嶋田純子さんのレビュー一覧

玻璃の柩 小説

嶋田純子  波津彬子 

匣の中の熱

20余年前に刊行された耽美小説、と聞いて
あなたはどういうイメージを抱かれるでしょうか。

格式ばった?とっつき難い?濃密?

この作品には多分それ等の形容詞は似合わないで
あろうと評者は愚考します。
かなり言葉を選んで構築された耽美小説ですが。

そう、この小説は耽美小説として世に出ました。
版型もサイズこそ現在のノベルズ版と同じですが、
ハードカバーでありなおかつしおり紐…

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妖しの糸、運命の月 小説

嶋田純子  しもがやぴくす  みらい戻 

特別な関係を持つ2人

 糺神社の跡継ぎ、桐沢遼と、宮司に従い守る一族の長・崇島とのお話。
 ちょっとした時代錯誤系のファンタジーですね。

 遼と崇島は昔から決められた掟により特別な関係を結ぶ事になっていて……というような話。
 あらすじには書いてなかったんですが、実は、遼には兄が一人居て、元々跡継ぎはその兄で、だから当然、崇島と特別な関係を持っていたのもその兄だった……というような裏があって。
 遼が崇島を…

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月と薔薇のノクターン 小説

嶋田純子  珠黎皐夕 

画廊をやってる吸血鬼

「Episode」と名付けられた章が5本あって、それぞれが読みきりになっています。

主人公は「伯爵」とあだ名されている画廊の美しいオーナーで、本名も素性もわかりません。
伯爵の魅入られた美しい「人」は、満月の夜「一夜の花嫁」となる代わりに、望みをかなえてもらえるんです。

BLなストーリーは、伯爵が一夜の花嫁にせず、永遠の契約を結んだ少年・立原瑞樹のお話の「Episode.2」、
伯…

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