藤たまきさんのレビュー一覧

天国までもうすぐ 小説

五百香ノエル  藤たまき 

未熟な恋人同士の悲恋の後の光が見えるまで

ほろっと泣かせてくれる、そして恋人同士の愛情と家族愛、人と人のつながり、
複雑なようで単純な思いがある一方で、単純なようで複雑な思いも感じる作品。
大人になりきる前の危うい程の切ない恋の行くへ、心に迫るお話でしたね。

父親は不倫相手の所へいき、母親は息子を虐待する、それもアルコール依存から・・・
庇護するべき相手を死の瀬戸際まで追い詰める母親。
壮絶な虐待を受けながらも、母親を捨てき…

8

プライベート・ジムナスティックス 3 コミック

藤たまき 

無償の愛

攻め:表紙向かって左側の金髪セラ)
受け:向かって右側(カンナ)

全三巻の最終巻。
分厚い三巻!とにかく盛り沢山な内容です。
セラはずっとずっとカンナを愛している。その気持ちはブレない。でもカンナの「これから」への不安はとうとう溢れ返ってしまいます。
この巻では二人のコーチと、淳の兄貴分であるルイの過去なんかも見えてきて、人間関係が更に入り組んでいきます。
カンナは二人のコーチと上…

3

プライベート・ジムナスティックス 2 コミック

藤たまき 

まっすぐすぎる愛情

攻め:表紙、向かって左側の金髪少年(セラ)
受け:向かって右側の少年(カンナ)

全三巻の二巻目。
一巻で体の関係を持った二人。
大好きなカンナと結ばれ、セラはふわふわと浮き立つものの、セラと寝たことでカンナの悩みは更に増える。
この巻ではカンナの親友の淳ちゃん、カンナとペアになることになった女子の和子が二人に深く関わってきます。どちらもとってもかわいくて良い子なんです!

見どこ…

2

プライベート・ジムナスティックス 1 コミック

藤たまき 

子供の恋愛

攻め:表紙、向かって右側の金髪少年(セラ)
受け:向かって左側の少年(カンナ)

全三巻の作品です。
キラキラした絵柄とロマンチックな言葉使いがマッチした少女漫画のような画面。
トーンの使い方が綺麗で、細くて繊細な線画もこの方の作風ととても合っています。
ストーリーもさわやかでかわいい青春劇…と思いきや、その中に優しくとがった棘が。

セラはバカでカンナに一途で、スケートの才能があ…

2
非BL作品

青空の卵(1) 非BL コミック

藤たまき  坂木司 

いろいろ惜しい

実に雰囲気たっぷりの表紙ですが、非BLです。

原作は未読ですが、コミカライズは、かなり腐女子釣りを意識している感じ。
坂木と鳥井の関係も、BLの王道とも言える「友情と恋愛との間で迷いつつ微妙な均衡がいつ破れるのか」的な、BLの方向へいつ展開してもおかしくない雰囲気はたっぷりです。
と、この主人公二人の関係はニアBL,釣りBLなのですが、この作品が非BLである所以は、寧ろ、収録作「秋の足音…

3

夏の名残りのばら コミック

藤たまき 

賢治がお好きなら、きっと好きですよ

キレイ、ひたすらキレイ
表紙でちょっと損してると思います
中はもっと素敵ですよ

兄マリスと育ての親アッシャの間には性的関係などなかったと思います
でもそこらへんのBLよりずっと 強い絆を感じます

1

アタ コミック

藤たまき 

秘められた想い

藤たまきさんの漫画は、まるで映画の絵コンテを見ている様で読んでいると世界はレンズを通した様にキラキラと優しく輝いていて、その世界に読む度に引き込まれます。

訳あって影郎〔攻〕の家に一緒に暮らしているアタ〔受〕
最初はアタってちと変わった名前だなーと思うのですが、何故に彼がアタなのかはラスト近くで判明するのです。
影郎の弟分の様に育ち、そして影郎はゲイでだめんず(←死語?)にばかり引っかか…

2

アナトミア コミック

藤たまき 

繊細な世界

萌えというより、ひとつの童話を読んでいるような気分になりました。
なので評価は中立とさせて頂きました、決して何か疑問に思ったとか、内容が琴線に触れなかったとかそういうのではないのです。
美術学生ルーサ×美術教師エバの連載が一冊にぎゅっと詰まった単行本。
とにもかくにも、ファンタジーの空気が漂い(絵の傾向もありますが)舞台となるヨーロッパの雰囲気にマッチしています。
どのページもキラキラして…

1

桜並木袋小路 コミック

藤たまき 

ふわふわしたファンタジー

短編集です。
耽美っぽい空気感っていうのかな、独特の藤たまきワールドでした。
ふわふわしたお菓子みたいな肌ざわりなんだけど、小さな棘も潜ませてあったりして、ただ甘いだけではないのを感じます。
モノローグが独特なので、好き嫌いはあるかも。ハマる人はハマるけど、ハマれない人はハマれない。私は微妙にハマれませんでした。スイマセン。
ひとつひとつのお話が短くて、感情移入しきれなかったのもあるかな。

表題…

1

シガレット・リバティ コミック

藤たまき 

良かった

『草上の昼食』
売りをやってた少年の健気さに胸が痛くなりました。なんかインプリンティングなヒヨコみたいな可愛さ。可愛いんだけど、心がツンと切なくなるような可愛さです。可愛いと可哀想は似てるというのをよく聴くけど、それを体現したような少年でした。
そんな少年をひょんなきっかけから自宅に住まわせることにした主人公。彼の人物造型もまた秀逸です。少年を疎ましく思って冷たくする場面、分かる分かるって感じでし…

0
PAGE TOP