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51/100(合計:998件)
中村明日美子
メグタン
愛よりももっと深く愛していたよ おまえを 憎しみもかなわぬほどに憎んでいたよ おまえを わたしに重なる影ー わたしの神ー そんなモノローグで終わる萩尾望都大先生の短編『半神』 一卵性双子の女の子の、わずか16ページの物語。 この物語でも、自分の半身を「天使」と語ります。 今回の『コペルニクスの呼吸』を読み直し、ふと頭によぎりました。 そう、この作品は萩尾先生の『トーマの心臓』や『…
ネタバレ
※以下、上下巻あわせた感想でネタバレあります。BLとしてではなく、作品としての評価が強いです。 それは弟なのか?自分なのか? 現実と非現実の境目をあやういバランスで行き来するタケオですが、物語はトリノス(=タケオ)と弟の関係を本流に、それ以外にもひろがっていきます。 重なる自分と貴方。合わせ鏡はいくつも見られます。 弟はトリノスを愛し、トリノスはミナをうちのめす。 タケオは自分自身に…
※上巻にほぼ感想を載せています。 この物語には、いろいろ解釈に迷う部分が出てきますので、こちらにはそれの覚え書きとして。ネタバレ注意です。 ほかの方のレヴューでも書かれていた、銀行の前にいた眼帯の男が忍にかけた「あんたは優しいからねェ」とのことば。 これの対になるのが、別荘ベランダで竹蔵とはるかが話すシーンなのでは、と。 このときに竹蔵は『銀河鉄道の夜』のエピソードをひきあいに、「そん…
※上下巻、あわせた感想になります。下巻のネタバレもご注意ください。 新装版『コペルニクスの呼吸』から、この作品へと続けて読むと、 よりいっそう表現がストイックになっていることに気がつくはず。 とくに、上巻のワイン貯蔵庫のシーン(もうこのシーンだけで神評価!) 右手からこぼれ落ちる目隠しの帯、竹蔵が呆然とするなかで忍のうなじから滴る汗…台詞はなく、それでも忍と竹蔵の極度の緊張と高揚が伝わ…
ポッチ
中村明日美子先生がデビュー15周年ということで新装版として発売された今作品。明日美子さんならではの繊細で美しい色遣いの表紙に、思わず目を奪われました。 実は中村先生の古い作品は読んだことがなく、旧版も持っていなかったのでフェアに乗っかりこれ幸いと購入してみました。 ちなみにアニメイトさんで「太田出版×アニメイト」のフェアが開催されていたので、アニメイトさんで購入してみました。8冊…。買える…
弥夜
久しぶりに物凄いものを読ませて頂いた。 読み終わって1番はじめに思った事です。その後はもう形容するのが難しい気持ちで一杯になりました。 「狂ってしまっていたのだ この 薫りに」 作中のモノローグでこうあるように、まるで花の薫りに引き寄せられる虫のように、抗えず幾度も求め合う竹蔵と忍。 忍は目隠しをして、闇に犯される。闇の正体は追及しない。 そう固く誓いながら幾度も竹蔵を求めてしま…
むぼち
読み始めるやいなや、普段私をよろっている趣味嗜好や萌えツボは彼方へと吹き飛ばされ、裸の心だけが物語の強烈な磁場に引き込まれてゆくのを感じました。 恋は暴力なのだと、それを経験したことのない者にまで、これほどの説得力でうったえてくる物語を、私は知りません。 読み終えた今、ふたりの兄弟が抗いがたくひかれあったことが、必然であり当然であったと思えるのは、卓越した表現のためだけではなく、この作…
迷宮のリコリス
中村明日美子先生の新刊『薫りの継承』のレビューでこの作品に触れたので、読み返してレビューします。 ・『2週間のアバンチュール』 年齢より幼く見える少女アンジュの2つの夏のコロニーでのお話です。 最初の夏、アンジュは書くのもおぞましい『罪』を犯します。裁かれるようなことではないので『罪』というのとは違うかもしれません。2度目の夏の出来事に至っては、相手の少女にとっては良い思い出にすらなった…
guest00
これぞ明日美子ノワール。。。!! 最高でした。 最近お取り寄せエッセイ風漫画やらコミカルな作風やら某楽園くんやら脇道にそれてる感あり、それはそれで流石の落としどころというか、まあ楽しかったのですが。でも。でも。ずっと待ってました!このペシミスティックでおタンビな長編新作を。 悔やまれるのは最終回をなぜか雑誌で読んでしまったこと。これはネタバレされたくない。ゆえにレビューも本当は読まず…
ウェンディ
上巻に続きレビューさせて頂きます。 地雷になりそうな要素が、けっこうある作品だとは思いますが、上下巻、合わせてぜひ読んで頂きたい作品です。 下巻の内容はというと、上巻に続き、相変わらず目を覆い隠して身体の関係を続ける、弟の竹蔵と兄の忍。二人の関係をまったく疑う事の無い、忍の妻が竹蔵に一人の女性を紹介します。その女性に対して竹蔵がとった行動が二人の運命を、大きく狂わしていきます。上巻では…