、何もないのと同じ事。

お互い、自分自身の心の中で思っているだけで、全く言葉にしなかったために、無駄にすれ違うお話。
木原作品って、意思の疎通、意志の不通で、勝手に自分を不幸に追い込むパターンが多い気がする。

4

LOOP 小説

木原音瀬  藤田貴美 

そうして次、また会うんだ。…僕がどんなになっても見つけ出して。忘れていても思い出させて。

愛憎の因縁ある男女をそれぞれ前世に持つ洲脇義国と有田英一。
輪廻転生、生まれ変わり、前世という設定ですが、それについて語るものではないしオカルトめいてもいません。
普通の大学生のちょっと普通じゃないお話ですが。

洲脇は自分の中に宮澤という前世がいることをわかっています。対話もできて体を貸すことも出来ます。
英一の前世は、宮澤が一方的に恋い焦がれる友人の恋人の文(あや)ですがその存在はま…

7

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

このサイト知っててよかったー!

以前から読んでみたいと思っていた木原作品の1つ。

高校時代の友人にレイプされた初芝。
それだけでも傷が深かったに、友人は更なる爆弾を初芝に投下する。
自分がエイズを発症していること。
初芝にも検査を受けて欲しいこと。
そして、初芝は陽性という宣告を受ける―――。

自分には何の罪もなく理不尽な仕打ちでしかない感染。
それも知名度はそれなりにあれど、興味本位で話題にされる程度で、…

2

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

えげつない

『中立』にしましたが、萌えるかと聞かれれば、皆無なので…しかし、1つの物語として、面白くのめり込んで一気に読みました。
極限に立つと人間なんて簡単に壊れていくもんだな~と怖かったです。暴力や裏切り、挙句の果てに、生のために人肉を喰うとは、恐ろしいものです。
この先のなんにも希望や救いがないのに、生にこだわれるものでしょうか。
しかし、BLの要素がなければ、ここまでの残酷さは表現できなかったの…

1

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木原音瀬  藤田貴美 

こんなはずじゃなかった……!!!


読了したあと無意識に呟いてしまっていました…。ほんとに何が起きたか理解できなかった…これはわたしの認識が間違っているんじゃないかとラストは何回もページを戻らせたほどです。

歪んでる。
人生の狂い方が尋常じゃない。
篤と直己の思いの交錯が心千切れんばかりに伝わってきて、痛くて、重くて苦しくて切なくていろんな感情が芽生えました…
何でそうなっちゃったの……

もっと幸せになれる方法…

9

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

誰かに支えられて生きることを自分に許しい欲しい

この作品、BLとは、少し違う感じかな?と思います。
木原さんがあとがきで書かれていますが、一度、没になったプロットだそうです。
たしかに社会的に問題になりましたし、避けては通れないことなのかも知れませんがBLというジャンルではタブーなのかな?とも思います。

主人公の初芝公平は、高校で社会科の教師をしていて新任の乾武則の指導教員です。
望んだ仕事に就き、年下の恋人もいます。
けれど、初…

12

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

全ての願いが叶うわけじゃないけれど

中出しやフェラなどの性描写が多いBL小説でエイズについてしっかり書いてあったのには驚きました。ノンケであり無病の私がこの作品をリアルだと言ってしまうのは違うと思いますが、物語特有の空想的な甘さが少ない話でした。同性愛小説はファンタジーなどと言われている中で、この作品はシビアです。

男女が対照的に書かれていたことも面白かったです。
女性たちは、自分がしてもらう事ばかり考え、好きだと告げたはず…

4

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木原音瀬  藤田貴美 

な・なんでこうなっちゃうのだろう・・・

最後まで衝撃を受けっぱなしでした。
イタタタタ・・・。でも甘い。読み終わった後は呆然とするのみ。魂の抜け殻。
只今 心臓が尋常ではない速さで打っております。高速ドキドキが止まりません。
(普段よりも脈数がものすごい速い数となっています)死にそう。
木原先生独特の感性な世界をたっぷり浸ることが堪能出来るニクイ作品です。

愛する人の為にアナタは自分の顔を整形できますか?

怖いです。…

5

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

ある意味「神」で、ある意味「趣味じゃない」

「神」評価の人の気持ちも判るし「趣味じゃない」評価の人の気持ちも判る、そんな話です。
自分の評価は中間を取って「萌評価」という面白みの無い評価ですが…
間違いなく好き嫌いが分かれる、というか拒否反応が出る人の方が多いと思います(特に後半の「HOPE」)
グロ耐性の無い人は間違いなく避けた方が良いと思います。
自分も耐性は無いですが、それ以上に心惹かれる物があったので読みました。
現実離れ…

4

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

すべての民が 狂うがいい・・・

コノハラ作品を愛する者として この作品ははずせない。
甘ったるいのもいいけれど この作品こそがコノハラ流ではないか!
人間としての生き様が書かれている。
仏教に通じるものがここにある。
人としての弱さ・悲しみ・憎しみ・地獄の阿鼻叫喚が待っている。
表現力は世界を震撼させるであろう。
私はこの話が大好きです。
地獄の苦しみの中でもがきながらも ほんの少しの光りが差し込む。
人間として…

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