中村明日美子さんのレビュー一覧

薫りの継承 上 コミック

中村明日美子 

密やかで苛烈。

※上下巻、あわせた感想になります。下巻のネタバレもご注意ください。

新装版『コペルニクスの呼吸』から、この作品へと続けて読むと、
よりいっそう表現がストイックになっていることに気がつくはず。
とくに、上巻のワイン貯蔵庫のシーン(もうこのシーンだけで神評価!)
右手からこぼれ落ちる目隠しの帯、竹蔵が呆然とするなかで忍のうなじから滴る汗…台詞はなく、それでも忍と竹蔵の極度の緊張と高揚が伝わ…

16
非BL作品

新装版コペルニクスの呼吸 1 中村明日美子コレクションI 非BL コミック

中村明日美子 

評価で悩みましたが

中村明日美子先生がデビュー15周年ということで新装版として発売された今作品。明日美子さんならではの繊細で美しい色遣いの表紙に、思わず目を奪われました。

実は中村先生の古い作品は読んだことがなく、旧版も持っていなかったのでフェアに乗っかりこれ幸いと購入してみました。
ちなみにアニメイトさんで「太田出版×アニメイト」のフェアが開催されていたので、アニメイトさんで購入してみました。8冊…。買える…

8

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

引き寄せられてしまった二人

久しぶりに物凄いものを読ませて頂いた。
読み終わって1番はじめに思った事です。その後はもう形容するのが難しい気持ちで一杯になりました。

「狂ってしまっていたのだ この 薫りに」
作中のモノローグでこうあるように、まるで花の薫りに引き寄せられる虫のように、抗えず幾度も求め合う竹蔵と忍。

忍は目隠しをして、闇に犯される。闇の正体は追及しない。
そう固く誓いながら幾度も竹蔵を求めてしま…

10

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

圧倒的な、あまりに圧倒的な

読み始めるやいなや、普段私をよろっている趣味嗜好や萌えツボは彼方へと吹き飛ばされ、裸の心だけが物語の強烈な磁場に引き込まれてゆくのを感じました。

恋は暴力なのだと、それを経験したことのない者にまで、これほどの説得力でうったえてくる物語を、私は知りません。

読み終えた今、ふたりの兄弟が抗いがたくひかれあったことが、必然であり当然であったと思えるのは、卓越した表現のためだけではなく、この作…

17
非BL作品

2週間のアバンチュール 非BL コミック

中村明日美子 

お勧めできない問題作

中村明日美子先生の新刊『薫りの継承』のレビューでこの作品に触れたので、読み返してレビューします。

・『2週間のアバンチュール』
年齢より幼く見える少女アンジュの2つの夏のコロニーでのお話です。
最初の夏、アンジュは書くのもおぞましい『罪』を犯します。裁かれるようなことではないので『罪』というのとは違うかもしれません。2度目の夏の出来事に至っては、相手の少女にとっては良い思い出にすらなった…

3

薫りの継承 上 コミック

中村明日美子 

筆舌尽くしがたい名作!

これぞ明日美子ノワール。。。!!

最高でした。
最近お取り寄せエッセイ風漫画やらコミカルな作風やら某楽園くんやら脇道にそれてる感あり、それはそれで流石の落としどころというか、まあ楽しかったのですが。でも。でも。ずっと待ってました!このペシミスティックでおタンビな長編新作を。

悔やまれるのは最終回をなぜか雑誌で読んでしまったこと。これはネタバレされたくない。ゆえにレビューも本当は読まず…

4

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

この愛の終着点は悲しい

上巻に続きレビューさせて頂きます。

地雷になりそうな要素が、けっこうある作品だとは思いますが、上下巻、合わせてぜひ読んで頂きたい作品です。

下巻の内容はというと、上巻に続き、相変わらず目を覆い隠して身体の関係を続ける、弟の竹蔵と兄の忍。二人の関係をまったく疑う事の無い、忍の妻が竹蔵に一人の女性を紹介します。その女性に対して竹蔵がとった行動が二人の運命を、大きく狂わしていきます。上巻では…

7

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

ひええ~~( ;Д;)

上下巻合わせての感想です。

人気な作家さんとは知ってたんだけど
中村先生の本は初めて読みました。
不快になる人がいたらすいません!
絵が苦手だったんです・・・
ファンの方ごめんなさい!
でもこの本を読んで他の本も読んでみようかな
という気になりました。
絵がどうとかいう問題じゃなかった・・・

インパクトがすごくて読んだ後ぼーっとしてました。
今でも上手に感想が言えません…

9

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

血よりも濃く

※こちらは上巻込みのレビューとさせていただきます。
わたしは、近親ものをあまり積極的に読む方ではありません。
中には素晴らしい作品があることも承知していますが、
読後どうしても、喉に細かい小骨が刺さったような
そんな引っ掛かりを感じてしまうのです。

けれど、『薫りの継承』について言えば
そのような引っ掛かりや嫌な感じはなく、
ただ、薄いヴェールのような”薫り”がたちこめる中を

35

薫りの継承 下 コミック

中村明日美子 

もう、とうに

狂っていたのだ


兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。
あれから何度も交わっている。
兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。




ふたりの禁じられた孤独な愛の終幕。
本当の意味での終わりと別れ。

そして継承される薫りの呪縛。


胸が苦しくなるのに、何度も何度も読み返してしまう作品。

これがふたりの終わりなのか。
そもそもふたりの間で…

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